■■■パリオリンピック開会式で行われた涜神行為は、キリスト教圏を大いに驚かせたのだとか。
 …いやいや、フランス革命では革命派が人造神こと“最高存在”を崇拝し、キリスト教を侮辱する祭事が行われたというではないですか。

最高存在の祭典
https://ja.wikipedia.org/wiki/最高存在の祭典

 ちょっと前の中華シリーズ記事でも書きましたが、民族の性根というのは、年月を経ても変わらないものみたいですねえ。

■さてここで疑問に思うのは、実在の人物達をモデルに、フランス革命とその後に起こった不徳や虐殺を描いた『神々は渇く』という小説があるのに、今回のパリオリンピックと絡めて語る人を見掛けなかった事ですな。

■そりゃあ『神々は渇く』には、ほぼ同時代を舞台にした『レ・ミゼラブル』みたいな創作的な派手さは無いですし、折角扱った“人造神への贄”も、静謐で陰鬱なまま坦々と進められるだけなので、話題にし難いでしょうし、知名度も低いままとなるでしょうけれども、さ。

■インボー論的な発想を書くのならば。
 『神々は渇く』がこうもマイナーなままで、1970年代以降には新規の日本語訳も出版されず、重版が少なく入手が困難な時期が続き、未だ電子版も存在しない…等というのは、特定界隈が絶賛するフランス革命の暗部が描かれている事から、書名や内容が広がらない様な圧がかけられているのでは…だなんて、疑えなくもない、デス、よ。

■身体的に“そうなっている人”も出てきますが、それだけが理由ではありますまい?

■『神々は渇く』著者のアナトール・フランスは、今回のパリオリンピックの丁度百年前の1924年に亡くなった際、フランスが国葬を行った程の人物だった筈なのですけどね。
 いや、この国葬も、フランス流の虚飾だったのかもしれませぬが。

アナトール・フランス
https://ja.wikipedia.org/wiki/アナトール・フランス


■■■『神々は渇く』の日本語訳は二種類しか知りませんが、大塚幸男訳は荘重気味で岩波文庫版には解説があり、水野成夫訳は旧字や旧仮名遣いながらも柔らかく読み易いが酣燈社版には解説が無い、という感じですかね。

■時節柄か、ネット上で販売されている『神々は渇く』はプレミア価格になっている様ですが、興味が湧いた方はテキトーに宜しくという事で。


■■■類する話?で、フランス革命研究家・ミシェル・ヴォヴェルの著書で『ベルサイユのばら』に触れられた部分が日本語訳されていましたので引用しておきます。

『漫画の国のマリ・アントワネット』
ミシェル・ヴォヴェル
出版者 東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学研究室「クリオの会」
翻訳者 楠田悠貴 田瀬望
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/2010006

■現バンナムは東大法学部卒の小川Pをブランド化したかったっぽいのですけど、本人の発言に知性が感じられない上に、自分がダメならこういう資料を引用しておこうという知恵も働かせられないので、市場には全く通用しませんでしたね。
 世間は簡単に他人の実力を見抜くのですぞ。

■高学歴でもダメな奴はホントダメだというのは、六大学クラス卒しか採用しない集英社や小学館の漫画雑誌編集者が常日頃から延々と証明し続けているので、現バンナム上層部の周回遅れで浅墓な願望や妄想などに、観客が騙される訳が無いのですよ。
 自分達よりも遥かに影響力が大きい高学歴集団が失敗し続けた後に、全く同じ失敗をしてしまうのだから、現バンナム上層部も、ホントダメ側の生き物。


■■■ちょっとオマケ。

「健全な精神を宿せ!」実は不正が多かった古代ギリシアのオリンピック
2024.08.04
https://nazology.net/archives/157372

※『1984』で有名なジョージ・オーウェルの掌文。個人訳。
『スポーツ精神』
1945年12月
https://open-shelf.appspot.com/TheSportingSpirit/chapter1.html

パリの地下に広がる「闇の都」、600万人分の納骨堂や幽霊駅ほか
「光の都」が秘めるもう一つの顔、暗くてディープなその歴史
2024.08.06
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/072600404/


■■■当ブログでは、ここから幾つかの記事で古代中華の文献云々に触れております。

『ヒミコヤマト』準備運動。大丈夫なのかしらんね、よしゆきちゃん。
2024年05月30日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/10216903.html


■■■…いやー、積極的に保存と継承を行ない、絶えずその宣伝もしておかないと、国家規模でも記録の断絶が起こるものですねえ……というのを枕に、当記事では『ベルセルク』の連続性や元ネタ作品関連の話を幾つかしておきましょうかと。


■■■さて、元ネタ作品の話に入るより先に。
 当記事コメント欄にすら出現しておりますが、これまで『ベルセルク』の単行本には一切クレジットされず、最低限の才能がある事も証明しておらず、作者が亡くなられた後に突如として企業が看板として持ち出した人物を、何故か無条件かつ無限大に妄信している“ピュア”な皆さんが居られる様ですので、まずは「三浦建太郎逝去後に『ベルセルク』の監修に就任した森恒二は信頼出来るのか」という御題から。


■■■えー、森恒二の代表作『ホーリーランド』は、格闘技経験がある作者が若い頃に夜の街で暴れていた経験を元に描かれたという触れ込みなのですが、これがまあ、徹頭徹尾デタラメでしてな?

■空手では、発祥が日本だと断定してる、「残心」を止めを刺すポーズだと思っている、指を伸ばして目潰し(外したら突き指するので普通は曲げる)、タックルを振り下ろしの手刀で迎撃出来る、後ろ蹴りと後ろ回し蹴りを間違えてる…等。
 柔道では、組み手争いの手が早いからボクシングのパンチを防御出来る、路上で投げられてもバックを背負っていればダメージ軽減(応力集中でかえって危ないだろ)、柔道経験者なら高校生でも全員耳がわいてる…等。
 今回はメインテーマでは無いので書き切れませんが、そんな感じで、作中では現実の格闘技では全く採用されていない嘘技術ばかりが並べ立てられているのです。

■ボクシングの話は部分的に合っているけど、それは『はじめの一歩』まんまの所だけですな。

■そして連載の後半になると、それっぽい嘘すら吐けなくなり、地面を前転して移動するのも効果的とか、電柱の陰に隠れると一方的に攻撃出来る等、運動の出来無い小学生みたいな事まで言い出します。

■で、そんなデタラメは書いてあっても、大きな音による威嚇、頭突きや髪の毛を掴む、素手だと脳を揺らしにくいので耳の裏を狙え等といった、喧嘩の定番技は全く出てこないという。

■実写化された際には日本版韓国版とも、格闘技関連部分は大いに修正されていましたね。
 日本版DVD一巻の森恒二の(自称)演技指導には、全く決まっていない関節技で大袈裟にのけぞる役者が写っていますので、嘲笑したい方は御確認下さい。
(現在出先なので、色々画像無し)

■作者逝去後の『ベルセルク』に面白いアクション芝居が無いのは、こんなのが「監修」しているからかもしれませんぞ。

■さて、そんな『ホーリーランド』ですが、陰キャ(外見は『エヴァ』のシンジ)が立ち読みした教本を頼りに自分の部屋の中だけでボクシングの練習をしていたら夜の街で最強となり、強者達からは尊敬され、親友も恋人も出来ました…という、キモオタの誇大妄想そのまんまのストーリーラインだった御陰で、一定数の信者を獲得していた様です。
 アマゾンの単行本レビューも、具体的な理由は全く書かれない絶賛が並ぶ“いつものアレ”。

■出版社側がデータを誤読して、森恒二をゴリ押ししてるんじゃあないとよいですね。


■■■森恒二による『デストロイ アンド レボリューション』(2010年10月発表:全九巻)の、“キレた性格の思春期頭脳派女顔美少年が、同級生の陰キャが視界の届く範囲で掌に乗る程度の体積の物質を操作破壊出来る事を知って、社会に革命を起こす為に近付き、身近な所から破壊活動を開始する”という基本プロットは、鬼頭莫宏の『なにかもちがってますか』(2009年11月発表:全五巻)そのまんま。

■こちらは試し読み。
 第一話のサブタイトルが「ぼくらは」から始まるのも同じですな。

『なにかもちがってますか』
第1話 「ぼくらはもっすぐ歩けない」
https://comic-days.com/episode/10834108156631384027

『デストロイ アンド レボリューション』
第1話 僕らの憤り
https://ynjn.jp/title/889

■先行した『なにかもちがってますか』では、女顔美少年が超能力を自分の目で見た事から陰キャに近付くのに対し、後発の『DAR』では、ダダパクリを避けた結果か、女顔美少年が何の理由も無く「気になる」連呼して陰キャに近付く他、先行作の肝心な部分をイタダキ出来ていないのが笑う所。

■なお、少し考えてみると判りますが、この導入では序盤が終わると詰むので、『なにかもちがってますか』は迷走後に作者が欄外で作中にツッコミを入れ始めて話を閉じ、『DAR』はインフレ型超能力バトルを延々続けた後に色々ブッチした挙句、雑な定番オチを入れて終わります。
 両作とも、用事がある方以外にはあまり御勧め出来ませぬ。


■■■森恒二による『D.ダイバー』(2023年:連載中)の、“大学生が夢の中に入る能力で犯罪者を追い詰める。能力にはリスクがあり、無敵では無い。性犯罪を主題に読者を釣る”という基本プロットは、原作・益子悠:漫画・一×による『夜になると僕は』(2018年:全四巻)そのまんま。
 話の基礎の先は、似てはいませんが。

『夜になると僕は』
【第1話】命日
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156631700425

『D.ダイバー』
第一話 炎の夢
https://younganimal.com/series/ab9e4574c755c

■『D.ダイバー』には『ファイアパンチ』風味が足されているのも、また惨めったらしいですぞ。

■週刊少年マガジン掲載の『夜になると僕は』は、連載開始時に記事が出ていた位なので、それなりに期待されていたものだと思われます。

少年犯罪で姉を失った主人公描くクライムサスペンス「夜になると僕は」週マガで
2018年7月4日
https://natalie.mu/comic/news/289638

姉を殺された大学生がある“力”で復讐するクライムサスペンス「夜になると僕は」
2018年10月17日
https://natalie.mu/comic/news/304057


■■■そして森恒二の上記の様なこれらの行動を「オマージュ」で済まそうという輩が、当記事コメント欄に出現している訳ですよ。不思議不思議。

■さいとう・たかをの『サバイバル』→森恒二の『自殺島』の様に、主人公(ら)が孤島でサバイバルし、読者を驚かせたいタイミングで建物内の白骨死体が登場する…位だったら、まだオマージュとして通じるかもしれないのですけども?


■■■…。

10代の頃から漫画を語り合っていた――亡き親友の大作「ベルセルク」を完結に導く漫画家・森恒二の信念
2023/10/1
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae91ca48bb4da9147789a6a462367720db05ba56

■森恒二は、上記はじめ各所の記事で『ベルセルク』は構成も台詞も連載開始当時に決めた通りみたいな事を述べておりますが、それだと、『画集ベルセルク』(1997:“蝕”が終わった頃の発売)に掲載された三浦建太郎本人による「ガッツはこれ以上パワーアップしない」という旨の発言と矛盾するんですがね。
 古い本なので、読んでいなかったのかしらん。
※当記事コメント欄には、何故か三浦建太郎側の発言だけ軽視する奇怪なコメントがあります。

■42巻のドラゴンころしがグリフィスを素通りした辺りでは、スラン戦や髑髏の騎士の台詞を忘れていた様子なので、下手すると「監修」の森恒二は『ベルセルク』本編もエアプですな。
 ここは恐らく二度と辻褄が合いませんよ?
 ええ、「監修」が有害化していないとよいですね。

■森恒二当人は「スタジオ我画」を「スタジオガガ」、「D.ダイバー」を「Dダイバー」と、他者も自作もいい加減な表記で済ませています。
 重要な名詞やタイトルすら満足に書けない者の発言に、どんな信頼性がありますか?

森恒二 Dダイバー 創世のタイガ ベルセルク監修 @morichankenchan
とうとう一睡も出来なかった。
恐る恐るXを開き皆さんの感想、激励を目にして涙が止まらず。
改めてしっかり最後まで皆さんと一緒に
走りきろうと奮い立ちました。
読者の皆さんありがとう!
スタジオガガのみんなありがとう!
白泉社の方々、島田さんありがとう!
三浦のドアホウ!
#ベルセルク42
午前9:21 · 2023年9月29日
https://x.com/morichankenchan/status/1707551075518292478
morikou20230929


■■■記事をふたつ引用しますが、三浦建太郎2016年発言では森恒二が暴れていたのは中学生までとなっているのに、森恒二2023年発言では暴れ始めたのは高校生からとなっているのですよ。
 この時点の三浦建太郎に嘘を吐く理由は無い訳ですが、さて。

■三浦建太郎 「ベルセルク」特集 三浦建太郎×鳥嶋和彦対談
2016年7月8日
https://natalie.mu/comic/pp/berserk02
三浦建太郎×鳥嶋和彦02yarinaosu

■【連載】中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」第80回 『ベルセルク』継承-高校時代以来の無二の親友三浦建太郎、その意思を継ぐ漫画家森恒二
2023.11.28
https://gamebiz.jp/news/377926
無二の親友三浦建太郎gamebiz

■ええっと、暴れてた事自体が嘘で、作り話に失敗したんじゃあないとよいですね。


■■■『ホーリーランド』実写版も担当した黒田洋介脚本による『スクライドビギンズ』(単行本未収録)では、森恒三なるキャラがデブとして描かれていましたが、ここでは深く語らない事にしておきます。
 …何かを疑いたい方だけ疑っておいて下さい。
 勿論私も、メディアに出ているのは役者なのかな?等とは全く疑ってはおりません。
morikouzou


■■■『ヴィンランド・サガ』の作者こと幸村誠は、一時期に森恒二と仲が良かった様ですがある時期を境に、話しかけられても全く反応しなくなっております。
 こちら、邪推したい皆さんだけ邪推しておいて下さい。


幸村誠 @makotoyukimura
今日はものすごく楽しかったー…釣りに行ったんです。すみませんボク釣りに行きましたすみません。
「自殺島」「創世のタイガ」の森先生が連れてって下さったんです。釣れるなんてもんじゃないシーバス60~70センチクラスが入れ食い。こんなもう…もういつもの小物釣りには戻れないかもしんない。
画像
午前2:46 · 2019年11月20日
https://x.com/makotoyukimura/status/1196847237642346496

幸村誠 @makotoyukimura
めっちゃ面白いんだぞホーリーランド!ボクの戦闘格闘描写の教科書です。
画像
午前4:08 · 2019年11月20日
https://x.com/makotoyukimura/status/1196867839480623104
yukimura20191120


@検索 _ X


■■■『ベルセルク』の作者逝去後。
 企業が(←大事)、美談を求める大衆の情緒に媚びた内容を発表し、漫画家だの故人の親友だのという肩書の人物に調子のよい話をさせ続けた結果、“感動的な話”を無条件で鵜呑みにしてしまう様な層を、大いに酔わせてしまっているみたいですが。
 ま、注意しときましょうや。

■もうキリが無いので書かないけど、色々と実態不明なんですぜ、実は。

■美談を嘯く側は、どんな言葉が読者に心地よいのか計算してるでしょ。
 実力不足で一定以上の知的水準の相手には通用していないだけで。


■■■まあ、『ベルセルク』も、ダメな企業と監修の御陰で肝心な部分が継承されず、碌でも無い結果に終わりそうだという事で。
 続けば続く程に破綻と失望が大きくなって、ここから更に空気化してオシマイですよ。


■■■一応。
 では三浦建太郎の発言が信頼出来るかというと、こちらの記事では数々の先行作品を無かった事にして、『ベルセルク』が日本のダークファンタジーの開祖みたいな売り込みをしておりまして。

【『ベルセルク』三浦建太郎×『ペルソナ』橋野桂&副島成記】ダークファンタジーの誕生で目指した“セックス&バイオレンス”の向こう側
2019年7月9日
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/190709a

■いきなり、ガッツがパックを連れている事の元ネタこと『聖戦士ダンバイン』(1983)や、『ベルセルク』よりも凄まじい暴力表現がある『ダンバイン』のスピンオフ小説『リーンの翼』(1983)を無視しているのが最悪。
ダンバイン01

 『ダンバイン』は『機動戦士ガンダム』(1979)と同じ富野由悠季監督アニメだし、『リーンの翼』はその富野御大自らの執筆なのですけど。

■上記記事では、1970年代から邦訳がある『エルリック・サーガ』シリーズや、映画『ダーク・クリスタル』(1982)、『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』(1988)すら存在を無かった事にしています。
TheDarkCrystalelfmimi

■タイトルが出ている『エクスカリバー』(1981)も、騎士のグロ系死体が次々出てくる事に触れていないし…。
 ……そう、三浦建太郎は“歴史修正するタイプの提灯記事”に乗っかる人物だった訳です。
 これでは各所の発言も、どこまで信憑性がある事やら。

■それとこの記事では、三浦建太郎が『転生したらスライムだった件』『オーバーロード』に関してトンチンカンな事を言っているのも確認出来ます。
 あんなに読み易い小説すら読んでいないのに、各所で元ネタだと公言している『グイン・サーガ』を読んでいるものでしょうか。


■■■ではここから、『ベルセルク』の元ネタ作品の話を少々。
 超駆け足で大省略しつつ書いた筈のモリコー話が結構な分量になってしまったのと、元ネタ側の致命的なネタバレを避けたいのとで、短かめに済ませます。

■三浦建太郎存命当時から、既にこれらの作品のネタを使い尽くしていた事、継いだと称する集団が未履修若しくは翻案する能力に欠ける事から、『ベルセルク』の続きがアレな結果になっているのではと。


■■■『ベルセルク』最大の元ネタは、『装甲騎兵ボトムズ外伝 青の騎士ベルゼルガ物語』(1988年完結:文庫本全四巻)。
 荒々しい性格の主人公が肉体を欠損しながらも宇宙規模の超存在と戦い抜くという基本プロットの他、主人公が身の丈を越える長銃を使う事をはじめ、様々なエピソードも時系列を変えて流用されています。

■ボイドがこれまでやっていた事って、『青の騎士』のレグジオネータそのものですよ。

■『青の騎士』は、老人が敵性超存在とその造物主の正体を喋り、現在銀河系に存在する全ての戦闘テクノロジーを投入した最強最後の人型兵器と、超存在に抗し得る異界の力とが揃い、主人公の為に自らを投げ出した少女が出た直後に、最終決戦に突入します。

■『ベルセルク』がグダったのは、魔女や髑髏の騎士が敵の謎を喋らず、狂戦士の鎧と魔法と少女が揃っても、最終決戦に突入しなかったからだった訳です。
 とても判り易い。

■もしも『ベルセルク』が『青の騎士』に準じた展開だったら、こんな感じだったでしょうか。
(本編の魔女の辺りから分岐)

・狂戦士の鎧を着たガッツ、グルンベルドとその部下を殲滅。
・魔女と髑髏の騎士、ゴッド・ハンドらの正体をガッツらに話す。
・幻造世界化開始(『青の騎士』のメルキア騎士団計画に相当)。
・使徒が真の機能を解放(W-1のアレ)。人が滅び始める。
・生き残りの人類は魔女の住処に集結、要塞化。
・バーキラカらを含む生き残った戦士達にも魔法装備配布。新生斬り込み隊誕生。
・シールケの犠牲(生きてる)により狂戦士の鎧が強化され、ゴッド・ハンドに抗し得る力を会得。
・魔法剣と狂戦士の鎧を装備したゾッド撃破(ロリンザーのアレ)。
・『青の騎士』のアレを応用して使徒全滅。
・ファルコニア建国前にゴッド・ハンドと深淵の神を叩くべく、ガッツら新生斬り込み隊出陣。
・最終決戦~ラストへ。


■■■当ブログの『青の騎士』に関する過去記事はこちら等。
 当記事よりは、ちょっぴりネタバレが多い感じで書かれています。

『鉄血のオルフェンズ』のMA編がグダグダだったのは、メインスタッフの能力不足で『青の騎士ベルゼルガ物語』を上手にパクれなかったからなのでは?
2017年04月27日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/8859080.html

前回記事補遺。『青の騎士ベルゼルガ物語』復刻についてなど。
2017年06月07日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/8885115.html

■『ベルセルク』は作者があんな事になってしまいましたが、髑髏の騎士の立場や行動はどう見ても『青の騎士』のレトラ・トライブがモデルであろう事や、ゴッドハンドの正体と目的は『青の騎士』のレグジオネータの様なものであろう事から、『ベルセルク』の設定的なラストを知りたい、可能な限り迫りたい場合は、『青の騎士』側を掘るのがよいと思うのですよ。

■作中でガッツがゴドーに対して放ったわざとらしい台詞によって、『ベルセルク』は『青の騎士』と同じラストにはならない事が示唆されていた事から、物語上のラストの方は、一定以上の差異がある展開の用意があったと思われますが。


■■■『青の騎士』は、現バンナムに押されないどころか、『ボトムズ』担当の渋谷誠というのが『青の騎士』模型イベントの最中にで「サンライズに残っていなかったのでホビージャパンに借りた」と言い放って会場を凍り付かせたという程の冷遇ぶり。
 電子化も未だ無し。

■『ベルセルク』がその基本設定をファンタジーにほぼそのまま翻案したものであったとか、エヴァンゲリオンに先んじて、正体不明の動力機関から測定不能の出力を放つ事から本体は分厚い拘束具で覆われ、パイロットとの同調が進むと更なる力を発揮するというロボットが登場していた事等、創作史上大変重要な作品なのですが、旧サンライズ~現バンナムは、その価値に全く気付いていない模様。
 他組織の天才のみが、作品の真価を継承し、活用していたのです。


■■■『ベルセルク』単行本未収録回に登場した“深淵の神”の言動は、『装甲騎兵ボトムズ』TV版に登場した“ワイズマン”ほぼそのままなのですが、ひょっとしたら倒し方も、それに準ずる予定だったのかもしれません。
(コメント欄他に少々続きアリ)


■■■要注意な『装甲騎兵ボトムズ』の記事。
 作品の本質を継承出来無い大企業のサンプルとして引用しておきます。
 …ネタバレを避けた書き方をすると、OVA版以降の後付け設定を、さもTV版当時から存在したかの様な事を述べているのですよ。

『ボトムズ』の最終回って覚えてる? 主人公補正の究極「キリコ」の辿った運命とは
2024.08.22
https://magmix.jp/post/249810

■信頼性が無い事で御馴染みマグミクスの記事ではありますが、その信頼の無さの御陰で、
既存作品のチェック機能が働いていない事が証明されているのです。


■■■『ベルセルク』の元ネタ映画といえば、『ヘル・レイザー』(1987)とそのシリーズ。
 掌の上に乗る大きさのパズル型魔道具・ルマルシャンの箱を解くと、異界から自身の体に拷問を加えている黒い魔導士達が現れて…というプロットがそのまま使われておりますが、今回、その先の内容はどこまで書いていいものやら?
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■ゴッド・ハンドのユービックなんて、バランスを変えた以外は割とそのまんまです。
 影響が判り易い。
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■便宜上『ヘル・レイザー』シリーズと書いていますが、原作者は第一作のみで降板していて、2024年現在11本ある作品の中で幾らか関わっていたのは第四作までのみ、後は権利や製作者、監督らが何だかヨクワカラン感じとなっています。
 私も全作品は観れていないので、これから確認しておきますよ。

■ちなみに、第一作のみ『ヘル・レイザー』表記で、その後は全て『ヘルレイザー』表記なのも、知らない人には判り難いポイントです。うーむ。


■■■『ベルセルク』断罪篇の元ネタ映画は、華美では無い大型宗教施設と、それを囲む貧民達…等々で構成された『薔薇の名前』(1986)ですが、こちら犯人探し系のサスペンスなので、迂闊に内容を書く事が出来ませぬ。
 映画の構図がそのまま使われている場面もありますので、自分の目で確認したい方は、そういった辺りにも注目しておくとよいかもです。
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■■■『ベルセルク』の元ネタ映画のひとつ『ドラゴンスレイヤー』(1981)は、現在日本語では観られない状態になっておりまして。
 この映画は旧バンダイがビデオテープやLDで販売していたのに、何故かDVD時代以降は日本語版が発売されていないのですよ。
 …まさか、使いもしないのに、まだ権利を抱え込んでいるのではありますまいな?

■『ベルセルク』で“ドラゴンころし”が見出される過程には、剣で金床まで切断するシーンがあったものですが。
 映画のトレーラーにはその元ネタである、持ち出された秘槍“ドラゴンスレイヤー”の切れ味を試す際に金床が切断されたシーンが、少々ながら入っています。

Dragonslayer (1981) ORIGINAL TRAILER
https://www.youtube.com/watch?v=vWVJr7JbJZc

■ミッドランド王の外見や性格、実娘への執着は、『ドラゴンスレイヤー』のカシオドラス(Cassiodorus)王関連がモデルだったかと。
 画像右は実在の同名人物。
960MV5uguyftydiAurelius_Cassiodorus


■■■作者逝去後の『ベルセルク』の続きが酷い事になっているのは、内容を主導している人物達に才能が絶無である事の他、当記事では書いていない数々の元ネタ作品に通じていない事も、大きな原因になっていると思われますな。
 周囲に続きを描けるだけの能力があったのなら、生前から何とかしています、よ…?


■■■…現在表で活動しており、かつ割と何でも書ける立場に居る存在の中で、『ベルセルク』に一番詳しいのはウチである可能性が高いのですけど……。
 何かを書かなければならない使命なら、果たす事になるのでしょう。


■■■証明不可能な事を書きます。
 (今出先なので単行本何巻か確認出来ませんが)船旅の中で突然、ガッツとキャスカの間柄を深掘りする話があったじゃあないですか。
 …あれ、私が長年読んできた『ベルセルク』のパチモン&設定並べ展開にカリカリ来て、元ネタ作品とそれをどう応用したかを羅列し、こんな展開では過去編との連続性に欠けるので、現在のガッツがキャスカをどう思っているかをきちんと描いた方がよいのでは、みたいな事を書いたEメールファンレターを送り付けてしまった後の事なんですよ。
 影響があったのかどうかは、もう誰にも判らない事ですが。

■…。
 もしも三浦建太郎が、まだこのブログを始めてもいない、全くの無名な馬の骨の意見を容れる様な人物であったのならば、周囲の人物の話も聞いていた筈なのですけれども。
 しかしながら、『ベルセルク』がずっとああいう感じだったという事は、周囲の人間達の能力の程度は……。


■■■いつもの奴も一応引用しておきますね。
 当ブログで『まどマギ』成立の謎を解いたら、後年の『プリキュア』の一作が、関連記事やコメント欄をなぞった様な内容で発表された…という怪事等。

虚淵玄が『魔法少女まどか★マギカ』の脚本を書けたのは変だと思っている方は居ませんか??
2013年09月25日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/7333416.html

宇宙がテーマの『スター☆トゥィンクルプリキュア』に、弓を使う“まどか”と金髪の“えれな”が出ていますが。
2019年04月25日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/9304339.html

改めて、全然問題無いですよ。…そして、“最強の系譜”雑記。
2023年12月21日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/10146270.html


■■■継承されない資料といえば、こちらは私が粗末な語学力でネット英語圏をウロウロしていたら見掛けた、三浦建太郎が同人誌に寄稿したという絵。
 出版社が再録しないので、批評用の資料として引用しておきます。
 絵の中には「いつかSF描きたい」と書かれたものもありますが、その実現に協力出来た他者や組織が居なかったとは、実に勿体無い事をしたもので…。
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■■■補遺。


■■■こちら結構な殴り書きなのですけど、もしも三浦建太郎逝去後の『ベルセルク』が『青の騎士』のあらすじと設定通りに進んでいたらこうなるだろう、というのを書いてみました。
 なお、長いスレッドの終盤には『青の騎士』のラストまで書いてありますので、ネタバレが苦手な方は御注意下さい。

■…このスレッドは本誌掲載の42巻の続きを見る前に書いていたのですが、既にガッツが武装を失うシーンが描かれていた事や、突然ミーマ役が生えたシーンが描かれていた事を知らないまま、『青の騎士』の該当シーンを引用して似た様な事を書いてしまっているので、割と恥ずかしいものがあります。ギャー

井上ゴロージロー @inouegorojiro
※趣味の思考遊戯。超おおまか版。メモ。

■『ベルセルク』の続きを最大の元ネタ『青の騎士』を基本に考えると。

・妖精島=『青の騎士』の人類生き残りの土地

・妖精島編の最後は、使徒複数体と住人達を含めた総力戦

・使徒はガッツと因縁のある相手
午前6:59 · 2024年8月22日
https://x.com/inouegorojiro/status/1826378671604859035


■■■当記事は当初、下に引用した記事の続きのつもりで、『神々は渇く』や『青の騎士』を枕に、資料の真意の継承の事や、『SEED』映画版のロリと『機甲戦記ドラグナー』小説版のショタの関係とを書く予定だったのですが、気の迷いで少しづつ文章をアップしているうちに、コメント欄共々『ベルセルク』ネタの方向に盛り上がってしまいましたので、記事全体をそちら側へと路線変更しています。
 記事本文とコメント欄の日付や内容に齟齬が生じているのは、そういった理由ですね。

『SEED』映画版内容予想。禍の者はカエサルのものをカエサルに返さず。
2024年01月21日
http://blog.livedoor.jp/gorovion/archives/10160272.html