「それぞれの言語って何が違うの?」
「言語の種類がありすぎて、どれを選べばいいかわからない」スマホが普及し、一家に一台ではなく一人に一台スマホが行き届いている現代社会。
プログラミングが義務教育化し、ITの流れは留まるところを知りませんが、プログラミングについて知識のない方も大勢います。しかし、iOSやandroidのOSで動くアプリの市場規模は大きく、初心者の方でも「自分でアプリを作ってリリースしたい」と考えている方も多いでしょう。まずプログラミングの初心者の方にとって気になるのは「どんな言語を選べば良いのか」という点ですよね。
今回はそんな疑問を解消する情報を現役エンジニアが解説します。開発にかかる時間や費用についても紹介しますので、これからアプリの開発に携わりたい方、必見です!
Androidのアプリ開発で使える4つの言語
Androidのアプリ開発におすすめな言語を厳選して4つ、ご紹介します!
それぞれ得意な処理が異なるため作りたいアプリの機能に合わせてプログラミング言語を選ぶと良いでしょう。
まずは最もポピュラーな言語の1つであるJavaからご紹介します。
Java
汎用性が高く、もっとも広く普及しているプログラミング言語のひとつです。
フロントエンド(目に見える部分)やバックエンド(目に見えないシステムの部分)で用いることができる万能な言語で、C言語を元に生まれたプログラミング言語です。
有名所では「Minecraft」もJavaで作られているんです。
もちろん、Androidアプリの作成にももってこいです。
Kotlin
JetBrains社で開発され、誰でも無償で利用できるオープンソース(商用使用が許可、配布されているソースコード)のプログラミング言語として2012年に発表。
今なお人気の高いプログラミング言語です。
KotlinはJavaとの相性が非常に良く、Javaのソースコードを呼び出すことができ、逆にJavaからKotlinのソースコードを呼び出すことも可能です。
互換性の高さから、Javaを扱う人からも支持されている、利用者の多いプログラミング言語のひとつです。
C言語
1972年に開発され、今なおプログラミング言語の中でも高い人気を誇るC言語、Javaに次いで2位のシェアを誇る、信頼感の高いプログラミング言語と言えます。
Javaの源流ですので、比較的学習しやすいJavaから入ってC言語も習得、という流れで覚える方もいれば、いきなりC言語から入って派生したJava、Kotlinを覚える方もいます。
支持されている理由としてはその処理速度の早さ。
記述は難しく、CPUやメモリを気にしながら行わなければなりませんが、最速のプログラム言語として君臨しているのが特徴です。
Ruby
Rubyの生みの親は日本人のまつもとゆきひろさん。
ウェブサービスなどに強いRubyは、クックパッドなどの大手サイトでも使用されている人気の高いプログラミング言語です。
開発者が日本人ということもあり、参考書が多く出回っていることも初学者におすすめしたいポイントです。
まずはRubyでプログラミングの雰囲気をつかんで、それからJavaなどに移行する方も多い登竜門的な位置づけのプログラミング言語です。
それぞれの言語にはどんな特徴があるの?
ざっと見てきましたが、今度はこれらの言語を使うメリット、デメリットについて見ていきましょう。
プログラミング言語には得意な処理があったり、向き不向きが存在します。
作りたいアプリやサービスから逆算して、プログラミング言語を選ぶようにしましょう。
まずはJavaのメリット、デメリットからご紹介します。
Javaのメリット、デメリット
Javaのメリット
- RubyやPHPなどに比べて処理速度が早い
- Windows、iOS、Linuxで動かせる(OSに関係なく使用できる)
- 複数人で開発を行う場合も使いやすい
プログラミング言語は機械が意味を読み取るための「機械語」としての側面を持っていますが、更に機械が理解するために「翻訳」する手順が必要になることがあります。
Javaももう一度翻訳する必要がありますが、この翻訳がスピーディーに行えるのが特徴です。
私達が書いたプログラミング言語を「中間言語」に翻訳(コンパイル)し、中間言語を読み取って指示を実行します。
Rubyなどは機械よりも開発者側に寄った言語なので、コンパイルの時点で時間がかかり、処理速度が少し落ちてしまいます。
Javaはそうした速度低下を起こさず処理することが可能です。
また、OSに依存しないというのもJavaが支持されている理由です。
iOSだけでなくどのOSであってもプログラミングできるというのが、門扉を広げてくれています。
オブジェクト指向の言語なので、オブジェクトを共有すれば複数人で作業しても問題なくプログラミングを行えるため、大規模な開発でも用いることができます。
Javaのデメリット
- 環境の構築が面倒
- Androidアプリ開発までの道程が長い
コンパイラを準備するなど、開発前に準備が必要になりますので初心者には少しハードルが高いです。
学習についても、独学で文法を勉強することはできますが、実際にアプリ開発に携わるとなると数段飛ばしで難易度が上がるため、完全に独学でアプリを開発するのは骨が折れます。
ただ、Javaでアプリを開発してしまえば初心者の域は一発で脱却できますし、企業に実績として提示することもできます。
投げ出さない自信がある方にはぜひチャレンジしてみてほしいプログラミング言語です。
Kotlinのメリット、デメリット
Kotlinのメリット
- Javaとの互換性が高くJavaより機能が豊富
- まだ習得者が少ないので希少性が高い
- 難易度が低い
上記でも触れているようにKotlinJavaとの互換性が高く、Javaを習得している方にとってはほとんどコストをかけることなく習得できる言語です。
さらに、Javaよりも豊富な機能を持っており、まだ習得者も少ないことから市場での希少性を高めることができます。
Androidのアプリを開発する上でも難易度が低く、未経験からでもチャレンジしやすいプログラミング言語といえます。
Kotlinのデメリット
- 開発案件が少なくあまり実務向きでない
まだ若い言語ということもあり、市場にKotlinを用いた開発の案件が出回りにくいことがデメリットとして挙げられます。
とはいえ、これは「Androidアプリを開発したい」と考えている方にとってはほぼ無視できるデメリットです。
Kotlinについては、Androidアプリを開発する上でデメリットとなる点はほとんど見当たらない、おすすめのプログラミング言語です。
C言語のメリット、デメリット
C言語のメリット
- 処理速度が早い
- 一気にパソコンへの理解が深まる
- ポピュラーな言語なので市場価値が安定する
C言語はOSの構築にも用いられていますので、C言語を学ぶとPCにかなり強くなります。
仕組みについても理解が深まるので、なんでも作れるようになるのが大きなメリットです。
Androidアプリ開発という視点から見ても処理速度が早く挙動が安定するので快適に使用できるアプリが開発できますし、Java同様にひとつ作ってしまえば初心者の域を脱却することができます。
C言語が扱えれば市場価値が安定し、エンジニアとしての道もひらけます。
C言語のデメリット
- 初心者には難易度が高い
- Androidアプリ開発までの道程が長い
メリットが大きいぶん、C言語は習得が困難です。
独学でも学べますが、誰か分かる人に教わるのが一番です。
環境の構築や学習の難易度から見てもAndroidアプリの開発までには時間がかかりますので「手早くアプリを開発したい!」という方にとってはストレスに感じるでしょう。
しかしこの先、プログラミングについての理解を深めてIT関連の仕事にもつなげたい、と考えている方にはぜひC言語をおすすめします。
Rubyのメリット、デメリット
Rubyのメリット
- 複数人で開発を行う場合も使いやすい
- 学習が簡単で挫折しにくい
- ストレスフリーで開発できる
Rubyのメリットは何と言っても学習が簡単で挫折しにくい点にあります。
初学者から現役エンジニアまで幅広く愛用している言語ですのでそれぞれのレベルに合った教科書が販売されているのも嬉しいです。
開発能率が高く、エンジニアがストレスフリーで楽しく開発できるように、という理念を掲げたプログラミング言語ですので、Androidアプリを開発する初心者にもおすすめです。
Java同様にオブジェクト指向のプログラミング言語ですので大人数での開発にも向いています。
市場価値も高く、今後エンジニアへの転向も視野にいれることができます。
Rubyのデメリット
- 根本的な理解が深まらない
開発が手軽に済む分、C言語のようにOSやパソコンへの理解が深まることは期待できません。
プログラミングについての理解は深まりますが、エンジニアとして食べていくことも視野にいれるのであれば、Rubyを足がかりにもっと他の言語にも手を伸ばしてみる必要があるでしょう。
とはいえAndroidアプリの開発についてはスピーディに行えますので、おすすめのプログラミング言語です。
どの言語がおすすめ?言語を選ぶポイント
紹介してきた中で初心者におすすめなのはRubyです。
理由はやはり習得のしやすさとその後の展開を考えたときに、Rubyが最も入りやすいプログラミング言語だからです。
もし本格的にプログラミングを習得したいと考えている場合は、C言語やJavaに触れてみても良いですが、おすすめはRuby→Java→C言語という流れです。
挫折しにくく、徐々に深い内容を理解できますので無理なく知識を吸収できます。
Androidアプリ開発に必要なこととは?
実際にAndroidアプリを開発する上で必要なことは3つ。
- どんなアプリを開発したいのか考える
- 必要な機能からプログラムを逆算する
- 実装するためのコーディングスキル
です。
それぞれ見ていきましょう。
どんなアプリを開発したいのか考える
まずはアプリの方向性や機能性を考えましょう。
「食べたい味を打ち込むだけでおすすめの料理を教えてくれるアプリ」を開発するとします。
その場合必要になるのは「味」と「料理」を結びつけて提供するシステムですよね。
こうして必要なシステムを明文化することで、プログラムを逆算することができます。
必要な機能からプログラムを逆算する
実装したい機能がはっきりしたら、今度はプログラムを逆算していきます。
「味」をユーザーが入力することで「料理」を返すわけですから、甘いを1、辛いを2、というように味に数字を対応させていき、それらのデータに最も近い料理をデータベースに登録された料理群から検索して返すプログラムが必要になります。
このように必要なプログラムを細分化していきます。
実装するためのコーディングスキル
必要なプログラムが浮き彫りになったら、実際にコードを記載してプログラムを実装していきます。
ここに一番時間を使うと思いますが、根気よく続けましょう。
エラーが出ないまま最後までアプリを開発できるエンジニアはいません。
たくさんエラーを経験し、そのたびに経験値をためていくのです。
開発に必要な期間は?
選ぶ言語や一日費やす時間にもよりますが、C言語であれば半年以上、Rubyであれば半年か数ヶ月程度で開発できるでしょう。
開発に必要な費用は?
もしスクールに通う場合は、確実に開発できる代わりにかなり高額な授業料を支払わなければなりません。
半年で10〜20万円程度の費用がかかりますので、参考にしてください。
独学であれば本を数冊購入するだけですので、高くても2万円前後で済みます。
初歩の初歩であればオンラインで無料学習も可能ですので、まずはいろいろな言語に触れてみるとよいでしょう。
プログラミングを学んで自作アプリに挑戦しよう!
プログラミングはハードルが高いと思われがちですが、実際に仕組みを理解してみるとそれほど難しいものではありません。
個人でアプリを制作すれば十分な実力が身につきますし、自信にも繋がります。
興味を持ったらひとまずpaizaやドットインストールといったオンラインの無料学習を通して、プログラミングを体験してみるとよいでしょう。
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