シンポジウムは日本ペンクラブの女性作家委員会が開いたもので、東京 千代田区の会場にはおよそ150人が参加しました。
性暴力やハラスメントのない社会を 作家らがシンポジウム 東京
性暴力やハラスメントのない社会を作ろうと、作家や専門家などによるシンポジウムが都内で開かれ、「性暴力の根絶に取り組み、声なき声がかき消されない社会を目指す」とする宣言がまとめられました。
まず、性暴力の問題を研究している日本女子大学の大沢真知子名誉教授が講演し、声をあげる被害者が増えてきた一方で、国内の支援体制が整っていないことや、性犯罪の多くが立件されていないことなどを指摘し、性被害を軽視する価値観や男性中心の社会規範を見直すべきだと訴えました。
このあと作家やジャーナリストなど7人が登壇し、小説家の篠田節子さんが「社会の認識が急速に変わってきているが、そうした変化に抵抗があることも事実で、今の流れを具体的な性暴力などに対する抑止力へとつなげていくことが大事だ」と述べたほか、政府から独立した「国内人権機関」を設立する必要性を指摘する声も出ていました。
そして最後に委員会として「あらゆる差別、性へのいかなる暴力、ハラスメントも許されるものではなく、根絶に取り組んでいく。声なき声がかき消されないよりよい社会を目指す」などとする宣言をまとめ、読み上げられました。
日本ペンクラブの会長で作家の桐野夏生さんは「子どもたちのためにも性暴力のない社会を作ることが必要であり、私たちの宣言が少しでも力になればと思う」と話していました。