皆さんは、九九の範囲を超えた数どうしの掛け算や、三つの数の掛け算を暗算することはできますか?
暗算では難しい方がほとんどかもしれませんが、ある法則を利用することで、暗算でもできるようになります。
今回は、そんな便利な「ある法則」を使った暗算方法を解説していきます。
しかし、基本の計算方法も非常に重要なので、少し苦労するかもしれませんが基本の計算方法でも計算してみましょう。
そのうえで、計算方法を比べてみて、工夫することの重要性を実感してくださいね。
問題
次の計算をしなさい。
(23×5)×2
ついつい電卓を使いたくなりますね。
解説
この問題の答えは「230」です。
まずは、基本の計算方法で計算していきましょう。重要なのは、以下の「計算順序のルール」です。
<計算順序のルール>
・まずは、カッコの中の計算を最優先に行う。
・次に、掛け算と割り算の計算を行う。
・最後に、足し算と引き算の計算を行う。
※計算順序の優先順位が等しい場合は、基本的には左から順に計算を行う。
この計算順序に従うと、まずはじめに計算しなければいけないのは、カッコの中にある「23×5」ですね。
この計算結果と残りの2を掛け、答えを求めるという流れですね。
(23×5)×2
=115×2
=230
計算ミスをしないように、細心の注意を払わないといけませんね。
では、いよいよ楽に解くための「ある法則」を利用していきましょう。鍵となる法則は「結合法則」です。
<結合法則(掛け算編)>
(◯×△)×□=◯×(△×□)
この結合法則は、カッコを付ける位置を移動させることで、先に計算するべき部分を自分で決めることができるというものです。この法則を利用して、計算の優先順位を変更してみましょう。
(23×5)×2
=23×(5×2)
23×5を先に計算しなければいけませんでしたが、5×2を先に計算できるようになりました。
すると、
(23×5)×2
=23×(5×2)
=23×10
=230
掛け算において、簡単な計算である「×10」を作ることができました。10を掛けるということは、掛けられる数に0を一つ増やすということなので、暗算でも解くことができますね。
この結合法則は非常に便利なものでしたが、注意点があります。それは、「割り算や引き算の時は利用できない」というものです。使用できる条件が限られてしまいますが、逆に言うと使用できれば絶大な効果を発揮するかもしれない、というのが結合法則です。
まとめ
一見、複雑に見える掛け算の計算問題も、結合法則を使えば暗算しやすい単純な計算式に変わります。計算問題を見てすぐに解き始めようとするのではなく、工夫できる箇所がないか観察することが大切ですね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):うおうお
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。
結合法則を使った問題にもう一問挑戦!