学会連合の代表 「科研費」の予算倍増など求め 文科省に要望書

国の公募型の研究費「科研費」について、複数の学会連合の代表者たちが文部科学省を訪れ、「実質的な配分額がこの10年で半減し、国際的な競争力を発揮できなくなっている」などとして、予算をおよそ2倍に増やすことなどを求める要望書を提出しました。

国の科学研究費助成事業「科研費」は自由な発想に基づく研究を対象とした公募型の研究費で、毎年2万件以上が採択され、1件当たりの平均で250万円ほどが助成されています。

この科研費について、国内のおよそ800の学会が加盟する複数の学会連合の代表者5人が、盛山文部科学大臣に要望書を提出しました。

要望書では、▽国立大学の法人化以降、運営費交付金が減少する中で、科研費への応募が増え、1件当たりの配分額が少なくなっているほか、▽円安や物価高の影響で、実質的な配分額がこの10年で半減しているなどと指摘し、科研費の予算をこれまでのおよそ2倍の4800億円以上に増額するよう求めています。

科研費は日々の研究活動に欠かせない試薬や装置の購入費、補助員の人件費などに充てられ、科学技術分野の国際的な競争力の回復には増額が必要だとしています。

生物科学学会連合の代表、東京大学の東原和成教授は「大臣からは、新しい研究の芽をつくる科研費の重要性や、それによる人材育成が国力につながるということはよく理解していると話があった。内閣府や財務省にも働きかけたい」と話していました。

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