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真面目系無能の改善プログラム

締め切りや深夜テンションに頼らずに、作業をコツコツ進める能力を得るにはどうしたらいいのか?

記事公開の1年前、心の叫び

noteの方ではほぼはじめまして、もがみ(@18mogami)です。
この記事は「なんか自分無能だなぁ」という漠然とした問題意識のもと、試行錯誤の結果をまとめたものです。

とはいえ個人差のある話ですし、何より自分自身が納得できる方法が一番だと思うので、参考程度によろしくお願いします。



最初に、この記事を書こうと思った経緯です。

私が高校生の頃は学校から帰ったらすぐに動画編集ソフトを開き、そのまま夢中で深夜まで映像を作り続けていた日々でした。しかし大学生になると講義が忙しく、家に帰ったら基本的に寝ているだけの日々になりました。

そして2020年、大学も遠隔講義になり、体力消費が劇的に緩和し、講義と映像制作を両立できる環境が到来しました。映像制作もそれまでは5秒程度が限界でしたが、遠隔講義ブーストの勢いに乗って、ある程度まとまった長さの制作が可能となりました。

そして2021年、順風満帆な日々が続くのかと思いきや、コロナ禍で籠もっていてメンタルが弱っていたことに加え、卒業研究で計画性の無さが露呈し、寝ているだけの「無」の期間が訪れました。
卒研自体は締め切りブーストでどうにかし、院進でモラトリアムを延長。そうして2021年が終わります。

これまでを振り返ってみると、私は基本的に締め切りや勢いでしか作業をしておらず、毎日コツコツ進めた経験はありません。そして最後の方に時間が足りなくなり、クオリティを詰められずに後悔することは日常茶飯事でした。


そこで2022年の目標はただ一つでした。

締め切りや深夜テンションに頼らずに、作業をコツコツ進める能力を得るにはどうしたらいいのか?

私がこの一年で試してみたことをここに書き記して、長年の悩みと決別したいと思います。


改善の方針

この改善プログラムのコンセプトは、1日の作業を開始・継続・休憩に分割して考えるところにあります。

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作業の流れを3段階に分ける

そして私は「気合で頑張る」が苦手なので、可能な限り環境の方をいじるか、非常に甘いルールだけを導入するかにしました。


注意事項

  • どう見ても体調がすぐれない場合は、こんな記事は読まずによく休んでください。心の健康のほうが大事です。

  • 「とりあえず何かを進める」という状況を作ることが目標です。なので、衝動に従って進めることもアリだと考えています。

  • 合計で21個の改善策を書いていますが、全部を導入する必要も、順番通りに導入する必要も、全くありません。私もその日の気分によって導入するものが違います。

  • 記事中での「作業」は主にパソコン作業を指しますが、勉強などにも応用できる気はします。




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作業の開始①【頭を切り替える】

1. 作業に入る気分を作る

前提として、衝動性以外で作業を始めるのは簡単ではありません。急に始めても気が乗らず、強いストレスを感じることもあります。
「とりあえず3分手を動かせ」と言われることも多いですが、こんな記事を書くくらい自身の変化に敏感な人間には結構苦しい話です。


そのようなとき、あまりストレスを溜めるのも嬉しくはないので、ここは自分自身の機嫌を自分で取りながら、ゆるやかに作業場所に向かえるようにするのが安定です。

たとえば私は自宅作業の場合「朝起きて予定確認→軽食や日光浴、ストレッチなど→作業場所へ」という流れを作っています。

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調子がいい時はダイレクトになるときも

ここで重要なのは、予定確認から着手までに時間の余裕を持たせ、少しずつ気分を作っていることです。「真面目系」なためどこかでやる気が出ることが多いので、ただその時を待ちます。

私はそこに軽食やストレッチなどを組み込んでいますが、こうした一連の流れがルーティンとして確立されると、「ルーティンの実行自体が、作業に取り掛かる気分を作る」という循環を生み出すこともあります。


ちなみに、これは気分を作っている段階であり、まだ作業に着手しているわけではありません。


2. 仮想デスクトップを導入する

とくに遠隔講義で顕著だった話で、娯楽も講義も創作も全てが同じ空間で行われるので、頭を切り替えられずに集中できない状況が続きました。
できれば作業内容ごとに部屋を移動したいですが、空き部屋もそうそう無いし、外出するのも面倒です。


そこでWindows標準の仮想デスクトップを導入しました。たとえば創作中に講義のPDFが目に入ることも無くなるので、擬似的ですが作業空間の切り分けができたので大変助かりました。

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現在7種類の仮想デスクトップを用意中

そして、各デスクトップで壁紙を切り替えるための「SylphyHorn」も導入しました。ただ壁紙が変わるだけでも「別の場所だ」という感覚を作りやすかったので助かってます。

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色々作ってきた画像を壁紙登録しています


どこでも遊べるスマホゲームは作業場所以外で遊ぶようにすると、作業場所の役割が明確になり、頭の切り替えが楽になります。もしiPadを遠隔ディスプレイにして作業場所を移動したい場合、「EasyCanvas」が遅延が少なくオススメです。


3. タイマーをセットする

集中力を保つのは大変ですが、「やるか…」という気持ちを入れることもかなり大変です。すでに作業環境が目の前にあったとしても、もう一つ何か決定打となるアクションが欲しくなります。


そこで私はポモドーロタイマーをセットして気合いを入れることにしました。いわゆる、25分集中して5分休むという有名な方法です。集中も休憩も含めて作業時間になるので、軽い気持ちで作業を始めるのに向いています。

  • Windows標準の「クロック」
    PCで作業を始めるときにサッと開きやすいので便利です。Spotifyとも接続できるので作業用BGMがほしい場合にも嬉しいです。

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標準機能でも意外と侮れない
  • iPhone/iPadのポモドーロアプリ
    こちらは色々試しましたが、「Flat Tomato」というアプリに落ち着きました。時計部分をタップするだけのシンプル画面ですし、気が散りそうな機能もないので愛用しています。

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iPhone/iPadが時計専用になる


「頭を切り替える」というのは一種のなりきりとも言えるので、「私は今から受験生だ」みたいなイメージもいいかもしれません。


作業の開始②【行動の候補を絞る】

4. やる作業をリストアップする

普段は集中できず、正直「何をするべきなのかもわかっていない」という状況も珍しくありません。ですが、寝る前や締め切り直前はとんでもないブーストがかかり、普段の400%くらいの速度で作業が進んだりします。

要は「締め切り前になると、何をすればいいかが急に明確になる」という現象が起こるのですが、これを「締め切りのおかげで、余計な作業を考えなくなる」と言い換えてみます。

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音ゲーマー的にはサドプラと同じ

これを考えると、普段から何かしらの作業を進めるためには「やることを絞り、それ以外の作業のことは考えない」という方針をとればいいことが分かります。


なので、たとえば手元に小さい紙を用意しておき、そこに「今日は何をやるか」を書き出すようにしました。そして、紙に書いてあること以外の作業は、基本的に着手しないようにします。

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付箋から暗記カードまで色々試した痕跡

これにより、少なくとも「何をやればいいか決められない」という状況を脱出することができます。もしも手元に紙がない場合はWindows標準の「Microsoft To Do」が便利ですし、「メモ帳」とかもシンプルで重宝します。

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Windowsの標準機能が意外と便利


一方で、「明日は〇〇をやる」と決まっている場合、寝る前にその現状を軽く振り返り、作業の流れを想像しておきます。そして一晩寝ると、スッと作業に取りかかれることがあります。


5. 調子に合わせた作業を選ぶ

上でも書いたことですが、昼はどうにも頭が回らず、「今日も何もできなかった」と感じることも多くあります。一方夜は作業効率がかなり高く、「自分は夜型かもしれない」と思うほどです。
これらを加味すると、得意な作業は1日の中でも変化しています。


たとえば私は昼に頭が回らないことが多いので、「書類の整理」「文章の細かい修正」「素材の大量収集」といった、機械的な作業を昼に優先します。そして、少しずつ調子が上がってくると、夜にしか進まない作業が日中にも進むようになったりします。

一方、私は夜に思い切って作業ができることが多いので、「文章の続きを考える」「映像の続きを作る」といった、クリエイティブな作業を夜に優先します。ただ、単純作業の類も思いつきやすい時間なので、それはメモしておいて昼間に回すようにしています。

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時間だけが必要な作業は、気力がないときに…。


これらは私の一例に過ぎませんが、「どの時間にどういった作業が進みやすいか」の傾向をなんとなく把握しておくと、一日の予定が立てやすくなるので、作業も少し快適になるように思います。


寝起き直後も深夜と同じくらいに頭が鈍っていることも多いので、意外とクリエイティブな作業が進みやすかったりします。朝と夜は雑念が少ない時間帯なのかもしれません。


6. 環境からの刺激を減らす

何をやるかが明確になっていたとしても、意外と身の回りの環境が気になってしまうので、集中が作りにくかったりします。理想的な空間はPC以外何もない部屋ですが、現実の空間は物だらけなので、せめて目に入る範囲だけでも整理する必要はあります。


以下は、環境からの刺激を減らす対策の例です。

  • 机の上の物体は結構気になりがちなので、先に片付けておくか、パーティション等を立てて見えなくします。

  • スマホの誘惑はあまりにも強烈なので、スマホは作業中は先述のタイマー専用にするか、見えないところに隠しておきます。

  • 便利なはずのマルチディスプレイに目移りしてしまうこともあるので、最初は画面を消すか、メモ帳全画面で真っ白にします。

  • 雑音が気になる場合、環境音楽を流すか、耳栓をします。


作業に必要なブラウザ内にも誘惑が存在するので、たとえば「BlockSite」でSNSへのアクセスを禁止したり、「Unhook」でYouTubeのオススメ機能を排除したりするのもオススメです。

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これからの時代は、ユーザーエクスペリエンスの「「逆」」


ここからは超個人的な話ですが、「余計なものが見えないように」ということで、そもそもディスプレイしか見えないメガネを作ったりしました。

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異常サドプラメガネ

Zoff+集中」のレンズに遮光テープを張り、更に視界を減らしています。手元が見えないと「無」すぎて寂しくなるので、レンズの下側は意図的に開けています。(我ながら何を…?)


「目に見えないものは忘れてしまう」という普段は不便な特性も、使い方次第では集中力を生み出す鍵になります。



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作業の継続①【集中を維持する】

7. タイマーをできるだけ守る

作業が開始できた時点でもう山場を超えられました。ここからは、いかにやる気を維持できるかの勝負が始まります。

  • 「いざ始めたけどすぐに休憩したくなる…」

  • 「ちょっとの休憩のはずだったのに一日が終わってた…」

というように、一旦作業を始められても悩みは湧いてきます。


そのときの対処法の一つは、前のポモドーロタイマーが動いているとき限定ですが、「集中と休憩のサイクルを(できるだけ)守る」になります。

意欲の湧かない作業をダラダラと続けても仕方ないですし、短時間でスパッと区切って早めに片付けるほうが精神的にも楽です。

また、休憩時間をこまめに設けることで、体力が無くても長時間の作業を続けることができますし、気づかない内に沼っている思考を一旦リセットして作業を見直すことも可能です。


このあたりのポモドーロ法は他の人が色々と書いているので詳細は省きますが、「休憩は別に甘えではない」と胸を張れるようになる方法なので、総合的には精神的にもだいぶ楽だったりします。


私は昼間の注意力散漫な時間帯はポモドーロタイマー遵守ですが、かなり調子が上がっている場合は割と自由にやっています。


8. 余計な思考はメモに追いやる

開始前に環境からのノイズを減らせたとしても、余計な考えは常に巻き起こります。ちょっとの調べもののつもりで脱線してしまう、不安で手が止まってしまう、という事態は容易に起こります。


そこで、後で調べたいことや懸念点など、今必要ない考えはメモに書いて忘れて、目の前のことに集中することを心がけています。

メモの手段は色々渡り歩きましたが、私は紙に書き出すのが基本になりました。ToDoリスト形式のメモ帳や、余ってる単語カードなどを手元に常備しています。用が済んだら勢いよく捨てられるので、たいへんストレス発散になっています。

他にはiPhoneのホーム画面にメモできる「Blink」もよく使います。本当にこのあたりは好みによると思います。

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サッとメモできて、後から確認もしやすいので便利


ホワイトボードツールの「Miro」や「Whimsical」、「Google Jamboard」などを使うと思考を視覚的に整理できますし、
マインドマップツールの「MindMeister」などを使うと思考を全部書き出してスッキリしやすかったりします。本当に色々あります。


9. 思い切って立って作業する

いつもは椅子に座って作業をするのが普通だと思いますが、立ちながら作業をすると意外と気分転換できたりします

たとえば「少しずつ足が疲れてくる」という体力的な制限がタイムリミットとして機能するので余計な作業を減らしやすく、短期間の効率が向上したりします。

また、どうしても苦しい作業に直面したとき、踏ん張るように足に力を入れると少しだけ頑張れるような気がします。

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割と雑な立ち環境(2022)

他には「座りすぎて逆に疲れた」という状態の解消に繋がるため、一時的な気分転換にも使えたりします。それと私は「座っていると足が落ち着かない」という傾向があったので、立って作業をすると集中力が上がる実感があります。


ただ、積極的に疲れに行くという変わった方法であり、人によって向き不向きが分かれそうです。無理に立たなくても、普段の姿勢を見直して疲労を軽減することはかなり重要です。


私はキーボードの下に手頃な箱を置いて簡易的な立ち環境を用意しましたが、身長によってはスクワット状態を強制されるので、本当はスタンディングデスクとかモニターアーム等を導入したいところです。でも運動したいなら好都合…?


作業の継続②【中断を回避する】

10. 作業用コンテンツを流す

作業の継続に集中は大事ですが、簡単にやめないことも大事です。

「6. 環境からの刺激を減らす」で書いたように、作業とは関係ない情報はなるべく減らしたほうが集中はできますが、作業中の気分を高めることも結果として継続に繋がります。


そのため、好きな音楽や動画などを作業用コンテンツとして流し、余計なコトを考えにくくするのもアリだと私は思います。実際も、面倒な作業は何も考えずに勢いで押し切るのが結構早いです。

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大声出して作業するライフハックと基本は同じ


また、作業用コンテンツを流すもう一つの役割には、途切れそうなモチベーションを補強することがあります。

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人間の意思はあまり強靭ではない

たとえば、作業でちょっと苦しいことがあったときや、少々飽きてきたときなど、不意に作業を中断しそうになってしまう場面は数多くあります。

そのような場面に対し、予め作業用コンテンツを流しておくと「場」を演出してくれるため、自分自身を見失いにくくなったり、気分が多少楽しくなったりするので、作業の継続に繋がります。


ただし、気になりすぎるコンテンツは注意が持っていかれてしまうので、ちょうどいいBGMや動画などを探しておくとよさそうです。


音を使う作業の時にはBGMが使えませんが、無人のDiscordのVCに入ってみるとか、実況のつもりで画面録画を回すとか、自分の姿をウェブカメラで監視するとか、画面にキャラクターを写して「見られてる」感を作るとか、継続を意識する方法は色々ありそうです。


11. 体調の変化を確認する

作業開始前に身体を整えていても、調子は作業中にも変化します。疲労や糖分不足などの不調は、対処で作業が中断されてしまうので後回しになりがちですが、やる気を徐々に奪っていきます。


そのため、自分の体調で気になる点は、早めに始末しておくことで中断を最小限にできて、作業の進みも良くなります。

また、自分用の体調チェックシートも作っておくと「今日ちょっと調子出ないな」というときの対処が早くなります。私の場合、足の冷えや爪の伸びなどの些細な変化でも気が散る傾向があったので、それらも早めに対処するようにしました。

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体力不足と寝不足はリカバリが大変なので注意…。

ただし、必要以上に調子に反応しやすくなったりする可能性もあるので、あまり調子を気にしすぎないことも大事かもしれません。


この記事中でも何度も登場しているポモドーロタイマーも、以上の体調チェックと合わせやすいために導入しています。休憩の時間に少し確認するくらいがちょうど良さそうです。


12. 予備のタスクに切り替える

一度作業を始めてみたはいいものの、全然進まないと感じることも多いと思います。そう感じるとついつい席を離れてしまいますが、せっかく出したやる気を逃してしまうのは勿体ないです。

無理に進めてみるのも一つの手ではありますが、あまりストレスを感じてしまうと今後の継続に悪影響が出ます。


なので、これまでの作業改善の中にも登場していましたが、まずは「他にもできそうなこと」を探してみると効率的です。

  • 「4. やる作業をリストアップする」で書いたメモから、別の作業を先に進めてみる

  • 「8. 余計な思考はメモに追いやる」で書いたメモから、後回しにしたことを進めてみる

  • 「2. 仮想デスクトップを導入する」のデスクトップ一覧から、何かやりたいことを考えてみる

このように、「やりたいこと」と「やるべきこと」の中から何でも進めていいと考えてみると、毎日何かしらは進みやすくなります。それでも「今は無理」と感じたら素直に休むのも作戦のうちです。


一方、進まなかった本来の作業については、色々と考えていた間に頭に情報がストックされている状態だと思うので、時が経てば頭が整理されて進みやすくなります。また今度トライしましょう。


私の場合、作業を諦めて昼寝してしまう、という場面が減ったため生活習慣が安定しやすくなるメリットがありました。また、作業の一環としての運動もアリで、体力が増えて継続力になります。



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作業の休憩①【復帰を簡単にする】

13. 一時的な疲労を解消する

作業がうまく進んでいると「いつまでも続けられる」という期待もしたくなりますが、身体には少しずつ疲労が溜まります。長時間の作業になると目標も忘れがちで、効率も低下していきます。


そのため、長時間の作業を行うときは、思い切って作業を離れて、頭と身体をリフレッシュすることが重要となってきます。

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スマホの充電とシンパシーを感じる

たとえば「頭が疲れてきた」と感じた場合、5分目を閉じたり、作業場所から離れたりすると、リフレッシュに繋がります。作業中には頭を酷使しているので、休憩中は頭を休めてみましょう。


また、見過ごしがちな疲労として座り疲れがあります。長時間座ったあとの疲れは横になって回復したくなりますが、軽く運動することでも解消できます。(→アクティブレスト)

ストレッチしたり、少し周りを歩いたり、その場で走ったりなど、色々考えられます。とくに、デスクワークでは運動不足になりがちなので、休憩時間に運動を取り入れてみるのもよさそうです。


疲れていれば疲れているだけ長く休みたくなるので、ポモドーロ法などを利用して「疲れる前に少し休む」を意識すると、疲労の溜まりすぎを防げるのでオススメです。疲労を侮るなかれです。


14. 気分転換の方法をまとめておく

私は頭の切り替えが苦手なので、いざ休もうとしても作業のことを考えてしまい、結局休まらないことがよくあります。
休憩に入る瞬間も判断力が落ちきっているので、無意識でTwitterを見て情報の多さに疲弊したり、仮眠のつもりで布団に入って爆睡したりなど、ロクなことになりません。


そのため、頭が切り替わっていないときでもうまく休めるように、気分転換の方法をある程度リストアップしておくことにしました。

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Twitterは暇つぶしであって休憩ではない

このように休み方を色々選べるようにしておくと、その時の心身に合わせた最適な休憩方法を選べるので、効果的に休息できるようになります。加えて、休憩がワンパターンにならなくなるので、毎日が少し新鮮になったりします。


一方、これは「ついつい布団に入ってしまう」という行動パターンを変える練習なので、慣れてきたらメモを表示する必要はないかもしれません。


「四六時中考えている」という状態は、心身が健康なうちは強みになるかもしれませんが、あまり長期的に続けていると、ある日突然スイッチが切れたようになって大変です。(経験談)


15. 作業の中断用のメモを残す

今までに「中断したら考えてたことを忘れてしまう」や「せっかく調子が出てきたから邪魔されたくない」などを経験すると、作業を一時的に中断することに妙な抵抗感を覚える場合があります。

そして、徹夜で作業することに慣れてしまい、日頃から睡眠不足に陥ったり、昼夜逆転から抜け出せなくなったりします。また「一度中断したら戻れない」という自信のなさから、邪魔が入ると猛烈にストレスが溜まることもしばしばです。


そのため、安定的に作業を続けていくには、作業にうまく復帰する練習が必要となります。

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久しぶりのRPG、何したらいいかわからんがち

ここで、作業にうまく復帰するには「前に何を考えていたのか」の情報が必要なことが多いので、「①これまで何をしてきたか」と「②これから何をやるのか」を記録することが重要となります。


  • 「①これまで何をしてきたか」の記録

私はNotionでプロジェクトのページを作り、作業中に思ったことを逐一記録するようにしています。Windowsでは「Win+Shift+S」ですぐスクリーンショットが撮れるので、作業中の画像をページ内に貼ると後から読みやすくなります。Wordなどでも同様です。

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NotionだけどやってることがTwitterと同じ

もちろん、中断するたびに軽い日記をつけるくらいでも十分です。また、中断時にウィンドウを閉じすに残しておくと、以前がどんな状況だったかを思い出すヒントになってオススメです。


  • 「②これから何をやるのか」の記録

私は①のNotionのページ内に今後の予定を書くこともありますが、机の上に小さい紙を用意してサッと書いたり、前の「Blink」アプリにメモしたりすることが多いです。とにかく、やることを忘れないためには目に付きやすいところに情報を置くことが重要です。

なお、予定をメモするときは、できるだけ具体的に書くことが望ましいです。たとえば「続きを書く」ではなく、「noteの作業記事で、引き継ぎ部分の続きを書く」のように、予定を見ただけでもなんとなく情景を想像できるくらいにすると、復帰の時に楽です。


一度中断した作業を再開するのは明日かもしれませんし、1ヶ月後かもしれませんが、記録さえあれば復帰はグッと楽になります


残しておいたメモは、最近の自分が何をしていたかを思い出すキッカケになるので「最近何もできてない…」と落ち込む可能性が減ります。パソコン操作のように、実体を伴わない行動は思い出すのが意外と難しいので、記録をつけるのが一番良いです。



作業の休憩② 【普段の生活を見直す】

16. 徹夜はなるべく避ける

以前は「自分は夜型だ」と言いながら夜通し作業していましたが、薄々「いつも体調が悪い原因では?」と感じていました。


そこでPCにタイムトラッキング系ツールの「ManicTime」を入れて作業時間を記録してみたところ、徹夜は結局非効率でした。

以下は朝の5時まで作業していた日の記録例です。5時まで作業したあとはほぼ燃え尽きています。

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徹夜の翌日はだいたい悲惨な調子になる


徹夜あるあるだと思うのですが、1日めちゃめちゃ頑張っても、その回復に3日かかるというのは珍しくありません。寝るのが朝になり、起きた頃に陽は沈み、自律神経が乱れて数日不調になります。

この状態では「毎日コツコツ進める」という目標から遠のいていくので、早めに眠って昼間に作業する方針に切り替えました。早めに寝るのも正直大変ですが、次の「17. 作業の定時をゆるく決める」で少しずつ調整しました。


「昼間の分を取り返すために徹夜をする」のは翌日以降に響くので良くない判断です。徹夜はどうしても締め切りがヤバい時のために温存します。


17. 作業の定時をゆるく決める

一定の結果を出すには毎日作業することが一番ですが、学業などが忙しくなるとつい間が空きがちです。そこで、「これは続けたい」という作業に使う時間を毎日確保するようにしました。

私の場合は創作活動を継続したかったので、現在はこんな戦略を立てています。

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生活リズムは夜の方から調整する
  • 18時までに課題とか諸々を片付ける

  • 21時から23時の間に創作を開始する

  • 23時から1時の間に創作を終了する ※23時以降は何も始めない

開始と終了にそれぞれ2時間の猶予を設けているので、気づいたときに始めて、気づいたときに終えられるようにしています。現状は、最長4時間の創作時間を確保しつつ、1時くらいには寝られるような習慣ができています。

また、そもそも23時までに作業が開始できない場合、調子が悪かったり忙しかったりして生活が崩れているサインなので、その日は何もしないで早めに寝るようにしています。私が規則的な生活をするのはこれが初です。


2022年当初は大学がアホほど忙しかったので、21時に学業終了、23~24時に作業開始、24~1時に作業終了、といった流れを作っていました。そこから枠を調整して今の形に落ち着いています。


18. たまにはリフレッシュする

いかんせん「真面目系」であるので、「毎日頑張らないといけないのでは」という焦燥感がどことなくあります。休もうにも休めず、メリハリなく頑張り続ける日々を送ってしまいがちです。

しかし、頑張り続ける期間が長ければ長いほど、その反動での燃え尽きが深刻になります。
一度燃え尽き状態に入ってしまうと1週間はおろか3ヶ月は動けなくなって、長期的な効率も落ちてしまうので、そもそも燃え尽きないように定期的に休むことが大事です。


私の場合は、2週間も頑張り続けると燃え尽きる傾向があったので、週に1日は「やるべきこと」から完全に解放される日を用意することにしました。とくに、忙しいときは自分を見失いがちになるので、休日は心を充電する日と決めています。


ちなみに私は休息も忘れがちだったので、「Streaks」という習慣化アプリで「週に1日は休めているか」を客観的に管理しています。

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1月後半に休めなかった例。この翌月に1週間の燃え尽き。

他にも「15. 作業の中断用のメモを残す」の記録も参考にしながら、「最近頑張りすぎだな」と感じたら、近いうちに休みましょう。


今までの改善プログラムを通じ、作業をするときには作業をする、という習慣を確立できているので、休むときには思いっきり休む、で何も問題がないと思います。



その他試したこと

19. 今までやる気を出した方法を探る

この改善プログラムに至るきっかけとして「今まで勉強のやる気はどう維持していたのか?」を振り返っていました。私の場合、高校の試験期間に謎の勉強法を模索し続けていたので、その頃を中心にまとめ直していました。

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これは卒業研究に苦しんでいた時期に書きました


せっかくなので上の記事にも載せました。参考になれば幸いです。


20. 頑張れない日に頑張らない

これまで作業を安定させるための改善を重ねてきましたが、調子を毎日維持するのは困難です。その日の天気や心配事など、個人の力ではどうにもならない要素に左右されることもあります。


たとえば、私は気圧に影響されやすい気がしていたので、調子が悪い日を「頭痛ーる」で記録したら、多くが低気圧のときでした。

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頭痛ーる、ホーム画面に気圧を表示できるので便利

なので、低気圧の日を早めにチェックして「この日は頑張らない」と割り切り、他の日に向けて体力をセーブするようになりました。

変に無理して数日巻き添えになるというのもあまりよくないので、無理ができない日に無理をしないことが長期的には大事です。


他にも、雨の日や寒い日はパフォーマンスが悪い、などの個人的な傾向がわかっていれば、「頑張ろうとしたけど頑張れなかった」と無闇に落ち込む必要が無くなります。まずは心が大事です。


21. とりあえず作業を始めてみる

多分私だけだと思うのですが、自信を完全に失っていた時があり、「すぐやるのは自分らしくないしな…」という変なこじらせをしていました。
そんなある日、「すぐに始めてみたらどうなるんだ?」と興味が湧き、本棚に手を突っ込んで適当に取った本をすぐに開く、そんな謎トレーニングをしていた時期がありました。


さて、「なかなか作業を始められない」という悩みは絶えないわけですが、実際は「うまく始めたい」と無意識的にハードルを上げてしまっていることに問題がある場合が多いです。

このあたりはもう意識的な話でしかないのですが、「うまくやるの禁止!」と諦めてみるのも手です。

いきなり完璧を目指すより、雑に作ったものをあとから修正する、という流れのほうが全体的に進みが良かったりします。少しずつで進んでいきましょう。


一方、最近はAI生成技術を使って手早くプロトタイプを作ることに興味があり、AI技術と作業改善との発展に期待しています。今後も少しずつ、作業の進め方は変わってきそうです。



私が試してきたことは以上です。この記事の執筆にもかなり時間はかかりましたが、無事に書き上げられたのは継続的に作業を続ける練習の成果だと思います。

ともかく「その日の気分に合わせて、何かが進む」という状態にはなりました。これを「何かしら」ではなく「やるべきこと」に絞るにはまだまだ課題は残ります。とはいえそれは目標設定のノウハウの範疇ではありますし、ここで作業の地力をつけていればそう遠くない話だと思います。


最後に、答えのない悩みを長らく聞いてくださったeihiresanさん(@eihiresan)、色々と質問に乗っていただいたqfeileadhさん(@qfeileadh)、あるある話で盛り上がってくれた高校の友人、文章のチェックをしてもらった大学の友人などなど、本当にありがとうございました。

そして、最後までお読みいただきありがとうございます。私も他の方々のライフハック術を知るのは好きなので、他にもアイディアを紹介していただけると嬉しいです。



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