「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

生き抜く

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 若いときにサッと目を通した本を、最近、友人が貸してくれたので、今度はじっくりと読みました。

 レイモンド・A・ムーディー医学博士の『かいま見た死後の世界』です。一度死を体験し、蘇生した人たちの証言集ですが、彼らには驚くほど共通点があります。

 まず、肉体から霊魂が離れると遠くからその体を見るので自分が死んだこと、そして、霊的な身体を備えていることに気づきます。しばらくすると非常に明るい光の生命と出会います。この光は完璧な愛と暖かさを発散しているので、体験者は、守られていると感じ、リラックスするそうです。

 多くの人が光の前で、ほんのわずかな時間で自分の全生涯を映画のように見た、と述べています。

 ある女性は、目前の様々な場面で、光が「愛の重要性」を強調し「他人のために何かを行うように、最善を尽くすようにしなさい」と勧めたといいます。彼女は、とがめられてはいない、すべてを受容されている、と感じたそうです。ある人は、生涯がパノラマのように展開されている時、光の生命から「あなたも他人を愛せるか」と尋ねられていると思ったそうです。

 この体験の後、もう一度生きることになった彼らは、人生がいっそう貴重なものになり、この世で人を愛せるようになることが自分の務めだと感じて新しい生き方をするようになったと書かれていました。

 神さまは、愛を学ばせるために人生を与えてくださったのです。私も労苦や試練があってもいつも助けが来たことを思い出しました。神さまは私たちのすべてを愛情深くご覧になっておられます。

 与えられたいのちを最後まで生きぬくことは大切な仕事だと思います。