好きでもないならやめちまえ。
南米行きがおじゃんになって傷心の私に、京都在住の女性W様が「浜松市動物園でしか見ることのできない南米の動物がいるから、それを見に行きましょう」と声をかけてくれた。交通費まで出してくれたので、喜び勇んで浜松まで行った。目当ての動物はゴールデンライオンタマリン。ネーミングも素晴らしいが、実物も素晴らしい。手のひらサイズのミニマムな猿だが、存在に知性がある。どことなく私に似ている。
W様から「ひたすら美味いハンバーグがある」と聞き、ハンバーグをご馳走になった。美味しいものを食べると幸せになる。くいしんぼう同盟を結成したい。坂爪圭吾に「無理やりでも食わせたいものを食わせる」新手の慈善事業である。自分を満たせない奴が、誰を満たせると言うのだろう。この世に料理は無限にあるが、食べ終わった後に「栄養になった!」と感じられる料理は意外と少ない。くいしんぼう同盟は、心も体も元気になる瞬間を目指す。店に行くと決まった段階で嬉しく、目で見て嬉しく、食べて嬉しく、食後も嬉しい。本当にいいものは、絶対高くない。牛を飼育する手間などを考えれば、ほぼタダであると言っても過言ではない。
引き続き体調不良でぶっ倒れている私を見舞いに、女性R様がやって来た。R様も食べることが大好きなので、体調不良を無視して漁港の海鮮丼を食べに行くことになった。定価二千円の海鮮丼セットは海鮮丼だけではなく金目鯛の煮付けやアジフライやかわはぎの刺身などもついてきて、これで二千円かと我々を震わせた。ごはんもおかわり自由である。良心的なんてレベルではなく、良心そのものが飲食店を開いていた。残飯目当ての野良猫たちが集まってくる。野良猫たちに、店主のおじさんが「よしよし」と言ってエサを与える。美味しいお店の店主さんは、皆、一様に美味しそうな顔をしている。
山梨在住の女性H様から「静岡に行くから一緒に美術館に行って昼飯を食べませんか。もちろんご馳走いたします」と連絡をもらった。私の正しい使い方である。動物園もハンバーグも漁港も美術館も、私が行きたいと思って行ったのではなく、誰かの「行きたい」に便乗させていただく形で行くことになった。私はこれを「いいな」と思う。もともと私はからっぽな男で、何もなければ何もないで全然構わないタイプの人間なのだが、美味しそうなものを食べられる機会は好きだ。行ったことのない場所には何処でも行きたいし、食べたことのないものは何でも食べたい。体調不良であろうとも行きたい。
映画も小説も料理も音楽も「栄養になる」ものと、そうではないものがあると思う。基準は簡単。それに触れた後に、心が軽くなるか、重くなるか。体にいいはずなのに体が重くなるのは愛ではない。情であり、念である。愛はどこまでも軽やかなものだが、愛の顔をした情や念は重い。誰だって、重い恋愛は避けたいものだ。本物の宗教家と偽物の宗教家を見分けるポイントは簡単である。その人が、どれだけ神様に惚れ込んでいるかを見ればいい。あの人のことは好きだけど一緒にいると辛くなる的な恋愛や仕事をしている人は、ズバリ、惚れ込みが足りない。別れるか、惚れ込むか。現状維持は自殺である。美味しいものを食べて元気になったら、意外と一人でも生きていける。栄養になることをやろう。美味しいものは人間を自立させる。
おおまかな予定
9月7日(土)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
バッチ来い人類!うおおおおお〜!



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