1+2+3+⋯+n=12n(n+1)
1からnまでの和を求める公式について、具体例と2通りの証明を解説します。
具体例
・1から 10までの和
1+2+3+⋯+9+10=12×10×11=55
・1から 100までの和
1+2+3+⋯+99+100=12×100×101=5050
・1から 1000までの和
1+2+3+⋯+999+1000=12×1000×1001=500500
公式を使えばいちいち1つずつ足し算を計算する必要がないので楽です。
式を使った証明
なぜ 1+2+3+⋯+n=12n(n+1)が成立するのか説明します。
まずは n=10の場合について考えてみましょう。
(求めたいもの)=1+2+3+⋯+10
(求めたいもの)=10+9+8+⋯+1
この2つの式を縦に足すと、
2×(求めたいもの)
=(1+10)+(2+9)+(3+8)+⋯+(10+1)
となります。この右辺は、
11+11+11+⋯+11
となり、11が 10個です。
よって、
(求めたいもの)=11×10÷2
となります。
同様の方法を使うと、nが 10ではない別の自然数の場合にも、
1+2+⋯+n=(n+1)×n÷2
つまり
1+2+⋯+n=12n(n+1)
となります。
ちなみに、この公式を和の記号 Σを使って書くと、
∑k=1nak=12n(n+1)
となります。
図形を使った説明
今度は図形を使って、なぜ
1+2+3+⋯+n=12n(n+1)
が成立するのか説明します。
同じく n=10の場合について考えてみましょう。
求めたいものは 1+2+3+⋯+10
つまり、緑色の四角形の個数です。
そこで、緑色全体をひっくり返したもの(赤色)を上側にくっつけてみましょう。
すると、赤+緑
は合計 10×11個です。
よって、緑はその半分の 12×10×11個になります。
同様に、nが 10ではない別の自然数の場合にも、
1+2+⋯+n=(n+1)×n÷2
であることが分かります。
次回は 等差数列の和を計算する2つの公式 を解説します。