小池都知事は出席せず「100年先も安心できる都市に」と追悼の辞 関東大震災から101年追悼法要
2024年9月1日 19時23分
1923年の関東大震災から101年となった1日、大震災と太平洋戦争末期の東京大空襲の犠牲者を追悼する慰霊法要が、東京都墨田区の都慰霊堂で営まれた。台風10号の影響で主催者側が安全を考慮し、遺族や来賓の参列を取りやめた。小池百合子都知事は今年も出席せず、追悼の辞を代読予定だった中村倫治副知事らも台風の影響で参列しなかった。(奥野斐、原田遼)
法要は都慰霊協会の主催で、午前10時に始まった。読経の後、追悼の辞を霊前に供え、協会関係者らが手を合わせた。
慰霊堂がある都立横網町公園は大震災当時、陸軍の軍服工場「被服廠」の跡地で、避難していた約3万8000人が火災に巻き込まれ命を落とした。
◆「震災はいつどこで誰が経験するか分からない」
焼香に訪れた東京都足立区の秋元紀子さん(47)は、祖父母が当時住んでいた麻布の自宅を大震災で焼失し、その後転居した現在の墨田区で祖父が東京大空襲に遭い、亡くなった。毎年焼香に来るという秋元さんは「犠牲となった方々を思うと言葉もない。今年は元日から能登半島地震があった。震災はいつどこで誰が経験するか分からない。教訓を生かし、いま一度震災への備えを考えたい」と話した。
◆小池知事「先人の苦難に思い馳せ」と追悼の辞
友人の母親が大震災当時、被服廠跡地で亡くなったという東京都墨田区の無職女性(79)は「最近は特に災害が多い。二度と起きないように祈りました」と手を合わせた。
小池知事は追悼の辞で「都は100年先も安心できる都市として都民の生活を守り抜くため、都市の強靱化(きょうじんか)に取り組んでいる」「先人の苦難に思いを馳(は)せ、直面する困難を乗り越えて、東京を持続可能な都市として未来に引き継いでいく」などとした。
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