牛角が「女性半額セール」で大炎上…「男性差別じゃない」「非モテの僻み」と言い張る人たちの「お粗末すぎる擁護論」

御田寺 圭 プロフィール

「営利企業だからOK」?

「私企業の経済活動の自由」の観点から「男性差別だ!」という声を批判する(3)は一見してもっともらしい。個人的には同意したいところだ。だが営利企業の経済活動の自由であっても、いままでSNSでは、女性が「不快感を抱いた」ということを根拠に「女性差別」「女性蔑視」と騒ぎ立て、話のスケールをいくらでも大きくして炎上させ、企業のキャンペーンや広告宣伝を取り下げさせてきたのだから、今回だけ都合よく例外視するのは筋が通らない。

「たかが数千円の差額だろ」「企業の集客戦略の一環だろ」というのは、言っていることはその通りだと思うが、これまで女性を取り扱った広告や表現やキャンペーンに対して「たかが広告表現だろ」「たかが言葉のあやだろ」という意見に対しても賛同してきた者だけが言えるセリフである。ましてや「女性向けコラボ企画なのだから(女性を優遇しようが)自由だ」という論調は輪をかけて意味不明だ。「男性向け」コンテンツとのコラボは、ただコラボするだけでも「女性蔑視!」などと難癖をつけられて炎上してきたのだから。

 

そもそも「営利企業・団体には経済活動の自由が認められているのだから、差別的な受け止められ方をする内容があっても外野がガタガタ文句を言うべきでない」というなら、いま世界中で推進されているDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン。多様性・公平性・包括性を実現するための努力を推奨すること)とはいったいなんだったのかという話になる。これはまさに「ポリコレ」や「WOKE」を批判していた側が何度も何度も主張してきたことで、「牛角」を擁護している人びとは平時にはそういった論調に反対していた人がほとんどだろう。

平時には女性差別を許さない「ポリコレ擁護派」でありながら、しかしいざ「男性差別は許さない!」という論調が現れたときにだけその鎧を脱ぎ捨てて反ポリコレ派になるというのは、いくらなんでも通らない。

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