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笹幸恵
2024.9.1 16:21日々の出来事

軽佻浮薄、竹田恒泰の前方後円墳

うげーーー、
一体どういう神経をしているのだろう???
竹田恒泰が株式会社前方後円墳という会社を立ち上げ、
古墳をお墓として売り出す予定だという。
「古墳に埋葬してもらうチャンス」
明治天皇の玄孫が樹木葬と同価格帯で古墳を売り出す
https://news.yahoo.co.jp/articles/e916f2162610e9b39a86f3252285e63f540e55bf

サイトを見てみたら、
「樹木葬の新形態」
「シン古墳時代到来!」
といった軽々しい言葉が並ぶ。
ツッコミどころも満載だ。
※( )は私の心の声

古墳の企画は経験豊富なスタッフがご提案
(どこで経験したんだよ)

古墳文化を体現した設計
(古墳文化ってそもそも何よ)

豊富な古墳施工経験
(だからどこで経験したんだよ!)

古墳には副葬品と埴輪が不可欠です
(ここで粗利確保、えげつない)


同社曰く、樹木葬のニーズが多く、もはや墓石は不要。
それなら西洋式ではなく日本式の樹木葬(=古墳)を!

…というわけなのだが、全く解せない。

そもそも古墳は、を敷き詰めてあるものが多い。
お棺を入れる空間は室である。
樹木に覆われているのは、何世紀にもわたって
手つかずの状態が続いたからに過ぎない。
Yahoo!ニュースは「全国古墳ファンにはたまらない」と
この事業を持ち上げているが、古墳ファンなら絶対
「これ樹木葬ちゃうって」とツッコミを入れるはずだ。

纏向型(まきむくがた)だの何だのと
(さもホンモノ的な?専門的な?)名称を付けて
古墳墓を売りつける。
さすが自らを「親王」だの「旧皇族」だのと詐称する
竹田ならでは。

挨拶がまた噴飯もの。

古墳墓を全国に展開することで、古墳文化を顕彰し、
多くの日本人が古墳文化への理解を深め、
我が国の建国に思いをはせ、
ひいては愛国心を深めることを期待してやみません。

バカ言ってんじゃないよ。
古墳時代はわかっていないことが多い。
それを「顕彰し、理解を深める」だなんて、
あまりに薄っぺら、ペラッペラだ。
私も数々の古墳を訪れているが、大小問わず
作り手や埋葬者の存在に思いを馳せるとき、
自然と古墳を前に畏敬の念が芽生える。

自分が前方後円墳に埋葬されたい?
とんでもない!!!

古墳に少しでも敬意を持つ人間は、
「私も古墳に入りた〜い」などとは1ミリも思わない。

歴史を知らず、歴史の重みを感じたことのない輩が、
こうした軽佻浮薄な行動に出る。
それを浮薄だと思わないバカもいる。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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