「知ること」で接種者数が3倍に増加

出張授業では、中高生の生徒さんの知りたいという探究心で、瞳の色がキラキラしている様子を見たら、やりがいを感じます。「(私たちの想いが)届いたな」と実感することも多いです。また、実際に授業後のアンケートでポジティブな感想を寄せてくれたときは、私たちのモチベーションにもつながります。

2024年1月に、山形県南陽市の市内3つの中学校と1つの高校で出張授業をしました。合計350人に、子宮頸がんとHPVワクチンについてのお話を聞いていただいたのですが、その出張授業の後、1~4月のHPVワクチン接種者数が前年の同じ時期と比較すると3倍も増加したのです。市の職員さんから「Vcanに依頼してよかったです」と伝えられました。

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もちろん、接種に至った経緯は個々それぞれだと思いますし、出張授業だけが要因だとは考えていません。ですが、少しでも貢献できたのであればとてもうれしく思います。

出張授業で、気をつけているのは、接種することがすべてではないので、「まず知ることから」というスタンスでの発信に心がけています。そういった発信であっても、出張授業が実際の接種に結びついたことを実感しました。やはり「知ること」、そして「知ってじぶんごとにすること」がいかに大事であるかを体感する出来事となったのです。

後編『「先輩が亡くなりました」医大生が体感したHPVワクチンと子宮頸がんの現実』では、私たちが発信している「知ること」「じぶんごと」にすることとはどういうことなのかをお伝えします。

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【HPVワクチンのキャッチアップ接種は9月末までに】

副反応報道などでHPVワクチン接種を逃してしまった世代の「キャッチアップ接種」が2025年3月末で終了します。

対象者は、平成9年度~平成19年度生まれ(※誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去にHPVワクチン接種を合計3回受けていない人です。この期間を逃してしまうと、HPVワクチン接種を希望しても実費の接種となってしまい、9価ワクチンの場合、3回で約10万円の費用がかかります。

ワクチン接種は全3回接種があるので、接種し終えるには半年近くの時間を要します。対象年齢で一度もHPVワクチン接種をしていない人は、2024年9月末までに1回目の接種を終了しておく必要があります。期限が迫っているので、接種を考えている人は早めに自分が住んでいる市町村や医療機関に相談を!

※上記はキャッチアップ接種の情報です。小学校6年生から高校1年生までの女子の定期接種でのHPVワクチン接種は通常通り行われています。