まず知ってほしい子宮頸がんの本当の情報

「医学的根拠に基づいた情報を届けること」で実感するのは、子宮頸がんやHPVワクチンに対して、誤った情報が配信されたり、理解されているケースが多いことです。

出張授業などでも子宮頸がんやワクチンに対する誤った偏見が多いと感じることも。
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ネットなどでよく言われる代表的な5項目と医学的根拠に基づいた情報は大きく異なります。

1)がんは高齢者がなる病気だから、若い人には関係ない
→子宮頸がんにかかる女性は20代〜40代に多い傾向にある(※1)。

2)性に奔放な人だけが子宮頸がんになる
→HPVは一生の女性の50-80%が感染するありふれたウイルスであるため、たとえ生涯でパートナーが1人であっても、子宮頸がんになる可能性はある(※2)。

3)子宮頸がん検診を受けていれば大丈夫
→ワクチンはすべてのハイリスク型HPVの感染を予防できるわけではない。また、すでに感染したウイルスに対する予防効果もない。早期発見・早期治療につなげるためには、子宮頸がん検診も定期的に受診することが重要である(※3)。

4)「副反応疑い」の症状が起きても医療機関は対応してくれない
→10年ほど前と比較して、ワクチン接種後の体調不良に対しての対応に関する研修会が充実し、きちんと医療機関で対応してもらえるようになった(※4)。

5)ワクチンを打っていても、子宮頸がんになった人もいるから、ワクチンは無意味
→HPVは200種類以上存在する。そのうち、子宮頸がんの原因の80〜90%を占める7種類のウイルスで感染を防げるのは9価ワクチン。しかし、それ以外にも子宮頸がんの原因となるウイルスはあるので、HPVワクチンと子宮頸がん検診の両方行なうことが重要(※5)

このようにSNSなどで何気なく知った情報が「医学的根拠がある情報」とは乖離している可能性もあります。まずは、医学的な情報を知って考えて判断してほしいと思うのです。