来春閉校する小学校で子どもたち提案の”夏祭り“ 長野

来年の春、閉校する長野市の清野小学校では、子どもたちが提案した夏祭りが校庭で開催され、閉校を惜しむ地元の人たちが大勢参加しました。
学校がなくなっても地域のきずなを大切にしていきたいという思いを取材しました。

閉校する小学校で特別に開催された清野地区の夏祭りでは、キッチンカーやスーパーボールすくいなどのほか、ビンゴゲームや信州プロレスといったイベントも行われました。
特別なイベントということもあり、久々に学校へ訪れる卒業生の姿も見られました。
木造校舎の時代に清野小学校に通ったという男性は、「閉校はさみしいけれど、しかたがないですね。」と閉校への思いを語りました。
また、およそ20年ぶりに学校を訪れたところ、同級生と再会した卒業生は、「同級生がいないかなと思ったら、ちょうど会えました。こういった機会がもらえてよかったです。」と当時を懐かしみながら話していました。
通っている子どもたちにとって、ことしは清野小学校で過ごす最後の1年です。
在校生たちは、友達とやりたいことを思い思いにホワイトボードに書き出し、先生たちと一緒に願いの実現に向けて、1年を通してさまざまな活動をしています。
今回の夏祭りも、その1つ。
提案した6年生の富田美羽さんは、「閉校前にどんなことをしたいか校長先生に聞かれたので、地区のお祭りをやりたいとホワイトボードに書きました。」バドミントンに打ち込んでいる美羽さんは、全国大会への出場などで夏休みを忙しく過ごしてきました。
さらに、新型コロナの影響もあって、夏祭りには、ほとんど参加できませんでした。
閉校前に地域の人たちと夏の思い出をつくりたいという強い思いを、校長の小林和子先生にも直接伝えました。
小林先生は、「美羽さんが駆け寄ってきて『絶対やりたいんです』と話してくれました。そのようなことは初めてだったので、ぜひ実現したいなと思いました」と当時の様子を語ってくれました。
美羽さんの熱意に動かされた小林先生が地域の人たちに協力を求め、地域が一つになってつくる夏祭りへとつながりました。
祭りが実現した会場で美羽さんは、「閉校は悲しいけれど、みんなが笑顔で楽しんでくれるような感じがずっと続いたらいいなと思います」と地域への思いを話してくれました。

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