息の合った歌とダンスを披露する児童たち=島根県奥出雲町大呂、鳥上小学校
息の合った歌とダンスを披露する児童たち=島根県奥出雲町大呂、鳥上小学校

 2024年3月で閉校する鳥上小学校(島根県奥出雲町大呂)の全校児童8人が12日、最後の学習発表会で鳥上地区を舞台にした劇を披露した。保護者や地域住民を前に熱のこもった演技で古里への思いを伝えた。

 子どもたちに表現の楽しさを知ってもらおうと4年前から音楽劇を実施する。地元公民館の紹介で、安来市広瀬町を拠点に活動するアーティスト・汰生喜(たいき)=Taiki=さん(32)が講師を務めた。

 今回のタイトルは「八つ子の竜の魂、八百万(やおよろず)まで」。5、6年生8人が「竜の子」に扮(ふん)し、人口が減った鳥上地区に希望を運ぶ物語で、脚本と演出を汰生喜さんが手がけた。汰生喜さんは「だめじゃないかと思った時こそ、自分次第で何とかなる」とのメッセージを込めたという。

 子どもたちは体育館全体をステージに息の合った歌とダンスを披露し、観客は目を細めて見守った。最終盤、住民役の教員や旅人役の汰生喜さんを含め全員で踊り「よみがえれ、鳥上、古里よ!」と声をそろえると会場から大きな拍手が送られた。

 6年の石原芹菜さん(11)は「心を一つにいい劇ができた」と喜び、6年の安部葵さん(11)は「鳥上を盛り上げるためにイベントを開きたい」と力を込めた。

 鳥上小は24年4月、同町横田の横田小と統合する。

(山本泰平)