生活保護申請、中国人「養子」と説明 DNA不一致
帰国した中国残留邦人の親族として中国人53人が来日し、直後に46人が大阪市に生活保護を申請した問題で、大阪府警は2日午後、外国人登録法違反容疑で事情聴取していた中国残留邦人の娘と孫を名乗る中国人2人について、聴取を一旦打ち切り、帰宅させた。捜査関係者が明らかにした。
府警は当初、DNA型鑑定で2人のDNA型が一致しなかったことから、親子と偽って外国人登録をした疑いがあるとみて、外国人登録法違反容疑で調べていた。しかし、娘は2日の府警の聴取に対し、「生後3日目に(子どもを)知人からもらった」と説明、孫も「自分はもらわれた」などと話し、養子関係であると説明しているという。
府警によると、外国人登録の際、血縁関係がなくても、養子関係があれば親子として申請できるため、違法にはならない。捜査関係者は「2人の身柄を今後も拘束して調べるだけの証拠資料がなかった」と釈明している。府警は2人の自宅など9カ所を家宅捜索しており、押収資料の分析と任意での聴取は続ける方針。
大阪市によると、今年5~6月、帰国した中国残留邦人の姉妹の親族として53人が来日。府警はこれまでに約10人のDNA型鑑定を実施したが、血縁関係が確定できなかったのは、この娘・孫の2人だけという。