カリーハウスコロンボ　母と娘、半世紀守り続けた「サラサラルー」＜サッポロの老舗＞

　白いお皿に盛られた普通盛り３５０グラムのライスに注がれたカレールー。ルーはおかわりできるため、ご飯とのバランスも気にせずに思い切りかきこむ――。昼はカウンター１１席がすぐ満席になり、行列が絶えない「カリーハウスコロンボ」（札幌市中央区北４西４）が、札幌国際ビル地下１階に店を構えて１１月で満５０年になります。その歴史をひもとくと、札幌が急成長していた１９７２年の札幌冬季五輪直後の開店当時から、店の味を守り続けてきた母娘の物語がありました。（報道センター　出井一彰）

　まずは人気看板メニュー「カツカレー」（９２０円）を注文してみました。ラード１００％で揚げたサクサクのトンカツは、衣にもうまみが染みこみ、食欲をかき立てます。

　肉本来の味をかみしめたり、トンカツにルーをかけて頬張ったり……。気がつけば、あっという間にルーが減ってしまい、ご飯と数切れのトンカツが余りました。客の食事の進み具合を見ている店員さんから「ルーをお入れしましょうか」と声がかかります。「コロンボ」ではルーの継ぎ足しサービスが無料です。残り１口分まで食べ進めたころ、カレーを注文するとついてくるアイスが店員さんからすっと出てきました。聞けば店員さんは勤務歴１０年以上のベテランばかり。カウンター席の客に常に目を配りながら、絶妙なタイミングでサービスを提供する――。そんな丁寧なもてなしが常連に愛され続けてきたのかもしれません。

　丹念な調理方法が長年の味を支えてきました。北海道産の有機栽培タマネギ約２０キロを１日、あめ色になるまで弱火で長時間コトコト煮込みます。次に長野県産のトマトピューレを入れることで、あえて酸味を効かせます。お米は毎日３０キロ以上は炊いているそうです。営業中にご飯が底をつかないよう、その一方で余らせないように炊く。そこにも長年の「熟練の技」があります。スパイスには一味唐辛子を使うことで、後を引くような辛さを引き出していました。

　日替わりメニューの具材は注文を受けてから、目の前で調理しています。日替わりのメニュー数は約４０種類。毎週水曜日は決まって、一番人気メニュー「煮込みハンバーグカレー」（９５０円）です。...