法務部の最前線で活躍。一歩先を見据えた契約書のレビューをめざして
私は2022年に新卒で住友ファーマに入社し、法務部に所属しています。
法務部では、社内のあらゆる契約取引について各部門へのヒアリングを実施し、契約書のレビューを行っています。重要な案件については交渉の場に立ち会うこともあり、トラブルが発生した際には問題解決の対応を担うこともあります。また、社内向けに法務教育を実施し、社員の法的なリスクに備える意識を高められるよう支援しています。
現時点での法務部は計14名で、東京本社と大阪本社在籍のチームに分かれて業務を遂行しています。案件は基本的に個人で担当し、大規模なプロジェクトの場合については、チームで取り組んでいます。私は常時平均すると10件前後の案件を担当している状況です。
案件については、まず単独で部門へのヒアリングを実施します。その上で、グループマネージャーや同僚と相談しながら、次に取るべきアクションを決定していきます。そのなかで入社以来、私は仕事をする上で一貫して大切にしていることがあります。それは、社内の尊敬する先輩から教わったことでもあるのですが“契約書の字面ばかりに囚われないようにすること”です。
契約を結ぶ際に重要なことは、その事業部の意図が適切に反映され、実現可能な内容になっているか否かです。表面上はうまく記載されている内容でも、実際には依頼部門がこれから実施しようとしている内容が意図通りにできない契約になっている場合があります。
一例として、製薬業界で多くあるケースとして「候補化合物に関する共同研究の契約締結」をあげます。双方の当事者が求める権利が異なることも多いため、最終的に研究成果をどのように活用するかについてまで契約の初期段階から明確にしておくことをめざします。あとになってトラブルにならないよう、先を見越しながら部門に対して徹底したヒアリングを行い、ニーズを正確に理解するよう心がけています。
組織と人の魅力に惹かれ、住友ファーマへ。多種多様な案件を担当する中で成長を実感
私は大学で法律を専攻した後、大学院に進学して知財関係について学びました。就職活動では法務や知財に関する仕事に就くことをめざし、まずは幅広い業界・企業をみていたことを覚えています。その中で、私が最終的に製薬業界に惹かれた背景としては、学生時代に福祉施設でのアルバイト経験をしていたことが大きく影響しています。“人々の健康・生命に役立つことのできる仕事”に魅力を感じました。
製薬企業の中でも住友ファーマを選んだ理由としては、人や事業に対して誠実に取り組んでいる印象を受けたからです。選考過程では、人事の方が私の質問に対して迅速かつ入念に調べた上で回答してくれたことがとても印象に残っています。社内の風土や福利厚生、働きやすさなどについて教えていただく中でも、社員を大切にしている会社であることがわかり入社の決め手になりました。
入社後、配属されて2カ月後にはひとりで案件を任されるようになりました。早くから独り立ちすることに初めは戸惑いもありましたが、結果的にはあらゆる仕事を早く覚えて動けるようになり、自身の成長を実感しています。
当初イメージしていたような医薬品の研究開発にまつわる契約はもちろんですが、実際には共同研究の事後トラブル、会社の株式売買に関する取引など、入社前に想像していなかった幅広い領域の契約を担当してきました。初めての業務も多く慣れない案件には苦労しますが、著作権や特許など学生時代に培った専門性も活かせていることに手ごたえを感じながら充実した日々を過ごしています。
入社から2年が経過した今では、仕事の進め方を自分でコントロールできるようになってきました。緊急性を要する案件もあれば、緊急性は高くないものの重要度が高く丁寧に取り組むべき案件など優先順位を意識しながら業務を進めています。優先順位を明確にすることで、以前に比べて余裕のある対応ができるようになったと感じています。
自身の成長があるのは、さまざまな場面で先輩方に支えられたおかげだと思っています。入社前に抱いた印象と変わらず、誠実な方ばかり。同じ案件や類似案件を担当した経験のある先輩が、過去のノートを取り出して当時の様子を詳しく教えてくれたこともありました。自分が携わっていない案件でも、まるで自分事として真剣に考え、親身に相談に乗ってくれるなど、手厚いサポートを受けています。
契約書内容に納得し難い箇所があれば、徹底的に追求しようとするのも当社社員に共通する特徴です。誠実でありながらも、言うべきことは言う。法務部には尊敬できる方が集まっています。
グローバル化と規制への挑戦。一生懸命になるからおもしろい、困難こそやりがいがある
住友ファーマはグローバルのプロジェクト案件が増加傾向にあり、英文の契約書を対応することが当たり前になってきています。私は必ずしも英語を得意としていなく、英語力を必要とする案件には最初とても苦労しました。
とくに印象に残っていることは、複数メンバーで対応したある大規模なプロジェクトでの経験です。英文記載の契約書を読み解くのはもちろん、海外の弁護士さんと直接対話する場面もあり、理解することに必死でした。このような経験もあり、今は時間を見つけて社外の講習会に参加し、英文契約の基礎について学ぶなど、スキルを身につけることに努力しています。
また製薬業界の特徴として、薬剤を世界市場で発売するための各国の規制を理解することにも初めはとても苦労しました。常に最新情報をキャッチアップしながら、あらゆる厳しい当局規制に従って行う契約書レビューは容易なものではありません。ただ、それが他業界にはないおもしろさでもあると考えています。まだ2年目としての経験にはなりますが、リスクを未然に防げたと実感できたときが大きなやりがいにつながっています。
担当した案件が契約締結に至る際には、その結果が決算報告やプレスリリースなどに公開されることもあります。客観的に自分の業務成果を目にすることで、社会への貢献を実感することができるのも、この仕事ならではの醍醐味です。
契約内容を詰めていく過程では、先方との間で文言の意図が噛み合わずに何度もやり取りを繰り返すこともありますが、先方との妥協点がなかなか見つからず難航していた交渉がうまくまとまり文言に落とし込めたときも、確かな手ごたえがあります。「ここは譲るから、ここは融通してほしい」といった具合に、交渉手段はさまざまです。やり方や伝え方ひとつで相手の反応が変わるので、各案件に学びと達成感が得られています。
もちろん、案件終了後に部門から「ありがとうございます。中田さんのおかげでうまく契約を締結することができました」と感謝の言葉をいただくことも、私にとって大きな喜びです。
法務の仕事では、研究、開発、生産、営業、人事、経理、ITなど、社内のさまざまなバックグラウンドを持つ方の話を聞いて的確に内容を理解することが求められます。難しさでもありますが、おもしろいと感じる部分でもあり、実際に感謝の言葉を受けることで、やりがいを感じています。
語学力と傾聴力に磨きをかけ、グローバルを舞台に活躍できる存在に
今後は自身の英語力をさらに向上させ、グローバルな案件に積極的に取り組んでいきたいと考えています。欧米の規制法への理解を深めるなど、これから取り組むべき課題は数多くありますが、将来的にはグローバルで通用する法務部員として活躍することが現在の目標です。
舞台がグローバルに広がったとしても、相手の話を聞いて真意を掴む「傾聴力」がこの仕事の核であることに変わりはありません。法務の仕事では、コミュニケーション力がとても重要です。私自身はコミュニケーション能力が突出して高いわけではありませんが、相手の話を注意深く聞き、理解しようと努力できる人が、この仕事に向いていると思っています。
医薬品だけでなくヘルスケアなど広い領域をカバーし、多くの人々の役に立てることが製薬業界の魅力です。法務という立場から、社会貢献したいという強い意志を持っている方と共にこの会社で働けることを楽しみにしています。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
