アプリ開発とデータ分析支援を兼務。相手の視点に立ったコミュニケーションが鍵に

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加藤が在籍するのは、インダストリー事業本部インダストリービジネス事業部の産業機器ソリューション部。工作機械などの産業機器メーカーに向けてシステムの開発から運営・保守まで総合的に支援している。

「私が所属するグループでは、製造実行システムによってお客様の製造工程の最適化を実現することをミッションに掲げています。工場の生産ラインの各部分とシステムをリンクさせることで、製造のプロセス全体の管理を自動化することをめざしています。

またそれと並行して、データベース内の機械の情報を取り出して可視化するWebアプリも作成しています。現在、プロジェクトごとに最大4名のチームで対応していて、複数の案件が同時進行中です」

Webアプリ開発に従事するかたわら、主に複合機を開発する企業のデータ分析支援業務にも携わっている。

「2名のメンバーと共に、新機種開発の機能改善のため、市場に出ている複合機の稼働データから不具合の要因を特定し、分析・可視化する案件を担当しています。私はどちらかというと管理者寄りの立ち位置で、データ分析支援の仕事が占める割合は全体の2〜3割ほどです」

2つのまったく異なる仕事を兼務する加藤。仕事をする上で大切にしていることがあると言う。

「状況に応じた適切なコミュニケーションを心がけています。どれだけ知識や技術のある人でも、うまくコミュニケーションできなければ良い仕事につながりません。

私は2021年ごろまで、技術力こそがすべてと考えていましたが、プロジェクトを動かす立場となって、コミュニケーションの大切さを理解するようになりました。自分の言いたいことを一方的に話そうとするのではなく、こちらの意図が相手に正しく伝わるよう丁寧に話すことを意識しています」

仕事の可能性の幅に惹かれ、富士ソフトへ。多様な業務経験を積んで成長

幼少期から身近にパソコンがある環境で育った加藤。中学生になるころにはIT関連の仕事がしたいと考えていたと言う。

「どこにでもある普通の機種のパソコンでしたが、幼少期から当たり前のように触れていたのを覚えています。おのずとIT業界に興味を持つようになっていきました」

大学では、電気電子情報工学を専攻した。

「情報系のことが学べるとばかり思っていたのですが、蓋を開けてみたら電気電子の比重が大きく、期待していたほど学べませんでした。それでも他業種で働く自分を想像できなかったので、IT業界を志すことにしました」

就職活動をする中で出会ったのが富士ソフト。最終的に入社を決めた理由をこう振り返る。

「富士ソフトに決めた理由は2つあります。まずは組織の規模が大きいこと。もうひとつが独立系のSIerである点です。学生時代はそもそも自分に何が向いているかわかっていませんでしたが、大企業でありなおかつ独立系として幅広い仕事を手がけている富士ソフトなら、入社後に自分に合った仕事が見つかると考えました」

入社して最初に携わったのが、工作機械。当初は戸惑いもあったと言う。

「OPC UAという、産業用アプリの相互運用を実現するオープンなインターフェース仕様で、該当の開発ができるかを検証しました。ITという言葉から、漠然とクラウドみたいなものを連想していたので、工作機械を動かすためのソフトウェア通信規格だと聞いて戸惑いました。当時はそもそも工作機械の存在を知りませんでしたから。3年ほどかけて工作機械の分野でなんとか仕事ができるようになりました」

その後も工場系Webアプリ開発を手がけてきた加藤。2年目からはAI開発支援やコントローラのデータ編集アプリ開発のほか、複数のスポット案件にも携わるなど、業務の幅を着実に広げながら成長を重ねてきた。

「短期間でしたが、イベント展示用のデモアプリをつくったこともあります。カメラを搭載した機械で映像を撮影し、色を判別したり距離を計測したりするようなものでした」

そして3年目、加藤はデータ分析支援にも手を広げることになった。 

AI開発支援とデータ分析支援への挑戦。チームの力で手にした成功への道のり

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加藤がデータ分析支援に関わるきっかけになったのは、2年目に担当したAI開発支援の2案件だった。

「ひとつが、画像解析や多クラス分類のモデルを使って何十種もある部品を見分けるもの。もうひとつが、それまで経験と勘で判断していた部品の消耗度合いをAIを使って異常検知しようというものでした」

当時、AI開発支援は加藤が所属する部署にとって専門ではない分野。技術調査のようなかたちで手さぐりで進める中、苦労が絶えなかったと言う。

「いろいろなアルゴリズムを試すのですが、決め手に欠けるものばかり。モデルのパターンがとても多く、そのすべてを調整し性能を最大限に引き出すのは非常に難しい作業でした」

その翌年、AI開発支援で常駐していた大手複合機メーカーから加藤が依頼されたのが、データ分析支援のプロジェクトだった。

「複合機内部で紙が詰まる不具合が起きる要因を特定したいという内容でした。当時、不具合の直接的な原因はある程度わかっていたのですが、間接的な要因がつかめていなかったんです。それをAIによるデータ分析で突き止めたいというご要望でした。

AI開発支援のときと同じく、鍵となったのはデータをどう分析に適したかたちに整えるのか。また初めて見るデータだったので、分析するための補助の変数であるパラメータが何を意味するのかを理解しなくてはなりませんでしたし、適切に関連づけられていなかったためデータベース内を整理する必要もありました」

着実に理解し、整理していった結果、手掛かりとなるパラメータを導き出すことができたという。

「お客様と相談しながらどのカラムを合わせるべきかを考察し、適切な結合ロジックを用いて信頼性のあるデータ準備ができたことが成功要因だったと考えています。

もちろん、自分ひとりの手柄ではありません。上司や当社のAI専門部門である技術管理統括部(当時、イノベーション統括部)の協力があったからこそ出せた成果でした」

この案件では、お客様との折衝役も任された加藤。富士ソフトには年次に関係なく積極的に裁量権を与えようとする風土があると話す。

「現場で業務を経験することが成長への近道で、若手にも挑戦させてみようという考え方が浸透していると感じます。

実際、私も勉強が必要な環境に身を置いたことで、ディープラーニングの知識を認定するG検定に合格するなどAIの知識を修得できました。そして何より必死に食らいつこうとする姿勢が身につきました」

このプロジェクトでの成果が評価され、加藤は2021年度の優秀社員賞を受賞。AI開発支援やデータ分析支援に関わったことで、視野が大きく広がったと言う。

「そもそもAI開発支援に関わっていなければ、いまも『分類モデルって何?異常検知って何?』という状態だったはずです。現在、生成AI技術が目覚ましい発展を遂げていますが、『どんなモデルを使っているんだろう』『こんなことができるんだ』と、いろいろな角度から捉えることができていると感じます」

一方、同分野の難しさも実感しているという加藤。次のように続ける。

「モデルを作成するには、パラメータを自分で設定する必要がありますが、アルゴリズムを理解できていなければ、パズル遊びをしているのと同じです。しかし、アルゴリズムを正しく理解するには高度な統計学と数学の知識が不可欠ですし、難解な論文も読みこなさないといけません。知れば知るほど難易度の高い分野だと感じます」 

プレーヤーからマネージャーへ。成長機会にあふれた環境でさらなる成長を

データ分析支援の分野で一定の成果を収めた加藤。今後はWebアプリ開発に注力し、いまとは違うかたちで貢献していきたいと話す。

「現在はWebアプリ開発に興味を持って取り組んでいます。できれば自分で手を動かしたいところですが、リーダーになってからはコードを書く機会はめっきり減ってきました。自ら手を動かし最先端の技術をリードするスペシャリストもマネジメントもどちらも良いところがありますが、将来のキャリア形成を見据えて、マネジメントに挑戦していきたいと思っています。

データ分析支援についても接点を保ちながらキャッチアップしていけたらと考えています」

そんな自由度の高い働き方ができるのは富士ソフトだからこそ。会社の魅力について加藤はこう続ける。

「工作機械をはじめ、Webアプリ開発やデータ分析支援など、さまざまな案件に関わることができています。成長機会にあふれた環境がこの会社にはあると思います」

憧れのIT企業に入社し、周囲に支えられ着実に成長を遂げてきた加藤。かつての自分と同じ不安を抱える新しい仲間たちに伝えたいことがあると言う。

「大学や専門学校で情報系を学んだ人と比べるとスタート時点での差は確かにありますが、新入社員研修で自身のレベルに合わせて学べますし、入社して数年もすれば追いつくことができます。それよりも大切なのは、自分がやりたいことを明確にしておくこと。

経験不足であることを不安に思う必要はありません。挑戦する熱い想いひとつ持って飛び込んできてください」

※ 記載内容は2023年7月時点のものです