大手企業などのECサイトを構築。若くして課長職に

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成相の所属するソリューション事業本部 ECソリューション事業部 第1技術部は、独立系IT企業のECサイト開発について、要件定義から保守までを一気通貫で担う部署だ。

「私は課長として、複数案件の上流から下流までに携わっています。具体的には、お客様から要望をヒアリングして、今の標準のパッケージに対してカスタマイズを行って提供しています。実際に手を動かすところは現場に任せつつ、グループ全体の管理・推進をするのが私の主な仕事です。

最近では、大手通信会社のECサイトの保守対応と、大手アパレルのECサイト開発に従事しています。さらに新規案件として、アパレル系企業からの大型依頼が2件。ちょうど準備に取り掛かり始めたところです」

営業部が担当する案件に対し、成相らはその後の要件定義のフェーズから、クライアントと密に関わり、提案をしていく。

「統率するメンバーは、パートナー企業を含め、50人ほど。人数が多いのでコミュニケーションの取り方が重要になります。自社製品の仮想オフィス空間『FAMoffice』を使い、質問や困り事をできるだけカジュアルにぶつけてもらうようにしています」

もともと文系出身で、学生時代はSEという仕事をまったく意識していなかったと話す成相。しかし就職活動の時に、「私はこれができる、というわかりやすいスキルを身につけたい」と思い、IT分野に興味を持ったと話す。

「手に職をつけたい。そのために大きい会社でいろんなチャレンジをしたい。そして、できるだけ自由な雰囲気で働きたい。3つの想いが重なってたどり着いたのが、富士ソフトでSEをするという選択でした。独立系企業だから柔軟な提案ができるし、若いうちから成果主義で働ける環境があります。大きい会社なので経営面が安定していそうなのも魅力でした」

PCを触ったこともあまりない中、SEの道へ進むことを決意した成相。「まずは勉強をしないと」と思い、入社前には外部の講座を自ら調べ受講した。

「オフラインで数カ月にわたって通いました。配属された仕事で扱うプログラミングの言語とは違ったので、講座の内容がすべて業務に活かせたわけではありませんが、プログラミングに対する抵抗感や不安は一切ない状態で入社できました」

こうして2017年に入社。新入社員研修でプログラミングの基礎知識をさらに学んだ成相は、現在所属するソリューション事業本部 ECソリューション事業部に配属となった。

PMとして要件定義から入った結果、受注金額が1.5倍に

入社1年目は、テスターとして下流の業務に取り組んだ。そして2年目には早くも立場が大きく変わり、PLを務めることに。

「リーダー職のポジションが空くタイミングがあったので、自ら手を挙げて引き受けました。当時マネジメントの経験はとくになかったのですが、不安よりも昇格したいという気持ちが強かったんです。できることの幅を広げて、もっと大きなものを動かしていきたいと漠然と思っていたことが原動力になりました」

若くしてPLとなった成相は、最初こそ荒波に揉まれたものの、厳しい状況を切り抜け成果を出したことで、周囲の信頼を獲得した。

「入社4年目には『将来億円PMで賞』という優秀社長賞を獲得しました。将来、億単位のPM(プロジェクトマネージャー)になるだろう、という期待を込めた名前です。そして入社5年目には上流工程である要件定義から進める案件を、PMという立場で任されました。プロジェクトの最初から業務を遂行するのは初めての経験で、ワクワクしたのを覚えています」

アパレル系ECサイトのリニューアルという大型案件。これまで評価されてきた自分の力が本当に通用するのか、試してみたい気持ちが強かったと振り返る。

「要件定義では、お客様のプロジェクト予算を踏まえつつ、『うちならこんなことができますよ』とさまざまな提案を行いました。たとえば、顧客管理システムは他社のものを使っていると聞いたので、当社のパッケージをカスタマイズしてより安価に提供することを提案。営業部にも協力を求めながら、結果的にすべてを当社に任せてもらえるかたちに持っていきました」

成相の働きかけにより、受注金額は1.5倍に拡大し、億単位のプロジェクトに。メンバーの数を増やし、案件の拡大と成功へ導いた。

業務につまずく人を減らすべく、社内マニュアルを整備

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成相 洋輝(左)とPMメンターである、ソリューション事業本部 ECソリューション事業部 事業部長の柴田 晃宏(右)

若くして大型案件のPMを務め、目覚ましい活躍を見せる成相。会社にさらなる価値を生み出したのは、自らが始めた「マニュアル整備」のプロジェクトだ。

「要件定義を進める中で、PLやPMそれぞれが自分なりの進め方で業務に取り組んでいることに気がつきました。もしマニュアルなど何かしらのガイドがあれば、ノウハウ共有やトラブル回避などもっと先回りして進められる業務が多いのでは、と思ったんです。そこで、要件定義において行うべき作業をマニュアル化しようと決意しました」

マニュアルがあれば、若手社員などが業務につまずく機会が減るのではないか。そこで各部署に声をかけ、専任の作成担当を招集。全員で話し合い、工程ごとに手分けして作成した。

「完成させた後、オンラインで全体講義を開き、社内に向けてマニュアルの内容を説明する機会を作りました。優秀なPMの皆さんに見てもらい、『もっとこうした方がいいよ』などの指摘を受けることもありました。まだまだ修正すべきところや、もっとわかりやすくなる項目などがあると思うので、随時手を加えながら、より良いものへと進化させていきたいです」

億単位のプロジェクトへ受注拡大しただけでなく、マニュアル作成という「付加価値創造」によって社内に広く貢献した成相は、その行動力が認められ、2022年度の年間MVPに選出された。賞の名称は「利益、受注拡大に貢献 有言実行、社長賞を実現させたで賞」。4年目でもらった優秀社長賞「将来億円PMで賞」の言葉通りPMとして億単位のプロジェクトを遂行したことから、有言実行という文字が入っている。

「優秀社員賞から2年でさらに上の賞であるMVPをいただけたのは、純粋にうれしかったです。また、マニュアル化という働きかけが間違っていなかったと確信を持てました」

若いうちから失敗を恐れずにチャレンジできる環境

ECサイトの構築にPMとして関わる毎日。やりがいを感じる瞬間にたくさん出会ってきた。

「お客様から高い評価をいただいたときや、プロジェクトの成果が上長などに評価されたときはうれしいですね。それが昇格とか表彰とか、目に見えるかたちで認められると、やっていてよかったなと感じます。とはいえ、まだまだ成長すべき点はたくさんあります。これから新規大型案件も控えているので、楽しみながら、自分の力を一層磨いていこうと思います」

2023年から課長職になりポジションが上がったことから、見える景色も変わってきたと話す成相。

「管理の色合いがだいぶ濃くなっているので、もう少し俯瞰できるようにマネジメントスキルを向上させたいです。PMという立場に責任を感じるときもありますが、その分、案件が無事着地してリリースしたときの感慨はひとしお。プロジェクトを動かしていると実感しながら携われるので、本当にいい経験ができています。

最近は『大変だから』と昇格を敬遠する人が多いようですが、プロジェクトマネジャーのやりがいを発信し、希望者を積極的に育成したいです」

責任ある大変な仕事だからこそ、格別なおもしろさがあるのだ。

「富士ソフトは、若いうちから活躍できる会社です。自分で発信して実績をあげれば、PLやPMなど、上流の役割に就くことができます。もちろん立場が上がれば責任が伴いますが、大きい会社である分、周りの先輩や上司からもしっかりフォローしてもらえるので、失敗も糧にして取り組んでいけば成長できると思います。

また、社是として『挑戦と創造』を掲げているので、果敢に挑戦した上での失敗は許容される文化があります。若いうちからチャレンジできて、しかも失敗をフォローしてくれる環境があるというこの2点の掛け合わせは、働く環境としてかなり魅力だと思います。向上心が強い人、成長したい人が仲間になってくれるのを待っています」

目の前の案件に取り組みながら、会社全体の成長についても広い視野で考えてきた成相。これからも、力強い足取りでひとつ先の未来へと進んでいく。

※ 記載内容は2023年12月時点のものです