最先端のLLM技術に着目し、業務効率化に向けた調査・検証に取り組む

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幅広いITソリューションを提供し、顧客のビジネス課題の解決に取り組んでいる富士ソフト。同社の技術を支える部署の一つが、先端技術支援部だ。

「私たちの部署は、全社の技術力を最新技術で下支えすることをミッションに掲げ、日々さまざまな技術の調査や検証を行っています 」

そう語るのは、2022年に新卒入社した池上。同部署のAIインテグレーション室に所属し、大規模言語モデル(以下、LLM)を中心とした最新のAI技術の調査・検証を担当している。

LLMとは、大量のテキストデータを学習して言語を理解・生成するAIモデルだ。ChatGPTに代表されるように、近年飛躍的に性能が向上し、さまざまなビジネスへの活用が期待されている。

「当社ではLLMを活用した業務効率化の取り組みを全社的に進めています。私は社内向けに、LLMを使ったサービスや技術の調査・検証を行い、業務への活用可能性を考察しています」

たとえば、複数社のLLMを比較し、それぞれの回答の傾向を多角的に分析している。

「LLMは非常に有望な技術ですが、まだ実用には課題も多いのが現状です。時にユーザーの意図とは異なる回答をしてしまうこともあるので、課題を一つ一つ検証し、活用に向けた知見を蓄積しているところです」

また、各部署からLLM活用の要望が上がれば、その要望に対して、システム構築の提案なども行っている。

「現在は文書作成や文章チェックの自動化など、定型作業の効率化を中心に検証を進めています。将来的には経営判断の補助など、より高度な活用も視野に入れています」

LLMの探求に日々奮闘する池上。仕事をする上で大切にしていることを尋ねると、こう語る。

「入社3年目になりますが、まだまだ初めてのことばかり。上司から新たな業務を任せられるときは不安に感じることもありますが、興味を持って積極的に受けるようにしています。

また、わからないことは一人で抱え込まず、周囲に相談することも心がけています。入社1年目に入った案件では、右も左もわからない状態で、疑問を解消できないまま進めてしまったことがあります。ミッションは達成できたものの、細かい点で不備がありご迷惑をおかけしてしまいました。それ以来、少しでも疑問があれば早めに解消しています」

学生時代の研究経験を活かし、1年目から大きな案件に挑戦

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▲情報処理学会第83回全国大会にて学生奨励賞を受賞

池上は学生時代、自然言語処理分野におけるAIを用いた能動学習手法を研究していた。

「LLM登場以前の、当時最新のAIを使った研究をしていました。新しい技術の研究・検証方法などは今の業務にも活きています。また、自然言語処理分野の研究をしていたこともあり、検証時に問題が発生した場合は、ある程度原因を予測した上で問題解決に取り組めるため、スピード感を持って検証できていると思います」

就職活動ではさまざまなIT系のインターンシップを受ける中で、富士ソフトに強く魅力を感じたと言う。

「当社はお客様向けの業務だけでなく自社製品の開発にも力を入れていて、インターンで実際に触れたことで興味が湧きました。

また学生時代、自分のやりたいことが明確ではなく、学んできたことに限らずいろいろなことに挑戦したいという希望がありました。当社はIT系の幅広い分野に携わる機会があること、システム開発における上流工程から下流工程まで広く経験できることから、自分の希望を叶えられる環境だと感じ入社を決めました」

こういった想いの中、富士ソフトに入社した池上。入社1年目から早速、大型の官公庁向け案件に携わり、自然言語処理AIの開発に尽力した。

「いろいろな困難はありましたが、チーム一丸となって解決することで期限内に納品でき、プロジェクトとしては成功だったと思います。1年目から大きな案件に携わり、やり遂げられたことは、今の自信につながっています」

顧客の課題解決のため、RAG技術を改良した独自のシステムを開発

池上にとって印象に残っているのは、ある顧客から依頼を受けて、現行のLLMを用いたシステムを改良し、新たなシステムを構築したことだ。

「LLMは学んだことしか回答できないという問題があり、企業独自の回答を得たい場合でも一般的な回答しか得られません。それを解決するためにRAG(Retrieval Augmented Generation、検索拡張生成)という技術が注目されています。

RAGは、LLMが企業独自のデータに沿って回答することを可能にする技術です。ユーザーの質問に対して回答となりうる企業独自のデータをデータベースから事前に検索し、その検索結果と質問を同時にLLMに与えることで、企業独自の回答を可能にします。今回のお客様の依頼内容はこのRAGを使用したシステム構築だったのですが、想定される質問と企業データに似ている単語がないことが原因で検索と回答の精度が低下するという課題がありました。」

この課題に対し、池上はRAGの技術を改良し、ユーザーの質問と企業データに似ている単語がなくとも、質問への回答となりうる企業データを適切に検索できるよう、検索方法を改良したシステムを開発した。

「解決のためには、最終ゴールに至る前段階のプロセスをステップごとに分け、自ら一度試してみることで、顧客の業務内容を深く理解しました。そこで得られた知見をもとに、顧客の要望に沿ったシステムを構築することができました。検証結果が良好だったことで、お客様に喜んでいただけたと感じています」

これらの経験を通して、池上は仕事に大きなやりがいを感じているという。

「未知の領域に挑戦する中で、できるかもと思ったことが実現したときはうれしいですね。さらに自分の検証・調査結果が、顧客向けに展開できる、あるいは対外的に公表できると認められたときは、全社的にもプラスになっていることを実感し、やりがいやモチベーションにつながっています」

富士ソフトを“下支え”するために──成長環境で技術力向上を目指す

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▲勉強会の講師として説明する様子

富士ソフトの魅力について尋ねると、次のポイントを挙げた。

「自社開発に力を入れているので、IT系の分野であればどの分野でも対応できる点が魅力だと思います。

また、最新技術に対する会社の姿勢が非常に前向きなので、最新技術の調査・検証や、社内向けのシステムへの活用から得られたノウハウを持ってお客様にサービスを提供できる環境が整っているところも当社の強みだと感じます」

そうした環境の中で、池上は技術力を高めるべく、さまざまな勉強会への参加や資格取得に励んでいる。

「AIの専門知識を証明するG検定とE資格の勉強会を、先端技術支援部主導で全社員を対象に実施しています。この勉強会では、AIに関する知識やAIを使ったシステム開発のポイントなどを学べます。私自身も1年目にG検定を取得し、2年目以降は、勉強会の講師を担当することもあります。現在はE資格も取得しています」

勉強会は先端技術支援部に限らず、社内のさまざまな部署で行われているという。

「他部署でも新しい技術の調査結果の展開や説明会が行われており、AIに限らずIT分野の幅広い技術や知識を身につけられる環境だと感じています」

富士ソフトのビジョンである「挑戦と創造」という言葉についても、池上は実感を込めて語る。

「就職活動の際に企業ビジョンに惹かれたことも、入社を決めた理由です。実際に働いてみると、掲げているビジョンとのギャップがない会社だと感じます。新たな価値をつくっていくためには挑戦が必要ですが、若手でも挑戦させてもらえる風土があり、要望を挙げればどんどん活躍できる環境が整っています」

このような働きやすい職場環境の中で、池上は今後のキャリアの目標を2つ掲げている。

「1点目は、引き続き最新技術の調査・検証活動の中で自分自身の技術力を向上させると共に、この活動で得た知見を全社に展開し富士ソフト全体の技術力を最新技術で下支えしていくことです。

2点目は、チームを引っ張っていける存在になることです。いずれリーダーのポジションに就いた時には、チームの中心となり部下の育成をしていけるようになりたいと考えています。そのため、今は上司やリーダーの背中を見ながら勉強しているところです」

最後に、富士ソフトに合っている人について尋ねると、池上はこう答えた。

「最新技術の調査・検証では、まだ日本に普及しておらず使用例が少ない技術を取り扱うこともあります。そのため、英語の文献を探したり、問題が発生した際には自分で解決策を導き出したりする場面があります。

問題に直面しても、それを学びの機会と捉え、結果を出すまでの過程を楽しんで取り組める人は、当社で活躍できると思います」

技術の最前線で挑戦し続ける池上。若手の成長を後押しする富士ソフトの企業風土が、池上の情熱を支えている。

※ 記載内容は2024年5月時点のものです