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安和のダンプ事故、原因公表を オール沖縄と国会議員ら県警訪問するも、通されたのはテーブルも椅子もない部屋


安和のダンプ事故、原因公表を オール沖縄と国会議員ら県警訪問するも、通されたのはテーブルも椅子もない部屋 県警を訪問したオール沖縄会議の高里鈴代共同代表(左)とうりずんの会の高良鉄美参院議員(中央)ら=30日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市の安和桟橋前で、辺野古新基地建設に抗議していた市民と警備員がダンプカーにひかれて死傷した事故をめぐり、オール沖縄会議と国政野党の県選出国会議員でつくる「うりずんの会」は8月30日、事故原因の早期公表を求める要請書を持って、県警本部を訪問した。

 要請書では、事故発生後に県警側から流れた情報によって「事故原因が市民活動にあるかのような印象を与え、反対運動への抑圧と分断に利用されている」と指摘。重傷を負った女性やその家族が心労に耐える日々が続いているとし、県警に「中立客観的立場で、証拠に基づいて、早期に、事故に関する事実捜査と公表を実行すべきだ」と求めている。

 要請には、オール沖縄の高里鈴代共同代表、うりずんの会の高良鉄美参院議員らが参加した。ただ、県警がテーブルも椅子もない部屋に通したため、オール沖縄会議や国会議員らは「このような扱いは認められない」とこの日は要請書を手渡すのを見送った。

 終了後の記者会見で、三宅俊司弁護士は「私たちが出す書面は『倉庫』で受け取ればいい程度と思っていて、塩漬けして放置することも平気だろうという感じがした」と県警の姿勢を批判した。両団体は再度、県警に要請を行い、県公安委員会にも県警の対応を抗議する考えだ。

 県警は本紙の取材に「組織として、対応するための部屋を決めた」と回答した。決定の経緯について県警関係者は「事故の捜査が継続中のため、関連する質疑応答は受けられない」と事前に要請側に伝えていたという。その上で「要請の手交は短時間で終わる」として、椅子などのない部屋で対応したと説明した。

 (南彰、名嘉一心)