19歳が大仕事! オリックス斎藤響介投手がプロ5戦目で初勝利を挙げた。岩手・盛岡中央から高卒2年目の右腕。交流戦で巨人から白星の10代投手は球団では18年山本、21年宮城以来。5回1安打無失点、6三振の堂々の内容で尊敬する先輩に続いた。
「うれしい気持ちでいっぱい。すごい打者ばかりだったので、強気で」。4回は四死球で無死一、二塁のピンチ。坂本を直球による空振り三振から難を逃れた。150キロ近いキレのある速球とフォークなどの組み合わせでセの伝統球団を翻弄(ほんろう)。チームを今季初4連勝に導いた。
3月、ヤクルトとのオープン戦(神宮)で村上に1発を含む1回1/3を4失点。「あそこで打たれていろいろ切り替えた。さらに頑張ろうと」。その時ベンチに戻って目に涙を浮かべたが、高校時代も悔しさで泣いた。2年夏の県大会準々決勝で盛岡大付に敗戦した時も、3年春の県大会初戦で敗れた時も、同夏に決勝で惜敗した時も大粒の涙を流した。「大会の時くらいですよ」と照れて振り返るが、涙の数だけ強くなった。
ドジャース移籍した山本由伸から「ネクストブレーク候補」として指名され注目を集めた。ただ、斎藤は海を渡るエースに助言を聞けずじまい。その理由が面白い。「いやー、自分はあまり話すのが得意じゃないので。聞きたかったんですけど、恥ずかしくて」。あどけなさ、純朴などの言葉が似合う。今回初の来場だった東京ドームの印象は「テレビで見てた球場なので、すごいなぁ」だった。
女房役の若月が「ブルペンとかはへなへなしてるけど、マウンドに立つと人が変わったようになる。由伸大先生が絶賛しただけのことはある」と言い、西川も「楽しみ。由伸みたいになれば」と期待した。かわいらしさとすごみが同居する次世代のエース候補。観戦した両親に記念のボールを渡すという斎藤は「次も勝ち投手に」と意気込んだ。【大池和幸】
◆斎藤響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手・滝沢市出身。滝沢小3年時に竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中で軟式野球部。盛岡中央では1年夏からベンチ入りも、甲子園出場はなし。22年ドラフト3位でオリックス入団。1年目の昨年はシーズン終盤の9月26日西武戦で初登板初先発して4回無失点の好投。177センチ、72キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸600万円。