記事が長くなるので興味のない方はスルーしてください。
前々から Windows10 を乗せたノートパソコンの挙動が遅く、イライラすることも度々。大体動作が遅いときは、タスクマネージャーで見ているとディスクの使用率が 100% 近くに張り付いている。CPU の使用率がそのため低くなっている。せっかくの高速(?)CPUの実力を十分引き出せていない。
そこで奮発して、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)をSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に交換することにした。
事前調査
現在使っているPCは次の通り。
CPUは、Intel 入ってる、Pentium(R) CPU 2020M 2.4GHz。Core i シリーズの台頭で今はあまり聞かないが、一時期の花形 CPU シリーズのひとつ。
ノートPC HP Pavilion g6 のHDDの交換が可能なのかを事前調査。HDDの容量は、750GB。
7、8年前に購入した型落ち品(OUTLET)ではあるが、ハードディスクの容量は、当時の新発売のノートPCと比べても遜色ないと思っている。ただ、購入した時は、Windows 8 が入っていたのだが、Windows 10 に移行して Windows Update を重ねるにつれ動作がとみに遅くなって行ったような気がしている。
この HP Pavilion g6 は、メモリーとハードディスクのメンテナンスは非常にやりやすい。おそらくここまで簡単にメンテナンスできる機種は他にないだろう。
まず、バッテリーの取り外しは、どの機種でも似たり寄ったりで、スライドを右へ動かせば、バッテリーがカチットと外れる。(赤矢印)
次に、裏蓋の外し方だが、丸印のビスを1本緩めるだけ(ビスは脱落しないので無くしたりすることがない)。
その後、白い矢印の方向にスライドし、左端を持ち上げれば外れる。恐る恐るこじ開けなければいけないようなひっかけの爪も何もない。
蓋が空けば、手前にメモリースロット(2枚分)、奥にハードディスクが見える。
ハードディスクの取り外しがまた簡単で、ディスクを挟み込んでいる黒いゴムの枠で前後が固定されているだけ。矢印のあたりに細いマイナスドライバーを差し込み持ち上げれば簡単に取り出せる。ビスによる固定はない。
メモリーや、ハードディスクのメンテナンスは、緩めるビス1本だけで可能という、恐ろしく簡単な構造です。
クローン作製ソフト
HDD を取り外して、SSD化するわけだが、SSDに Windows をクリーンインストールするのではなく、現在の環境をそっくりそのまま移行したい。そのために、HDD→SSDのクローン作製をする。
いろいろソフトがあるようだが、無料で使える評判が良い EaseUS Todo Backup というソフトを使用することとした。「EaseUS Todo Backup」で検索すれば、ダウンロードできるサイトはすぐに見つかる(公式サイト→EaseUS Todo Backup free 12.5)。
「窓の杜」のダウンロードサイト(→EaseUS Todo Backup Free)からダウンロードした。ここでダウンロードされるのは、2MB 弱のインストーラー "tb_free_installer.exe"。
これをダブルクリックで実行すると、上のようにインストーラーが起動し、本体をダウンロードし、インストールする。途中、「有料ソフトは優良だぞ」「いらないか」と誘われるが、ひたすら「無料で」「後で」と逃げる一手。
本体は、95MB ほどの大きさの "TB_Free_easeus.exe"。
必要な物を購入する前に、"TB_Free_easeus.exe" をあらかじめインストールしておいた。
購入したのは
SSD化のために購入したのは、クローン作製のために、SSD を外部ディスクとして USB に接続できるようにするための箱、"ORICO 2.5INCH HARD DRIVE ENCLOSURE"。
2.5インチディスクが収納できる、SATAⅢのコネクターソケットが内側に付いた箱と、USB3 接続ケーブル。SSD は 7.5mm厚 が多いので、9.5mm 厚にするための両面テープ付きスポンジが2種。SSD 側に、2mm のスペーサーが入っていたのでこれを使い、このスポンジは使わなかった。
取扱説明書が入っていたが、中文と英文で字が細かいので読んでいない。取付や取り外しは、ビスなどは使われていなく、とても簡単。
SSDは、"Crucial MX500"、500GB。 2mm スペーサーと本体と取扱説明書(?)。
説明書らしきものに、日本語も書かれていたが、SSDのクローンソフトのダウンロード先と、サポート先の URL が書かれているだけ。このソフトは、あまり評判がよくないので、"EaseUS Todo BackUp" を使用する。
クローン化の準備(SSD のフォーマット)
まず、ORICO のハードドライブケースに SSD をセットし、USB ケーブルでPCに接続し、PC の電源を投入する。ケースの青い LED ランプが点灯する。
この PC には、USB3.0 のコネクターがなく、すべて USB2.0 なので、スピードが遅くなるのはやむを得ない。(少なくともこの時点で、USB3.0 ポートは無いと信じていたのですが、後に有ることが分かります。(→USB3.0 が有った) )
Windows が立ち上がった後、PC フォルダーを表示するが、外部に接続した SSD はまだフォーマットされていないので、認識されていない。
SSD ディスクをフォーマットするため、「スタート」を右クリックして、「ディスクの管理」を実行する。
フォーマットされていないディスク1(外部接続のSSD)があるので、その「ディスクの初期化」のためのパーティションスタイルを決めることが必要となる。
ターゲットディスクのパーティションスタイルは、クローンしようとするソースディスクと一致していなければならない。(GPT または MBR)
クローン化する SSD のパーティションスタイルを、現在使用している HDD のブートディスクのパーティションスタイルと同じにするために、その形式をあらかじめ知っておいた方がよい。
①「ディスクの管理」ページからブートパーティションを含むディスク0の左の部分を右クリックする。
②表示されたメニューの「プロパティー」をクリックする。
③ボリュームタブをクリックすると、パーティションスタイルが表示される。
このPCの場合、GPT(GUID パーティション テーブル)だった。
パーティションスタイルを決めたら、「未割当領域」と表示された付近を右クリックし、「新しいシンプルボリューム」をクリックし、ウィザードを起動する。
「次へ」をクリックし、表示される設定画面もデフォルト値のまま「次へ」「次へ」とクリックし、「新しいシンプルボリュームウィザード」を「完了」する。
フォーマットが始まる。
ウィザードの途中で、「クイックフォーマット」のチェックを入れていれば、すぐにフォーマットは終了する。このチェックを外すと死ぬほど時間がかかるので注意。
PCフォルダーでも、ボリューム(F:)が確認できます。
いよいよクローン作成
新しい SSD のフォーマットが完了すれば、いよいよクローンの作成を始めます。
この画面が表示されます。
①左上の 三 をクリックし、アイコンの説明を表示します。
②クローンをクリックします。
クローンのソースを決めます。□ハードディスク 0 にチェックを入れます。ハードディスク 0 の容量は、750GB で、クローン先の SSD は、500GB ですが、使用中の容量がクローン先の容量未満であれば、ドライブ丸ごとクローンすることができます。
容量ギリギリであれば、システムパーティションとブートパーティションだけを指定し、RECOVERY D: パーティションなどは転送しなくても大丈夫だそうです。それでも足りない場合は、あらかじめソースの容量を減らしておくか、容量のでかいSSDを用意するしかありません。
次に、ターゲットディスクを決めます。□ハードディスク 1 にチェックを入れます。
「高度なオプション」をクリックし、{SSDに最適化」をクリックしチェックを入れます。
これ重要です↑。
クローン化のソースとターゲットの最終確認です。
間違っていれば戻ることもできます。
「実行」をクリックすると、」「ターゲットディスクのすべてのデーターは永久に消去されます」との脅し文句に負けず屈せず、「続ける」をクリックします。
クローン化が始まります。相当な時間がかかります。USB3 接続で2時間ぐらいと聞いていましたが、USB2 の接続なので、最終的には4、5時間かかりました。
経過時間が右上に表示されるので、どれほどかかったかははっきりわかるはずなのですが、うっかり右上の□(全画面表示?)を押したら、画面の枠の大きさは変わらず表示されている画面だけが大きくなって右半分が見えなくなってしまいました。明らかに表示バグです。
元に戻そうとしても、□マークは見えず、「ESC」キーでも元に戻らず、2時間ぐらい経過した後なので、中断するわけにもいかず、そのまま完了まで放置しました。
この状態では、×マークが見えないため、このソフトを終了することができないので、「タスクマネージャー」で強制終了。
しかし、USB に接続されているので、これを切断するため「デバイスの取り出し」をしたのですが、「誰かがUSBを使っているので切断できません」とエラー表示された時には焦りました。「タスクマネージャー」であちこちに散らばっている EaseUs Todo・・・関係のバックグラウンドプログラムを片っ端から強制終了したのですが、USBの取り出しはできませんでした。
最後にコピーしたのは多分 RECOVERY D: ドライブなので、まぁいいかっと覚悟を決め USB コネクターをエイっと引き抜きました。
取り出した SSD を HDD と取り換えて、生つばを飲み込みながら電源をON して、無事今まで通りの Windows が立ち上がった時には、ほっとしました。こんな思いは二度としたくないものです。 バグっているけど無料のソフトなので文句は言えません。
さて、取り出した HDD は、ORICO のハードドライブエンクロージャに入れて、外部ディスクとして使用します。
デジカメで撮った写真などは、今まで DVD でバックアップしていたのですが、内臓のDVD ドライブが動かなくなり故障しています。外部接続の DVD ドライブを使用していたのですがその代わりに使用できればと思います。
転送速度は、USB で制限されるので早くなるとは限りませんが、DVDディスクを何枚も管理しなくてよくなるので、よりベターかと思います。
クローン化した SSD を本体に実装し、外部に HDD を接続したときのディスクの状態です。
SSDには、十分な余裕がありますが、RECOVERY D: は、Windows 8 のものでもう必要ないので、このパーティションを消して、ブートパーティションに接続してしまう予定です。(記事の最後参照)
最後に、お約束のディスクスピードのベンチマークテストです。
Before HDD 750GB
After SSD 500GB
SSDは、仕様通りの性能が出ていて、その効果は素晴らしく、シーケンシャルな読み出し、書き込みで8~9倍、ランダムではさらに早くなっています。
After USB2接続外部HDD
ORICO のハードドライブエンクロージャに収納したHDD外部ディスクは、USB2接続なので、SATA接続のHDDと比べ半分ぐらいの速度です。USB3接続であれば元のSATA HDDと同程度になるのではと思います。(後に、このPCにも、USB3.0 があることを発見し、ベンチテストしました→USB3.0 が有った)
PC の電源ONから Windows が立ち上がって、ディスクの稼働率が落ち着くまで、今まで数分から10分くらいかかっていたのが、1分足らずでその状態になります。兎に角なんでも早く動くようになったので、9千円弱 投資した甲斐があったと言うものです。
最後に、ディスク 0 のパーティションの不要な部分をブートセクションに接続し、20GBほど容量を増やしました。
2021年8月追記
クローンソフトが Free で使えるのは、バージョン12.5だけの様で、新しいバージョン13.5では、Home エディションでないとクローンソフトを実行できなくなっていた。
(→こちら参照)