NHKのラジオ国際放送の中国語ニュースで、原稿読み上げを担当する中国籍の外部スタッフが、沖縄県石垣市の尖閣諸島を「中国の領土」などと発言した「放送テロ」問題が収まらない。動機や経緯の解明は不可欠で、巨額の国費が投じられたNHKの体制自体も問われる。自民党の山田宏参院議員は、重大な問題点と公共放送のあり方を追及すべきだという。
◇
「(今回の事案は)NHKの体質を如実に反映した」「全貌を一気に発表せず、昔の役所のような対応でコンプライアンス上許せない。旧態依然で透明度の低い企業体質を持っている」
山田氏はこう憤る。
問題の放送は、NHKの短波ラジオと衛星ラジオの国際放送、ラジオ第2放送で19日午後1時過ぎから放送した中国語ニュース番組で起きた。40代の中国籍の男性外部スタッフが、原稿にない独自の主張を約20秒間繰り広げたのだ。
NHKは当初、中国語で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)と付属の島は古来から中国の領土です」と発言したと公表していた。稲葉延雄会長が22日、自民党情報通信戦略調査会に呼ばれて、英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女(慰安婦)らが戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」などと発信していたことも明らかにした。