高橋洋一「日本の解き方」

NHK中国語ニュースの問題発言 尖閣で起きていた「重大事案」と偶然の一致とは思えない…背景も含め徹底調査すべきだ

尖閣諸島・魚釣島付近を哨戒する海上保安庁の巡視船=沖縄県石垣市(大竹直樹撮影)
尖閣諸島・魚釣島付近を哨戒する海上保安庁の巡視船=沖縄県石垣市(大竹直樹撮影)

NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで、中国籍のスタッフが、沖縄県石垣市の尖閣諸島について「中国領土」など、原稿にない発言をした。最大の問題点はどこにあるのか。NHKや政府はどう対応すべきだろうか。

この案件を時系列で整理してみよう。産経新聞によれば、NHKは19日、午後1時過ぎから短波ラジオなどの国際放送とラジオ第2放送で伝えた中国語のニュースの中で、外部スタッフが尖閣諸島について「中国の領土である」と述べるなど、ニュース原稿にはない不適切な発言を約20秒間にわたって行ったと発表した。このスタッフはNHKの関連団体が業務委託契約を結んでいる中国籍の40代男性だという。

この案件と同時並行的に尖閣では重要な事案が発生していた。40代のメキシコ人男性が16日午後、魚釣島の東岸にカヌーで上陸しているのを哨戒中の巡視船に発見され、ヘリコプターでつり上げられ救助された。

この男性は与那国島(同県与那国町)から台湾に向かっていたが、与那国島と台湾の間には尖閣方面に黒潮本流が流れており、それに乗って漂流したとみられる。

石垣海上保安部(同県石垣市)は19日、この男性を出入国管理法違反容疑で書類送検した。海上保安庁による救出と警察権の行使は、尖閣諸島を日本が有効に支配していること(実効支配)を国内外に示すことになった。

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