NHKのラジオ国際放送などで19日に放送された中国語ニュースをめぐる「放送テロ」の余波が収まらない。沖縄県の尖閣諸島を「中国の領土だ」などと原稿にはない一方的な発言を行い、契約を解除された中国籍の40代男性について、中国メディアは男性がすでに帰国したと報じた。中国のSNSでは男性の行動を称賛する書き込みも相次いでいる。
現地メディアが「男性のもの」だと伝えたSNS「微博(ウェイボ)」のアカウントでは、26日に「返信はしない。22秒にすべてが凝縮されている」などと投稿された。約20秒にわたり原稿にない発言をしたことを指すとみられる。コメント欄には「祖国にいる」とも書き込まれた。
夕刊フジで「列島エイリアンズ」を連載する在日外国人事情に詳しいジャーナリスト、奥窪優木氏は「微博では『よくやった』『英雄だ』『(日本の)公共放送をジャックした彼をCCTV(中国国営中央テレビ)に特別待遇で迎えよう』といった書き込みが見られる」と話す。
そのうえで奥窪氏は、中国籍の男性について「1975年生まれで、20代で来日し、東大大学院を修了してフリーランスのジャーナリストや中国語ナレーター、翻訳者など、日本で幅広い肩書で働いていた人物だ」とする。