「もはや決着の仕方は限られてきましたね。BPO(放送倫理・番組向上機構)どころの問題じゃ済まない。トップ、つまり会長が潔く首を差し出さないと、将来まずい問題が起きますよ」
民放放送局記者は一向に沈静化しないNHKの〝放送テロ事件〟について、強く言及する。
同局のラジオ国際放送などで、中国籍の40代男性スタッフが沖縄県の尖閣諸島を「中国の領土だ」ととんでもない偽情報を世界に発信した〝日本放送史上最悪〟ともいえる放送事故。
前出・民放報道局記者は、同局が行った謝罪放送を「生ぬるい」と一蹴。「最悪の事態が想定されていない。NHKがやらかしたことは国賊もの」と断罪し、次のように説明を加える。
「生放送中に異変に気付いていたわけですから、放送に割り込んで混乱した状況を放送しておけばよかったんです。それをしなかったばかりに、きれいな音声放送だけが残ってしまった。50年後ぐらいに、中国政府が『あのNHKがかつてこんな放送をしていたのですよ』とプロパガンダに利用するのは目に見える。その頃には、事件の背景も忘れられて、音声放送だけが独り歩きし、切り取られて拡散する。最悪を想定し、会長が引責辞任した事実も合わせて放送史に記録しておかなければなりません」
日本の未来にもNHKは罪なことをした。(業界ウオッチャーX)