時計じかけの花のパヴァーヌ編 2章前編 感想
面白いと言うのも何か違う気もするのですが、それでもやはり面白かったですね。
こういう感情をリアルタイムで味わうために私はこのゲームを始めたんですよ。30%ぐらい誇張ですが。
対策委員会とかエデン条約とかに比べて問題の規模が小さくないかとか、話として平和すぎないかとか、後アリスの生い立ちというとっても大事そうな問題をガン無視して何呑気にゲームを作っているんだ?とか、1章を色々と足りない感じの内容にしていたのはこのためだったと。
それで、「あのゲーム開発部の話だし、そんな大変なことにはならないだろう」と先入観を植え付けておいたと。
お見事でした。
告知PVも全く不穏さを感じさせない作りになっています。
なっているのですが、最後の台詞に注目してみると、
「アリスは、勇者になりたいです!」
とのことで、既にかます気満々だったようです。
彼女はリオに、何と呼ばれていたでしょうか?
正直、今回の話の題材自体はいつか来るものと分かっていました。
明らかに何かありますよと強く匂わせておきつつもアリスに対しては何の掘り下げも為されてこなかったわけで、これはもうゲーム開発部の続編が出ると聞いた辺りから何となく身構えられるわけです。
しかしながら、身構えていたとしてもそれを上回るショックを与えることでこのシナリオは先生方の心を折りに行きました。パワーです。
アリスの正体が何だとしても驚かんぜとは思っていたし、実際ギリギリ驚きませんでした。ただ、その種明かしの仕方だけは、最もダメージが大きくなる方法で残酷に行われ、明確にショックを受けました。
何より、周囲の人々が庇う間もないままにアリスの心が折られてしまった事実は非常に重いでしょう。
99%は強制的に進められたことだとしても、最後の1%はアリス自らの手によって進んだ、このことは絶望という他ありません。
極めつけにラストシーンのBGMですよ。
某文芸部のゲームなんかでも取られた手法ですが、実はこれ、
ゲーム開発部のテーマ曲とも言えるBGMのアレンジです。
カマしてきましたね。
私はそのどこか外れたPixel Timeのメロディから崩壊してしまった日常を連想し、
違和感を孕みつつもダウナーに、破綻なく進んでいく曲調からは、アリスの選択やアリスの居ない世界が当然のように扱われていくであろうことの無常さを感じました。
スチルも相まって、初めて聴いた時には文字通り胸が締め付けられる思いでした。あんな明るくポップなBGMがこの有様ですからね…。100点です。
他にもネルが味方になったことに対して「味方になると弱体化する強敵」の話をしていた事(ネルが反旗を翻してくれたことは何の意味ももたらさなかった)、「バッドエンドでもスチルぐらい見せて」という旨の話があった事(見せてきた)など、深く掘れば掘るほど勝手にダメージを負うことができます。後者はむしろこの先がバッドエンドじゃないからこそ最後のシーンにあんなスチルがあったんだよと捉えられなくもないですが、現時点ではこの先が公開されていない以上ここがエンディングですよ(大暴論)
明るかったアリスの日常を目一杯明るく描き、アリスの絶望をこれでもかと演出して叩きつけてきた2章前編。
きっと後編(或いは中編・後編…?)で救ってくれるんだろうと思ってはいても、やはり今回のストーリーのインパクトは絶大でしたね。
やりすぎたからこそ、10話を読み終わった後にあんな次回予告のタイトルをチラ見せしてバランスを取ったんじゃないかと思うぐらいに。
果たしてアリスは本当にリオが言ったそのままの存在なのか、そうだとしてアリスを殺すだけで問題は解決するのか、というか何故モモイは倒れたのか、前向きに考えるなら色々と疑問はありますが、今回は敢えて触れないでおきます。
やれんのかモモイ。
これで終わっていいわけないだろアリス。
続編の公開を他の先生方と一緒に楽しみにしております。
ブルーアーカイブは面白い。
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