森友文書改竄、2審も佐川氏への賠償請求を棄却 大阪高裁

大阪地裁=大阪市北区
大阪地裁=大阪市北区

学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で自殺した近畿財務局の元職員、赤木俊夫さん=当時(54)=の妻、雅子さん(52)が、佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官に1650万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。黒野功久裁判長は、請求を棄却した1審大阪地裁判決を支持し、雅子さんの控訴を棄却した。

1審当初の被告は国と佐川氏だったが、国は賠償請求を受け入れる「認諾」で訴訟を終結。争点は、当時理財局長だった佐川氏個人の賠償責任の有無だったが、判決は「公務員が職務で損害を与えた場合は国が賠償責任を負う」とした。

判決理由で黒野裁判長は、雅子さんが佐川氏に経緯の説明や謝罪を求めていることについて、「誠意を尽くした説明や謝罪があってしかるべきとも考えられるが、法的義務を課すことは困難」と言及した。

雅子さんは判決後、「想定はしていたが『また見捨てられた』と思った。夫のつらい気持ちを思うと、私には続ける道しか残っていない」と上告する意向を示した。

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