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      給食は拷問

      給食は拷問だったんじゃないかと最近思っている。
      というか、拷問だったんだろうなと思っている。

      未就学児の通う肢体不自由児通園施設に通っていた頃、
      年長の初めくらいの時までのことだ。
      入園してからずっと、
      給食の形態は粒有りペーストとか、細キザミだった。

      その頃の菊太郎は、
      給食の時間になって、周りで準備を始めると、
      決まって寝始めた。

      保育士や看護師は、
      体力が持たなくて疲れたんだろうって言った。
      いつも。

      そして、みんなが食べ終わって、片付け始め、
      部屋を移動する頃になって目を覚ましていた。

      給食の時間に怒り散らすことも多かった。
      やっぱり、疲れちゃったんだろうと言われた。

      大抵は座位保持椅子に座って食べ始めて、
      ぐずってぐずって根負けして、途中から抱っこで食べる事が多かった。
      食べる量は、半分食べれば上出来。
      デザートだからって食いつくわけでもない。

      他の子が午後の日程でやっていた体操なんてほとんどできなかった。

      でも、おかしい。
      よくよく考えてみれば、
      毎回毎回昼間の11時半に眠くなるほど体力が無いわけじゃないし、
      昼に眠くなるほど、朝早起きしてる訳でもなかった。

      だいいち、海で一日中遊んでたって、
      ぐったりもしないし、怒りもしない。
      それなのに、昼の12時前に起きていられないほど疲れるか????

      絶対無い。
      断じて言う、疲れて寝ていたわけじゃない。

      狸寝入りだ。
      「食べる」という困難な課題から逃避するための手段としての、狸寝入りだ。

      給食はいつも攻防戦だった。
      母さんは、半分は給食目的で通園に来ているんだから、
      なんとか食べてもらおうとする。
      食べさせるのはイライラして嫌だったけど、それでも、食べて欲しかった。
      この頃は、食事の用意をするのがすごく手間がかかって大変だった。
      だから、給食がペーストやキザミになって出てくるのは、
      本当にありがたかった。

      給食のペーストは、
      ちゃんと1品づつミキサーにかけてある。
      すごく少量になる付け合せの野菜だって、
      トマトとブロッコリーとにんじんがバラバラにミキサーにかけられて分けて皿に盛られていた。
      家じゃこんなこととてもじゃないけどできなかった。

      それで、母さんは「給食サイコー!」と嬉しがっていた。
      味見なんてずっとしてなかった。
      家でもミキサーにかけた後の味見なんてしていなかった。

      で、あるとき、勇気を出して味見してみた。
      不味かった。すごくまずかった。
      特に肉系のものが不味かった。
      それまで味見しなかったのも、
      心のどこかで、自分は食べたくないと思っていたからにちがいない。

      野菜はエグ味が際立ち、
      肉は獣臭さや脂が蔓延した味になる。
      魚は繊維のザラつきやもさもさした食感がなんとも嫌な感じだ。

      鶏肉なんて、
      鶏が嫌いっていうひとってこの味が嫌なんだろうなっていう鶏臭い味が、全体にまわる。
      もともとのメニューが何だったかなんて、もはや想像もできない。

      これが、私が味見して感じた、ペーストの給食だ。

      そして、デザートのりんごは摩り下ろされ、液体の中にモサモサの繊維がちらばっている。
      ゴリゴリのゼリーの正体は砕け散る寒天だ。
      こういうものがすごく食べにくい食品だと、通園に行き始めた頃の私は知らなかった。
      デザートなんだから、おやつなんだから、嬉しそうに食えよ!!!!
      と、母さんはいつも思っていた。

      だけど、だけどだよ、
      今だから思うけど、
      毎回毎回、給食は拷問みたいなもんだったんだろうなと思う。

      菊太郎は、目もあまり見えていないんだ。
      体幹もグラグラだから座位保持椅子にベルトで固定する。
      しかも、食べるのは下手くそ。口の中で食べ物をうまく動かせない。

      そんな状態で、次から次に、
      すごく不味いものとか、
      食感がいやなものとか、
      下手に潰せばパラパラと砕け散って困るようなものを、
      口の中に突っ込まれるのだ。
      次から次に、しかも、いつ終わるのかも分からない状態で。

      しかも、多分だけど、
      食べることの意味も、
      空腹の不快感と、食べることによって得られる効果の関連も分かっていなかったと思う。

      もしも自分が、
      目隠しされて、椅子に縛り付けられて、
      すごく不味くて、不快な食感で、
      食べ物なのか何なのかも分からないようなものを、
      次から次に、いつ終わるともわからない状態で、
      口に突っ込まれ続けたら・・・・・・・・。
      絶対嫌だ。拷問だ。
      3日位で人格が崩壊しそうだ。

      でも、たぶん、菊太郎はそういうこと、給食のたびにされていたんだと思う。
      ごめんねぇ~、気付かなくて。


      今、小学校3年生。
      給食は思い切って普通食の形態にしました。
      はさみで一口大に切っても食べられない物は、食べなくてもよしとしました。
      なんとかなっています。
      給食時間に怒ることはもうなくなりました。
      食べることも、嫌な課題ではなくなったと思います。

      おいしいって大事。



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      プロフィール

      きくたろうの母

      Author:きくたろうの母
      ペーパー管理栄養士
      食いしん坊で酒飲み

      菊太郎2004年生まれ
      知的発達5ヶ月程度
      身体発達7ヶ月程度
      視力 たぶん強度の弱視

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