初出:2020年3月18日
お引越し:
2022年8月3日

 

「Happy Ending ~special movie~」

 

2020年3月10日に「Happy Ending ~special movie~」が公開されました。

この動画のラストでほんの一節、大滝詠一さんの未発表曲「So Long」が流れたのです。

今日現在も聴けるのは、その一節だけ…。

 

一聴しての印象は、、、「雨のマルセイユ」とサウンドが同じだ!

しかも、動画で聴ける範囲では、その「未発表曲」は「雨のマルセイユ」とコード進行も同じ。

私は、てっきり「雨のマルセイユ」のミックス違いのオケをバックに、大滝さんがメロディ違いの曲をつけて歌っているのか、と思いました。

 

 

しかし、「雨のマルセイユ」が収録されている、市川実和子の1999年のアルバム「Pinup Girl」をあらためて聴きなおしてみると…。

 

「未発表曲」と「雨のマルセイユ」とは、キーが離れすぎていたのです。

これは同じ演奏のオケではない、ということを意味します。

 

つまり、テンポもサウンドも曲調もそっくりな2曲を、市川実和子のレコーディング当時に録音していたと…!?

 

驚くべきことに、、、

 

「♪ いつかまーた逢えるねっ 二人歩いたみーちーで」

 

という「未発表曲」の歌詞は、なんと、アルバム「Pinup Girl」に収録されている「22才のMellow」(作詞:小野小福、作曲:平松愛理)と同じだ!ということにも気づきました。

 

さらに、この「22才のMellow」の歌詞の構成は、「雨のマルセイユ」とピッタリ完全に一致しているのです。

 

両曲の作詞者の小野小福さんは、意図的に同じ構成にした「姉妹詞」を書いたということになります。

 

想像するに、「雨のマルセイユ」と「22才のMellow」=「 So Long 」の2曲は、「Dreams(夢で逢えたら)」と「ドリーム・ボーイ」のような関係になっているのではないでしょうか。

 

 

「ドリーム・ボーイ」は、大滝さんがアン・ルイスのアルバムへ提供したオリジナル曲です。

同じアルバムの中で「夢で逢えたら」が「Dreams」というタイトルになり英語詞でカバーされています。

 

両曲はコード進行が同じで、重ね合わせて演奏すると、旋律が掛け合うように作曲されているんです。

 

たぶん、「雨のマルセイユ」と「 So Long 」も同じコード進行、同じ構成になっていて、同時に歌える双子のような相関になっているのではないのか?と予想してみました。

あくまでも、予想ですヨ。

 

頼みにしていたレコードコレクターズ誌にも、「So Long」について、「マイナー調」と書かれており、「この曲のどこがマイナー調やねん!?」と、かえってナイアガラの謎は深まるばかりでした。

 

こうなると、大滝さんの歌う「雨のマルセイユ」も聴いてみたいものです。


「Happy Ending」を聴く前から、ちょっと気が早いかな(笑)

 

 

【2022年8月 追記】

2020年当時、久々の新曲扱いで現れた「So Long」。
予告篇ムービーで一瞬流れた「So Long」を聴いて、興奮した瞬間は今でも覚えています。
この時に予想したストーリーも、ほぼ当たっていました。

 

なお、作詞の小野小福さんは、どうやら、「幸せな結末」で作詞を担った“多幸福チーム”の数人のうちの一人、永山耕三さんである可能性が高まっています。
永山耕三さんは、EXILEや松たか子などの曲でも作詞を手掛けているんですね…。

 

もし、「雨のマルセイユ」(作詞:小野幸福)の作詞も永山耕三さんだとしたら、「白い港」の歌詞に登場する別れの舞台の港がマルセイユだ…という話は、大滝詠一さんから聞いたのでしょうか。
そして、大滝さんは松本隆氏から“マルセイユ”について説明を受けていたのでしょうか…。

 

1999年のアルバム「Pinup Girl」の頃に録られた「So Long」は、結局その後、2003年の「恋するふたり」のメロディとして再利用されました。
大滝詠一さんがご存命だったなら、「恋するふたり」への進化過程にあった曲「So Long」は、発表されずに幻の曲になっていたかもしれないのですね。
 

数奇な運命を辿った「So Long」は、世に出てからもあまりに話題になりませんでした。
大滝さん本人バージョンの「熱き心に」などは、ラジオでもよくかけられたりしているのですが…。
同じ“蔵出し音源シリーズ”でも「So Long」は、ファンからも地味な扱いを受けている印象です。


アナログシングルやスーパーオーディオCD…、ナイアガラのおリリースが盛んな折り、ついでに「So Long」も聴いてあげてください…。

 

 

一部のファンで話題の、盤面に刻まれたこの文字はどなたの筆跡なのか?

Photo by Eiichi KOWATA

 

 

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