今年の5月でスイスでの海外生活も8年目となり、
このフシギな国スイスの日常生活にも
随分と慣れてきたと思っていたちょうどその時、
久々にカルチャーショックを感じる新しい発見をしました。
それは一体何かと申しますとこの国でのお洗濯について・・。
スイスの洗濯事情につきましては
このブログでも過去にお伝え致しましたので、
今回はその部分に関しては省かせていただきます。
スイスの洗濯事情にご興味のおありの方は
過去の記事をご覧下さいませ → スイスの洗濯事情と洗濯機
今更ながらに私を驚かせたのは、その洗濯の仕方(洗い方)そのものです。
スイスではリネンや下着など、特に白い物を洗う際は古い習慣で、
洗濯機の温度を95度 に設定するのが普通です。
スイスに来て最初の頃、当時私はバーゼルに住む事になったのですが、
初めて住んだアパートメントではまず
そのアパートメントの長老の奥様が私のところにやって来て、
「洗濯機の使用方法が分からないでしょう、
教えてあげますからちょっといいかしら?」
と片言の英語で声をかけました。
当時の私はスイスの生活習慣も全く知らなければ
ドイツ語も全く理解できない、友人どころか知り合いもいません。
唯一の頼りは日本に赴任する前にスイスで働いていた私の夫(英国人)のみ。
その頼みの綱の夫も昼間は仕事に出ており、
私は日々の生活、日、1日がサバイバル状態の毎日でした。
そんな状態ですから当然素直に、長老夫人のおおせの通り説明を受けました。
彼女はひと通り、
洗濯機と換気扇の操作方法を教えてはくれましたが、
その時の私はドイツ語が全く話せなかった事と、
長老夫人も英語はさほど得意ではなかったようで、
"どの衣類を何度の温度で洗う"
と言うところまでは触れなかったように記憶しています。
そこに設置されていた古い洗濯機には見慣れない温度設定がたくさんあり、
それまで日本ではほとんど「水」でしか洗濯をした事の無かった私は、
その洗濯機の設定でとりあえず一番低い温度を選びました。
その温度が30度。
それ以来私は、
ほぼずっーと自分では30度を基本ベースとしており、
白いものを洗濯する際には40度に設定したりはしましたが、
いまだそれ以上の温度設定で洗濯をした事はありません。
(普通に毎日洗濯をしていれば、40度でも充分に綺麗になります!)
ところが先日友人たちとお茶を飲んでいて、何の話からか洗濯の話題に・・・。
スイスでは洗濯物の色分けをおそらく日本以上にきっちりとする事、
色物用と白い物を洗う洗剤は別に売られており、
私もきっちりと使い分けているため、
どのブランドの洗剤がよいとか、そういう他愛のない話をしていました。
一人の友人が席を立った時、その洗濯の話題はまだ続いていて、
彼女いわく、もう20年近く前にスイスにお嫁に来た時、
お姑さんに教えていただいた事が、
「下着の洗濯は95度で洗う。
それは下着を "煮沸する" 意味があるから・・・。」
私はその話を聞いて思わず、
「エーッ!! 95度~!?」
と叫んでしまいました。
と、その時、
席を立っていたもう一人の友人が戻って来て、
「そういえば最初にスイスに来た時、お義母さん(ご主人のお母様)から、
下着は95度で洗濯をするように言われたわー。」
お互いに示し合わせた訳ではない内容の完全な一致に、ただただ驚く私・・・。
友人によれば、
スイスで購入した下着の内側の洗濯方法のラベルのところにも、
"95度" とちゃんと記載されているとの事。
もう片方の彼女によれば、指示通り95度で洗うと生地が傷み易く、
すぐにボロボロになってしまう・・・との意見も。
その事をとても単純に疑問を感じた私は、
「なんでそんな高温で洗う必要があるのかしら!?」
と尋ねてみたところ、
スイスでは下着は煮沸洗濯をする必要がある(と教わった)のだとか・・・。
思い込みとは怖いもので、
普段40度までしか温度設定をした事の無い私は、
「うちの洗濯機には95度なんて、無いと思うわー。」
と口にしたところ、
「そんなハズはない!
スイスの洗濯機ならば、絶対に95度はあるはず!!」
という彼女たちの言葉通り、
自宅に戻ってチェックをしてみたところ、やはりありました95度!
毎日使用している洗濯機なのにいつも見ていたのは左半分だけ。
右の温度設定をして洗うと、
1回の洗濯に2時間近くかそれ以上かかるため、
いつもは左のオートマティック(Automatic)か、
繊細な生地は左上のファインウォッシュで済ませていました。
知らない事は本当にオソロシイ!
自宅の洗濯機にも95度がある事は確認は出来たものの、
ここでふと感じたのは、
『毎日交換する下着を
なぜ95度で煮沸洗濯しなければならないのだろう・・?』
そこでハッと思い出したのが、
以前にスイス在住の女性達が集い出版された手記を読ませていただいた際、
ある女性が記されていた内容、
「スイスの人々は下着を毎日交換しない・・・。」
その事について記されていた部分をもう一度読み直すと、
昔は1週間くらいは下着を替えない事も普通だったのだとか。
日本人であるその方は、
さすがにそれだけは我慢できなかったとの事で、
旦那様には下着を毎日交換していただけるよう説得されたそうですが、
昔のスイスではそれはごく当たり前の事であるらしく、
それゆえ「煮沸洗濯」が必要だったのではないかと思います。
そもそもスイスでは水で洗わずお湯、
しかも高温のお湯で洗濯をしてきた理由は、スイスの水は "硬水" なので、
昔はお湯ではないとなかなか洗剤が溶けなかったからというのも理由の一つ。
最近では商品も改良され、
さほどの高温でないお水にでも洗剤自体も対応していますし、
この古い習慣は若い年代には薄れつつあるそうなのですが・・。
そして ↑ 過去の記事でも記しているように、
ボーヌング(マンション)などの集合住宅では、
洗濯機は地下にあるものを他の住民と共用使用で、
洗濯の順番が週に一度しか回ってこない・・・
なんていうケースがあるのも、煮沸が必要な理由のよう。
ちなみについでにもう一つビックリなのは、
スイスではパンツ(下着)にもきっちりとアイロンをかけるのだそうです。
もちろんシャツにもシワひとつ入っていません。
スイスの主婦たちは本当に綺麗好きで、
彼女たちのキッチンの美しさと整理整頓にはいつも感心させられる私なのですが、
とてもキレイ好きなスイス人のイメージとはウラハラの古い習慣には、
ちょっと驚かされた私です。
さすがにこれは昔の古い習慣で、今日では異なるのであろうとは思うものの、
まだまだ私の知らない事がいっぱいありそうなスイスです。
ブログランキングに参加しています。
大変お手数ですが、上の応援の クリック を、
どうぞよろしくお願い致します。
携帯電話からご覧下さっている方は、
こちら ↓ をクリックして応援してくださいますと嬉しいです。
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
そういえば、以前ドイツ人の知り合いも冷たい水じゃ洗剤溶けないよ、って言ってました。日本のは溶けるんだよぉ~と言っても納得いかないらしく。。