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      勝負は噛んだ後

      菊太郎はずっと摂食状況に問題があった。
      噛んでもらうということには本当にてこずった

      菊太郎の摂食に関る人は
      みんな、食べ物の固さにこだわった。
      柔らかくなければダメだと思っていた。
      でも、本当の問題は、噛んだ後の砕け散り方にあったと思う。

      菊太郎は、
      柔らかそうでも、噛むとバラバラと砕けるものは噛まなかった。
      恐れていたんだと思う。
      固そうでも、噛んだところで大して変化しないものは噛んだ。
      噛んでみた。


      例をあげると、
      豆腐は噛めないけど、肉は噛める。
      ということだ。

      摂食指導に来ていた先生は、
      肉が噛めるのに、豆腐を噛めないなんてありえない、と言った。

      豆腐は、噛むと砕け散るので怖くて噛めないけど、
      肉は一回噛んだ位じゃたいして形態に変化がないから噛める。
      肉は、おいしいから、噛むモチベーションも高い。
      まぁ、そういうことだったんだろうと思う。


      肉が噛めるのに、豆腐を噛めないなんてありえないかもしれないけど、

      大して魅力的でもない豆腐を危険を承知で噛むことはしたくないけど、
      うまそうな肉なら多少冒険でも噛んでみようかな、
      というのは、「アリ」だったんじゃないかと思う。

      でも、たいていの人は、
      豆腐はやわらいから 食べられるはずの食材で、
      肉は硬いから食べられなくても無理のない物だと言った。


      私の感想は違う。

      豆腐は、一撃で木っ端微塵に砕け散って、口中にばらまかさって手におえないけど、
      肉は、噛んでも噛んでも埒が明かない、
      つまり、安心して噛んでいられる食材、しかも味はウマイ。だったんだと思う。

      菊太郎は、砕け散る系の食べ物をウカツに噛むことをすごく警戒した。
      寒天でも、
      卵焼きでも、
      焼きプリンでも。

      口に入れたまま、動かない。



      でも、肉は違う。

      勇気を持って噛む。

      続けて噛む。
      気合が入る。

      噛んでも噛んでも埒が明かないのは、
      硬い、というマイナスの要素だけでなく、
      噛んだ後も口に入れた物の形態が激変しないという安心要素でもある。



      さぁ、あなたは、柔らかい、硬い、ということをどう解釈する????



      硬いことそのものより、
      噛んだ後、食材がどう変化するかの方が重要だと思う。

      重症心身障害児である菊太郎は、
      高齢者のように今まで食べてきた経験もなく、
      健常児のように、機能的に食べられる体でもない、
      頭で考えて対処できるほどの知性もない。
      噛んだ後、食べ物の状態にあわせて臨機応変に対応するだけの経験も能力もない。


      硬いか柔らかいかだけではなく、
      勝負は砕け方。
      噛んだ時の、
      食べ物の変化の仕方や程度。
      これが重要な要素だろうと思う。


      彼は、健常者である私たち以上にシビアな尺度で何かを測っている。

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      プロフィール

      きくたろうの母

      Author:きくたろうの母
      ペーパー管理栄養士
      食いしん坊で酒飲み

      菊太郎2004年生まれ
      知的発達5ヶ月程度
      身体発達7ヶ月程度
      視力 たぶん強度の弱視

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