NHKが視聴者に謝罪放送 中国語ニュースの発言巡り
NHKのラジオ国際放送などの中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが、沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にはない発言をした問題で、NHKは26日、発言を巡ってNHK総合で5分間にわたり経緯などを説明し、「極めて深刻な事態であり、深くおわび申し上げます」と視聴者に謝罪した。
NHKは国際番組基準で「わが国の重要な政策および国際問題に対する公的見解ならびにわが国の世論の動向を正しく伝える」と規定している。
放送では、今回の問題について「国際番組基準に抵触するなど放送法で定められた責務を適切に果たせなかった」とした上で「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らか」との日本政府の見解を説明した。
NHKは再発防止策として、20日から中国語ニュースを事前収録に切り替え、人工知能(AI)で生成した音声の導入を検討する。〔共同〕
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(更新)- 滝田洋一日本経済新聞社 客員編集委員ひとこと解説
①お馴染みの金融政策の言葉を使えば、「Too late too little(遅すぎて、少なすぎる)」。19日の電波ジャックから1週間もたって、5分間の謝罪放送というのでは、ほとんど訴求力がありません。 ②当初、「不適切発言」と事態を矮小化し、尖閣の部分以外の問題部分を伏せていた。このことは、放送が中国籍のスタッフに乗っ取られ、中国側の宣伝の舞台となったことへの、NHKの問題認識の甘さを物語っています。 ③中国側は世論戦、心理戦、法律戦を三戦と呼び、敵対勢力を弱体化する手段としています。NHKと日本政府が直ちに問題に対処できなかった事実は、三戦でまんまとしてやられたことを意味します。
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