「一切を22秒に…」NHK国際放送で不適切発言の男性「帰国」報道

北京=斎藤徳彦
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 NHKのラジオ国際放送の中国語のニュースなどで、中国人の40代の男性外部スタッフが19日に沖縄県尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にない発言をした問題をめぐり、中国の大手ニュースサイト「中国新聞網」は27日、契約を解除された男性が中国へ帰国していると報じた。

 中国新聞網が「男性のもの」と報じた中国のSNS・微博(ウェイボー)によると、男性は26日昼に「ゼロになって帰ってきた。安全で、ご心配なく」などと投稿した。投稿文では「返信はしない。全ての真実と真相も含めて一切を22秒の中に濃縮した」とつづっており、自らが原稿にない文言を読み上げた時間を指しているとみられる。

 自らの行為については「危険に立ち向かったからには、泰然として(結果に)向き合う」と心境を表現した。コメント欄では自ら「祖国にいる」とも書き込んだ。

 中国のネット上では近年、反日的な言動を英雄視する風潮がある。今回のニュースに対しても「英雄が帰ってきた」「国営中央テレビが彼に仕事を確保しろ」などの書き込みが相次いでいる。(北京=斎藤徳彦)

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この記事を書いた人
斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治