相場のノイズに惑わされず長期的な視点で投資方針を守るために

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ここ2~3日のような株式市場が不安定な時期に、どのようにしてノイズに惑わされず、長期的な視点で自分の投資方針を守るかについてお話ししたいと思います。

1. 最近の市場乱高下について

市場が乱高下していると、どうしても目先の動きに翻弄されがちです。ニュースやSNSで目にする情報は、短期的な変動に焦点を当てていることが多く、長期投資家にとってはノイズとなります。このような時期にこそ、冷静に自分の投資方針を再確認し、長期的な視点を持つことが重要です。

いまのところ、株式クラスの期待リターンとリスク(ボラティリティ)の範囲内の値動きであり、異常事態ではないということくらいはデータでわかりますが、短期的な市場動向はランダムウォークしているだけで、暴落の原因や犯人探しは現時点では無意味です。いくらニュースを読み込んでも真の原因は誰にもわからない。何年か経って振り返った時に、暴落の相対的な規模と原因がようやくわかるような性質のものです。

長期的には、期待リターンとリスクプレミアムは常にプラスです。とはいえ、過去の歴史にもあったように、今後数週間、数か月、数年くらいは下げ続ける可能性もあることから、短期的な市場乱高下に対する考え方を整理しておくとよいと思います。

2. ノイズとは何か

ノイズとは、市場の短期的な動きや、日々のニュース、専門家のコメント、SNSの煽り投稿など、長期的な投資判断にはあまり関係のない情報のことを指します。これらは感情を揺さぶり、非合理的な行動を引き起こす原因となり得ます。

例えば、今回のように「市場○番目の下落率」や「○○ショック」や「××危機」といった言葉がニュースで飛び交うと、多くの投資家がパニックになり、株を売ることを考えます。しかし、これらの短期的なイベントでは、慌てて売買しないでじっとしている方が長期的にはうまくいくケースが多いです。

なぜなら、行動経済学(行動ファイナンス)のプロスペクト理論という研究で、人は同じ金額なら利益よりも損失に強く反応するバイアス(心の癖)を持っていて、感情のおもむくままに売買すると、利確はより早く損切りはより遅くなり、「利小損大」になりがちであるということが証明されているからです。

外部からのノイズは、人が内部で持っているバイアスを増幅してしまいます。

3. 長期的な視点を持つための方法

①市場の歴史を学ぶ

過去の市場の歴史を学ぶことで、現在の状況を冷静に判断する助けになります。市場は常に上昇と下降を繰り返しており、長期的には上昇トレンドを描くことが多いです。過去のデータを確認することで、一時的な下落に対する恐怖を軽減することができます。

2008年の金融危機は、多くの投資家にとって大きな試練となりました。当時、多くの株式市場が急落し、多くの投資家がパニック売りを行いました。しかし、その後の市場の回復を見てみると、パニックに陥らず、冷静に持ち続けた投資家は大きな利益を享受しています。

2020年初頭、新型コロナウイルスのパンデミックが世界中に広がり、株式市場も大きく下落しました。しかし、その後の市場の回復を見てみると、パンデミックによる短期的な影響は徐々に解消され、長期的な視点で投資を続けた投資家は再び利益を享受しています。

②情報の取捨選択を行う

情報過多の時代において、すべての情報に耳を傾ける必要はありません。信頼できる情報源を選び、自分の投資方針に関係のある情報だけを取り入れるようにしましょう。

大抵のメディアは大幅下落の報道の時は張り切ってこの世の終わりのようなタイトルの記事で煽ってきますが、翌日リバウンドした大幅上昇の時には「不透明感」を述べる程度であまり反応しません。メディアの記事は読まれれば読まれるほど儲かる構図にあるからでしょう。

そのメディアの悪い部分の劣化版縮小コピーがSNSのインフルエンサーの投稿です。真っ赤なヒートマップや短期間を切り取った急降下チャートを何度も投稿するアカウントは、長期投資家にとって百害あって一利なしなので無視するかミュート、ブロックするとよいでしょう。これらにより、ノイズに惑わされることなく、冷静な判断ができるようになります。

③感情をコントロールする

投資において感情のコントロールは非常に重要です。市場の動きに一喜一憂することなく、冷静に対応するためには、自分の感情を理解し、コントロールする術を身につけることが必要です。深呼吸する、適度な運動をする、仕事に打ち込むなど、自分に合ったストレス解消法を見つけると良いでしょう。

市場の値動きはコントロールできませんが、自分の感情ならコントロールできます。投資に限らず、仕事や人生そのものにもいえることですが、コントロールできないことを心配するよりも、自分でコントロールできることに集中しましょう。

4.まとめ

株式市場が不安定な時期には、短期的なノイズに惑わされず、長期的な視点を持つことが重要です。市場の歴史を学び、情報を取捨選択し、感情をコントロールすることで、冷静な投資判断が可能になります。パニック売りを避け、長期的な投資方針を守ることで、過去の金融危機やパンデミックからも学べるように、自身の資産を守り成長させることができます。ノイズに惑わされず、冷静に投資を続けることが成功の鍵です。

以下は、インデックス投資家のかたに向けた当ブログの「売らずに我慢するテクニック」集です。下げ相場の時は自分でも活用しています。ご参考にどうぞ。

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