心と体の性が一致しないトランスジェンダーの実態を取材した米書「IRREVERSIBLE DAMAGE」(邦題は未定)が4月3日、産経新聞出版から刊行される。同書は、一部の強い抗議を受けて日本の大手出版社が刊行中止し、憲法21条の「言論・出版の自由」の危機が指摘された。産経新聞出版の瀬尾友子編集長に聞いた。
◇
「差別助長」と抗議も
「同書は丁寧な取材がされており、内容に問題があるとは思わない。米国のベストセラーが、出版前の抗議によって日本で読めなくなるというのは問題だ。妥当かどうかは読者が判断すべきだ」
瀬尾氏はこう語った。
同書は、米ウォールストリート・ジャーナル紙の元コラムニストが2020年に発表した。SNS上のインフルエンサーらに影響を受けて、「自分の心と体の性が一致しない」と考える十代の少女が急増している実態を多角的に取材し、乳房切除手術などの取りかえしのつかない性別移行に警鐘を鳴らしたものだ。