農相、卸業者にコメの円滑流通を要請 備蓄放出は慎重
坂本哲志農相は30日の記者会見で、スーパーなどの店頭で品薄が続くコメについて卸業者などの関係団体に円滑な流通を求める通知を発出したことを明かした。政府備蓄米の放出については改めて慎重な姿勢を示した。
坂本氏は「通常の価格で取引していただきたい」とも求めた。岸田文雄首相は27日、コメの品薄問題を巡って「消費者の立場に立って流通不足の懸念に対処」するよう坂本農相ら関係閣僚に指示していた。
政府備蓄米は「不作などによる生産量の減少によって、年間を通じてコメの供給に不足が見込まれる場合に備えて行っているものだ」と説明した。新米の出荷が始まる時期であり需給や価格に影響を与える恐れがあるため、放出は「いっそう慎重になる必要がある」と述べた。
民間在庫は十分にあるとして、卸業者と小売店、消費者にそれぞれ対応を求めることが現時点では「最も適切である」との考えも示した。「(卸業者に向けて)末端に届けていただくように申し入れたことは遅きに失したと思っていない」と釈明した。