衆院選候補選び「大事な要素は女、女子」 県議が発言
自民党の下沢佳充(よしたか)・石川県議(60)=7期=が25日夜、金沢市内での報道陣の囲み取材に、次期衆院選の候補者選びに絡み、「若い細いかっこいいが有利だ」と発言した。「もう一つ大事な要素があった。女、女子」とも言い、取材していた女性記者2人を前に「該当者2人」と発言した。
下沢県議は元議長で、自民党県連の元幹事長。森喜朗元首相の秘書だった。
下沢県議は衆院選石川1区の候補者選考委員会の委員長で、25日は関連会合後に取材に応じた。現場にはテレビや新聞の記者十数人がいた。
下沢県議は「私見を交えて言うと」として「若い細い」などと述べ、「君が一番やな」と男性記者に向かって言った。その後に「女、女子」などと発言した。その場で発言を問いただすやりとりはなかった。
下沢県議「言葉足らず部分あった」
朝日新聞は26日、下沢県議に発言の真意について尋ねた。下沢県議は「言葉足らずな部分があったかもしれない」と釈明。「女、女子」発言について、「お二方が失礼に思うのであれば申し訳ない」として発言を撤回すると話した。「若い細い」発言については撤回しないとした。
下沢氏は1995年に初当選。2013~14年に県議会議長を、17~18年に県連幹事長を務めた。県議になる前は、83年から94年まで森元首相の秘書を務めていた。
「蔑視を超えた差別」 田中東子教授
メディアとジェンダーの問題に詳しい大妻女子大学の田中東子教授(メディア文化論)の話 「女」「女子」という属性で人の資質を判断しているようにも思え、蔑視を超えた差別と言える。発言の文脈では、今回「女子」は候補者に選ばれる立場だが、別の機会では「女子」というカテゴリーを、排除する基準として振りかざす恐れもある。「若い細い」発言も外見で男性を選別しており、構造は同じだ。