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ヒーローズエイト〜神に選ばれし8人の戦士達による新八犬伝最強救世主伝説〜 作者:蒼月丸

第五章 ハルバータの姫君


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第146話 衝撃事件の波紋

衝撃事件の波紋はどうなるのか?

 レンタロー達の死によってホープガイアが脱落した事は、神々や多くの次元にも知れ渡っていた。あの最強の一角と呼ばれたチームが、ここでリタイアするとは思わなかっただろう。



 グラディアスにあるブレーブタウン。そこの宿屋ではヒューゴ達がウインドウを確認しているが、緊急速報の内容に驚きを隠せずにいた。

 因みにヒューゴ達はフリードと合流しただけでなく、格闘魔術師のメイリン、偉人枠としては古代エジプトのクレオパトラも仲間に加えている。よって、彼等はシャイニングナイツというチームを結成したのだ。


「まさかあのホープガイアが脱落するなんて……」

「世の中何が起こるか分からないっすね……」


 フリードとバルクは冷や汗を流しながら、予想外の展開に驚きの表情をしていた。あのホープガイアが終わる筈がないと誰もが思っていたが、まさかまさかの結末になるとは思わなかっただろう。


「生き残ったのはアケミと鶴姫だけど、彼女達は処遇が決まるまで神々の世界にいる事になるみたい」

「オーディンに至っては脱落と同時に、今後この様な戦いに参戦は不可能。皮肉な物じゃな」


 メイリンとクレオパトラと説明を聞いたヒューゴは、真剣な表情で今後の事を考え始める。

 現在彼等はバベルと戦う予定であり、自分達がやらねばグラディアスは守れないと考えていた。しかし、先程のニュースを受け、自分達も下手したらこうなってしまうと危機感を感じているのだ。


(何れにしても、紅蓮丸のやる事は許されない。だが、今回の件で勇者や正義の味方は何の為に存在し、何の為に戦うのかが分かった気がするな……)


 ヒューゴは自ら真剣に推測したと同時に、新たな決意を固めて全員に視線を移す。その様子だと新たな決意を固めているみたいだ。


「今回の件は許されない事だが、真の勇者とは何なのかを考える必要がある。ホープガイアの二の舞にならない為にも、皆で話し合いながら考えよう!」


 ヒューゴからの提案にその場にいる全員が頷き、自身が何をすれば良いのか色々考え始めた。その話し合いによって皆の絆が深まったのは、言うまでもなかったのだった。



 同じファンタジー世界にあるセントクールでは、ヒコマツとその仲間達がレンタロー達の死に驚きを隠せずにいた。まさかの急展開であり、動揺してしまうのも当然の結果だった。


「まさかそんな事になるとは……気の良い友人だったのに……」


 ヒコマツはショックのあまり背中からバッタリと倒れてしまい、仲間達は慌てながら彼を支えに向かい出した。

 ヒコマツとレンタローは交流をする程気の合う友人であったが、突如死んでしまうのは想定外としか言えなかった。其の為、今の状態になるのも無理なかったのだろう。



 地球でもレンタローの死が全国的に話題となっていて、街角でも彼に関しての会話が聞こえていた。


「聞いたか?あの勇者レンタローが死んだってよ」

「マジかよ。勇者に成り上がったそうだが、まさか一瞬の展開で命を落とすとはな……」

「ホープガイアは解散確定。今後どうなるんだろうね……」


 その会話が街中に広がっている中、風子の父「夏原和正(なつはらかずまさ)」の会社では、親子だけでなく、零夜も社長室にいたのだ。


「アークスレイヤーとの戦いは頑張っている様だな。我が社からは君と娘の二人が出ているとは、見事としか言えないな」

「恐縮です。まだまだ実力が足りていませんので」


 和正の褒め言葉に零夜は苦笑いしていて、その様子に風子も微笑んでいた。確かに零夜達の実力はトップクラスに追い付こうとしているが、まだまだ足りない部分も多くある。その為にもレベルアップは欠かせないのだ。


「父上、ホープガイアの件については知っておられますか?戦士殺しの男である紅蓮丸に殺されたと……」

「ああ。私も驚きを隠せずにいた。既に異世界ニュースなどで話題となっているが、親御さんは悲しんでいるだろう」


 和正は真剣な表情で話題のニュースを振り返り、零夜と風子は俯いていた。一瞬の欲望によって殺されてしまう結末はあまりにも酷過ぎるだけでなく、残された仲間達は今後どうなるのか心配の一面もあるのだ。

 今後も紅蓮丸は偽物の勇者に対する粛清活動をしているとなると、犠牲者が次々と続出してしまう。それだけは何としてでも避けなければならないのだ。


「恐らく紅蓮丸は過去に何かあったのかも知れません。もしかすると過去に勇者と関係があったのではないでしょうか?」


 風子は真剣な表情をしながら、紅蓮丸が何故この様な事をするのかを推測し始める。彼が欲望の為や外道な行動をする勇者や戦士達を粛清するようになったのは、過去に何かあったに違いない。それが今の行動に繋がった可能性が高いだろう。

 

「確かにその可能性はあり得るだろう。だが、奴は神出鬼没で何処に潜んでいるのか分からない。くれぐれも選ばれし戦士としての自覚を持ち、引き続き任務に取り掛かってくれ」

「「はい!」」


 和正からの指示に零夜と風子は応え、話はこれで終了となったのだった。



 ゴッドエデンにある議会場では、カーン達がオーディン、アケミ、鶴姫の処遇を発表しようとしていた。場内が緊迫感に包まれる中、処遇が発表されようとしていたのだ。


「では、処遇を下す。オーディン。お前は新たな敵が来る事に気付かず、勇者レンタロー率いる六人が死んでしまう結果になってしまった。よって、ホープガイアは脱落。同時にこの戦いから下ろさせてもらう!」


 カーンからの宣言にその場にいた誰もがざわついてしまい、オーディンは項垂れながらも一礼する。自らの危機管理がずさんだ結果、この様な結末になってしまった。その責任については自己責任と言えるだろう。


「オーディン様……」

「ヘンリー……、行くぞ……」


 オーディンはヘンリーと共に議会場から去ってしまい、この光景に誰もが言葉を失いながら見送るしかなかった。アケミと鶴姫に至っては、支えてくれた神様とこんな形で別れるのは辛かったのだろう。彼女達の目からポロポロと涙がこぼれていて、そのままオーディンに感謝を込めて深く一礼をした。

 同時に木槌の音が響き渡り、全員がカーンに視線を移した。


「そして、アケミと鶴姫に関しては、女神マーキュリーの元で行動する事になる。そこも選ばれし戦士のチームを作っているが、後二人足りなくて困っていたところだ。今後は彼女の力になり、引き続き選ばれし戦士として行動する様に」

「「ありがとうございます」」


 カーンからの宣言に、アケミと鶴姫は彼に対して一礼する。自身達はどうなるのか心配となっていたが、引き続き選ばれし戦士として活動できる事にホッとする。同時にゼロからスタートになってしまったが、ここからどう巻き返せるのかに注目だ。


「以上で処遇を終了する!解散!」


 カーンの合図と同時に、その場で全員解散する事に。同時にアークスレイヤーだけでなく、戦士殺しの紅蓮丸との戦いも避けられない事が決まったのだった。

ホープガイアは脱落。アケミと鶴姫は新たな道を進む事になりました。


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