グランドピアノを一新して新たな音楽体験を提供する
Whipsawのコンセプトピアノ「Ravenchord」

Courtesy of Whipsaw

サンフランシスコのデザインスタジオ Whipsawは、ペイズリー模様のような形状のコンセプトピアノ「Ravenchord」を公開。「フロントプロジェクション・アップライトピアノ」とも名付けられ、ファウンダー兼CEOであるダン・ハーデン(Dan Harden)の「ピアノに対する従来のイメージを一新し、ダイナミックで刺激的なものにしたい」という思いが込められている。

私たちが日頃よく目にするグランドピアノは、水平に大きく広がるボディに200本以上の弦が張られ、演奏中に鑑賞者がその内部の仕組みを見ることはできない。また、奏でられた音は響板や大屋根を介して広がるため、観客の耳に直接届かない。そして、譜面台や大屋根によって、演奏者の顔がよく見えない。こういった点を解消するために、構想されたのが「Ravenchord」だ。

Courtesy of Whipsaw

Courtesy of Whipsaw

最大の特徴は、従来のグランドピアノでは水平に張られた弦を90度縦にして、これまで見えなかった内側を強調した斬新なデザインにある。弦、ハンマー、ダンパーといった内部機構も見ることができ、音も直接に届けられる。また、ピアノと鑑賞者が正面に向き合うことが可能となり、演奏者の顔が隠れず、観客の表情を見ながら演奏ができる。前面のカバーを取り外せば、調律も容易だ。

Courtesy of Whipsaw

Courtesy of Whipsaw

外観は、ピアノならではの黒とメタリックな弦とのコントラストや、らせん状に弦が広がる構造により、エレガントな印象をもたらす。美しい音色だけでなく、形状や機構も含めて、鑑賞者に豊かな音楽体験を提供するピアノである。End

吉岡徳仁による香りのインスタレーション
「ISSEY MIYAKE LE SEL D’ISSEY:Imagination of Salt」が開催

東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3にて、展覧会「ISSEY MIYAKE LE SEL D’ISSEY:Imagination of Salt」が2024年8月28日(水)から9月8日(日)まで開催される。

三宅一生が「水」の香りを表現したフレグランス「ロードゥ イッセイ プールオム」を発表してから30年。ISSEY MIYAKE PARFUMSから、塩という自然のエレメントからインスピレーションを得た新たなコンセプトのフレグランス「ル セルドゥ イッセイ」が誕生した。

新作のボトルをデザインしたのは、自然や光をテーマとして多彩な作品を発表してきたデザイナー・アーティストの吉岡徳仁。また、本展では「根源的で普遍的なテーマに基づく、純粋で力強い香水の魅力を表現したい」という思いから、見る人の感覚を呼びさますダイナミックな香りのインスタレーションを展開する。

吉岡徳仁

さらに、彫刻的なフォルムのボトルのデザインプロセスを紹介するほか、フレグランスを手がけた調香師カンタン・ビシュ(Quentin Bisch)のインタビューを含めたスペシャル映像も展示。新たな香りから広がる、ISSEY MIYAKE PARFUMSの躍動的な世界観が体感できるだろう。End

ISSEY MIYAKE LE SEL D’ISSEY:Imagination of Salt
(イッセイ ミヤケ ル セルドゥ イッセイ:イマジネーション オブ ソルト)

会期
2024年8月28日(水)~9月8日(日)※会期中無休
開館時間
10:00~19:00
入場料
無料
会場
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
詳細
https://www.2121designsight.jp/gallery3/imagination_of_salt/

Kvadrat、サスティナブルなテキスタイルプロジェクトを発表
グラフィックデザイナーの長嶋りかこが参加

デンマークのテキスタイルメーカー Kvadrat(クヴァドラ)は、コペンハーゲンで2024年6月12日(木)から14日(金)まで開催されたデザインフェスティバル「3daysofdesign(スリーデイズオブデザイン)」で、サステナビリティをテーマにしたテキスタイルプロジェクト「ReThink」を発表した。同ブランドのコペンハーゲンショールームを舞台に、サステナビリティに対して先進的な考えをもつデザイナー12組が作品展示を行った。

クヴァドラは、あらゆる企業活動においてサステナビリティを掲げ、サーキュラリティ(循環性)を究極の目標に据えている。その実現に向け、耐久性と耐用年数を向上させたテキスタイル製品の開発や、再利用したテキスタイルやバイオ素材といった新しい技術の探求など、デザインやイノベーションを通じた革新的な取り組みを実践。サーキュラリティの実現には、生産者だけでなく消費者の理解や協力が必要であることから、その重要性を伝える啓発活動にも取り組んでいる。

今回のプロジェクトでは、各デザイナーやアーティストが、クヴァドラのリサイクル素材や循環素材を用いたテキスタイルから、ひとつないし複数の素材を組み合わせて作品を制作。リサイクル素材を使用したテキスタイルであっても、バージン素材と同様の高品質でカラフルなデザインが可能であることを紹介。作品を通してサステナビリティがいかにデザインを形づくり、新しい美的価値を育むかを提案した。

長嶋りかこ「Irreversible Scale」

長嶋りかこ「Irreversible Scale」

日本からは、グラフィックデザイナーの長嶋りかこが参加し、「Irreversible Scale」と題した作品を披露した。End

3daysofdesign「ReThink」

参加作家
Belén 「Fibre walls」
Christophe Guberan and Camille Blin「Augmented Curtain」
Fernando Laposse「The Good Shepherd」
Folkform「Tracing Water」
Fragmentario「Asignatura: Patineta」
Ian Markell「Chime」
Jenny Chou (Atlas)「Bana」
Leong Leong「K!puka」
Maxwell Ashford「Tag」
Patricia Urquiola「Octopoda」
Rikako Nagashima「Irreversible Scale」
Ýr Jóhannsdóttir「Mending Stones」
詳細
https://www.3daysofdesign.dk/exhibitors/kvadrat

現代中華圏のグラフィックデザインを知る一冊
「C-GRAPHIC INDEX 新世代中華圏グラフィックデザイナーの現在」

グラフィック社は、現代中華圏のグラフィックデザインの状況を紹介する書籍「
C-GRAPHIC INDEX 新世代中華圏グラフィックデザイナーの現在
」を、2024年8月8日(木)に発売した。著者は、デザイナー・キュレーター・エディターで、近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授の後藤哲也

市場開放とグローバル化により、急激な経済成長を遂げた現代の中華圏。2000年代以降は、多くの人が社会とテクノロジーの変化の影響を受けてきた。そのなかで、中華圏のグラフィックデザイナーたちは何に挑戦してきたのか。

同書では、繁体字文化圏(台北、香港、マカオなど)および簡体字文化圏(北京、南京、上海、杭州、長沙、広州など)、海外各都市と、15の都市で活動するグラフィックデザイナーを取材。56組のデザイナーたちから、彼らの姿勢や発想、そして実践を探るビジュアルドキュメントとなっている。

また、多種多様な実践だけでなく、その社会的背景や周辺事項についてもレポート。日本ではまだ十分に知られていない、東アジア圏のデザインがもつ可能性を知るための貴重な一冊だ。End

C-GRAPHIC INDEX 新世代中華圏グラフィックデザイナーの現在

著者
後藤哲也
発売日
2024年8月8日(木)
仕様
B5変形・並製・総264頁
定価
3,410円(税込)
詳細
https://www.amazon.co.jp/dp/4766138899/
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