熱中症。温度の感覚がなくなり、汗が出なくなる。

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先日、わたしは人生で初めて熱中症になった。最初は何なのかわからなかった。メディアでは一向宗のように熱中症熱中症とうるさいが、実際にどういう症状なのか、よく知らないのである。熱中症になった原因は、夜間に五キロくらいウォーキングをしたことである。筋肉としてはたいした負荷ではなかったが、汗を大量にかいた。そしてそのあと、38度とか39度くらいに発熱し、不思議と暑さはなく、汗も出なかった。ネットで検索して、汗が出なくなるのが熱中症の症状(のひとつ)という記述を見つけた。わたしはその時点でエアコンをオフにしていた。いつもはエアコンを付けているのに、温度の感覚が狂っていたから、エアコンを付ける必要を感じなかった。ようやくエアコンのスイッチを入れて、そして、身体を冷やすといいというから、タオルを濡らして、首の周りに巻いた。塩分と水分を補給した。それで何日かかけて体温も下がった。暑さを感じて汗をかくようになるまでに3日かかった。この3日間の印象としては、たとえば風邪でゴホンゴホンやっているよりは遥かに快適で、たいして痛痒を感じない病気であった。元に戻った現在では、恢復した感覚がこの猛暑に反応し、暑くて暑くて汗が出て煩わしく、とても過ごしづらい日々の復権というしかない。おそらく老人が熱中症でポックリ逝くのは、温度の感覚が狂ってしまったのだろうと思うし、暑くても暑くないし、それが苦しくないからそのまま死んだのである。わたしもディストピアからポックリと他界できるならそれでよかったのだが、生命という鎖だけが繋がれてしまうので、なかなか厭わしいところである。
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