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鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚

【きめつのやいば ひのかみけっぷうたん】

ジャンル対戦格闘ゲーム


対応機種プレイステーション5
プレイステーション4
Xbox Series X/S
Xbox One
Windows(Steam)
Nintendo Switch
発売元【PS5/XSX/PS4/One/Switch】アニプレックス
【Win】セガ
開発元サイバーコネクトツー
シナリオ工房月光
他多数
発売日【PS5/XSX/PS4/One/Win】2021年10月14日
【Switch】2022年6月9日
定価【PS5/XSX/PS4/One/Win】8,680円
【Switch】7,480円
【限定版】
 フィギュアスタンド付き数量限定版:1,6980円
 限定版:9,990円
プレイ人数1~2人
レーティングCERO:C(15才以上対象)
判定なし
ポイント社会現象化したヒット作をゲーム化
アニメに負けず劣らずの高品質な演出
参戦キャラ選出の偏りは事情を踏まえても不満寄り
少年ジャンプシリーズ


概要

2016年に週刊少年ジャンプで連載開始され、2019年にテレビアニメ化され社会現象化した漫画作品『鬼滅の刃』初のゲーム化作品。
原作は2020年に完結していながらその後も根強い人気を誇り、累計発行部数は1億5000万部を誇る令和最大のヒットを記録。テレビアニメは90ヵ国で配信されるなどモンスター級のヒットコンテンツとなった。
そんな中、2020年3月22日にオンライン配信された『鬼殺隊報』内で突如本作の世界初公開映像が公開された。初報と同時に発売はアニメ版の配給会社でもあるアニプレックスが担当すると公表され、開発は『NARUTO疾風伝‐ナルティメットストーム‐』などの版権ゲームで定評のあるサイバーコネクトツーが担当し、翌年2021年10月14日に発売となった。


ゲームモード

ヒノカミ血風譚

  • 本作のストーリーモード。アニメ版第一期の『竈門炭次郎立志編』と劇場版『無限列車編』を収録している。
    • 過去にサイバーコネクトツーが開発した『NARUTO疾風伝‐ナルティメットストーム4‐』と同様に複数の章に分けられており、章ごとに配置された様々なマスを選択する事によってアニメ版の物語を追体験する事が出来る。以下はマスの概要。
    • 物語 :所謂ストーリーモード本編。一般的なRPGと同様にフルボイスのイベントシーンを見ながら3Dで表現されたフィールドを駆け巡り、各章で起きる鬼にまつわる怪異を解決していくのが目的である。後述の「キメツポイント」や「想いの欠片」の収集等のやり込み要素がある。
      • 道中で雑魚鬼と遭遇する場合もあり、戦闘が始まると対戦モードのバトルステージに移行する。クライマックスではボスが待ち構えており、迫力のあるバトルが展開される。
      • また、戦闘に敗北しても体力全回復した状態でその場で復活出来るコンテニュー機能*1が実装されており、格闘ゲームの苦手な人でも詰まることはない。
    • 想いの欠片 :アニメ版の場面写真を見ながら追体験していくモード。3Dの表現は一切使われずに、本作に出演する声優陣のナレーションを聞きながら読み進めていくサウンドノベル形式で進行する。サイバーコネクトツーが同時期に開発していた『戦場のフーガ』のイベント進行に近く、マスの解禁する為には物語パートの道中で入手した「想いの欠片」が必要となる。また、一部のマスには通常の想いの欠片とは異なる「 想いの欠片劇場 」と題したアニメ版の次回予告風の掛け合いが用意されている。
    • 特別任務 :特定の物語マスをクリアすると解禁される特殊なバトル。対戦モード同様に使用するプレイアブルキャラクターを選択し、そこでしか登場しない本作オリジナルの鬼と戦う事が出来る。
  • 場面切り替え時には少し長めのローディングを挟むが、画面中央に原作オマケページである大正コソコソ話が引用されており、原作に疎いアニメ派のプレイヤーでも楽しめるファンサービスもある。

対戦

  • 本作のもう一つのメインモード。ストーリーモードで解放したキャラクターを選択し、自由に対戦する事が出来る。
    • 人数分のコントローラーを接続して対戦する事の出来るオフライン対戦は勿論の事、ネットワークに接続して世界中のプレイヤーと対戦する事も可能。格闘ゲームでお馴染みのプラクティスモードも実装されている。
      + 参戦キャラクター
    • 竈門炭治郎
      • 本作の主人公であり、 長男 。水の呼吸を習得している鬼殺隊の『癸』隊士であり、技の発生速度が速い『水車』や『滝壺』を使う事が出来る。特に『水車』は前進しながら技を使えるので、離れた相手に対してでも有効なので使いやすい。特別衣装ではアニメ版序盤で着ていた着物(普段着)や髪を伸ばした修行時の姿などがある。
    • 竈門禰豆子
      • 炭次郎の妹であり鬼になった竈門家の長女。鬼である為、対戦モードでは夜のステージでしか使用する事が出来ない。主な攻撃方法は爪によるスラッシュ攻撃と格闘技であり、他のキャラよりも攻撃力が高いのが特徴。ただし、技の発生速度が遅く、隙が大きいのが欠点。炭次郎や義勇等のスピード重視のキャラとの相性が悪い。
    • 我妻善逸
      • 炭次郎と同期の『癸』隊士であり、作中屈指のネガティブ男。原作の設定通り戦闘時は人が変わったかの様な睡眠状態で常に戦うので、通常時のネガティブ状態を見れるのはストーリーモードのイベントシーンのみ。雷の呼吸の使い手で、遠距離からの攻撃を得意とする。技ゲージを消費して発動出来る『霹靂一閃』は一度当ると最大5連撃当てる事が可能である。特別衣装では羽織を取った姿を見る事が出来る。
    • 嘴平猪之助
      • 同じく炭次郎と同期の『癸』隊士であり、猪の被り物をした『猪突猛進』のバトルジャンキー。特殊な攻めに特化した技が多く、『狂い裂き』による5段階攻撃や追加ダッシュによるガード崩しを得意とする。戦闘スタイルは日輪刀による斬撃と格闘技であり、アニメ版14話で披露したカポエイラ蹴りも再現されている。特別衣装では、猪の被り物を外した美顔を見る事が出来る。
    • 冨岡義勇
      • 炭次郎の恩師であり、同じ水の呼吸の使い手である現・『水柱』。一部技構成は炭次郎と同一だが、特殊技『拾壱ノ型 凪』はカウンター技であり、コンボタイマーが長めなので戦況を逆転しやすい技となっている。奥義『拾壱ノ型 凪・波折り波濤』は必殺技ゲージが多い程、相手に与えるダメージが多くなる。
    • 鱗滝左近寺
      • 炭次郎の育手であり、原作・アニメ版共に引退した筈の彼がまさかの参戦。一部の技構成は炭次郎と同一だが、『水車』は長押しで攻撃を変化させて効果時間を長くできる分、技の出が遅くなっている等デメリットも兼ね備えている。また、攻撃技で豪快な蹴りが入っていたり、 何故か竹や岩を発生させて攻撃したり出来る 等、技構成の面で若干の違いはある。奥義『捌ノ型 滝壺・壊』では白黒映画風の画面となり、水の呼吸で一閃する。特別衣装では現役時代の黒髪だった姿を見る事が出来る。
    • 錆兎
      • かつて鱗滝の弟子だった狐のお面を付けた青年。実は本作の初回起動時に挿入されるチュートリアルで炭次郎が初めて手合わせする相手である。プレイアブルキャラの中でも、ダントツで技の発生速度が速く、技の競り合いで優位に立ちやすいのも特徴である。
    • 真菰
      • 錆兎と同じくかつて鱗滝の弟子だった少女。原作・アニメ版でも、炭次郎に刀の扱いを教えただけで戦闘描写が無かった為、炭次郎のモデル替えキャラとしての参戦となる。キャラ性能としてはスピード特化と言った感じであり、コンボを繋げやすいのが特徴。ただし、他のキャラに比べて技の攻撃力が低いのが欠点である為、地道にヒット数を稼いでいくのが主な戦法となる。
    • 胡蝶しのぶ
      • 5章『那田蜘蛛山』で参戦した現・『蟲柱』。による状態異常の攻撃が特徴であり、六連突きや俊足突きのコンボで相手を先制できる。特別衣装では 何故か原作・アニメ版にも無かった羽織にスクール水着 を着る事が出来る。
    • 村田
      • 原作・アニメ版1期でも極一部のシーンしか登場せず、本作でも『想いの欠片』で隊服を溶解され、全裸になったシーン以外しか出番が無い脇役隊士が何故か参戦。基本的な技構成は炭次郎と同一だが、技の数が極端に少ないと言う低性能さが目立つ。奥義発動のムービーでは、止めの一撃を与えようとするものの、勢い余って転倒してしまい、体ごと相手に衝突してしまうと言う妙な攻撃方法となっている。
    • 煉獄杏寿郎
      • 8章『無限列車編』で最大のキーパーソンとなる現・『炎柱』。最大の火力を持つ『炎の呼吸』の使い手であるせいか、『炎虎』や『気炎万丈』等の多数のコンボ技が使えるのが特徴である。ただし、『昇り炎天』等の一部の技は大振りである為、命中するのに失敗すると隙が出来てしまう等の欠点がある。
    • 竈門炭次郎(ヒノカミ神楽ver)
      • 5章『那田蜘蛛山』の累戦で覚醒した炭次郎の別バージョン。通常の水の呼吸を使う炭次郎とは技構成も性能も全く異なる為、ほぼ別物のプレイアブルキャラと言っても差し支え無い。コマンド技である『瞬転切り』は同じコマンドを続けて入力すると、無敵時間が消える代わりに相手のガードを崩す技へと攻撃を変化させると言う性能を持つ。
    • 竈門炭次郎(キメツ学園ver)
      • フランスパンを焼く事を得意とする炭治郎が参戦。武器は木刀。必殺技のムービーでは腕を高速回転させながらフライパンを焼き、ヒノカミ神楽の如く吹き出るガスコンロの火を噴きあげて相手を焼き尽くす。
    • 竈門禰豆子(キメツ学園ver)
      • 竹筒では無く兄の焼いたフランスパンを加えている禰豆子が参戦。武器は本編同様に使わず、格闘技で戦闘を行う。必殺技のムービーでは、『むっむーん』と逆上して通学カバンを振り回し、相手を星にしてぶっ飛ばす。
    • 我妻善逸(キメツ学園ver)
      • 風紀委員の姿をした善逸が参戦。武器は箒。ただし、本編と同様に普段のネガティブ状態ではなく睡眠状態での参戦となる。奥義演出のムービーでは唐突に服装チェックを始め、武器を持った相手に対して逆上した勢いで殴りつける。
    • 嘴平猪之助(キメツ学園ver)
      • カッターシャツに上半身裸の猪之助が参戦。本編とは異なり猪の被り物は被っておらず、美顔での参戦となる。武器は二刀流のバット。奥義演出のムービーでは『プロレスの時間だ!』と叫び、締め技やブレーンバスターを繰り出し、カウントと共に勝利宣言する(何故か背後に爆発)。
    • 冨岡義勇(キメツ学園ver)
      • ジャージ姿の教師・冨岡が参戦。武器は学園炭次郎と同様に木刀。奥義演出のムービーでは『後で生徒指導室に来い!』と啖呵を切りながらも無視されてしまい、ショックを受けつつ『何か言ったらどうだ!』と豪快に平手打ちをする。
    • 胡蝶しのぶ(キメツ学園ver)
      • フェンシング部に所属する女子生徒のしのぶが参戦。武器はレイピア。奥義演出のムービーではレイピアで相手を一突きすると同時に、密かに隠し持っていたフラスコを相手に渡し爆発させる。
    • + 無償アップデートで参戦するキャラクター
      • 炭治郎が初めて戦った十二鬼月であり、十二鬼月・下弦の伍。実質的な配下である家族3人はストーリーモードのボスバトルのみの参戦であり、対戦モードでも使用出来るのは彼のみとなる。蜘蛛糸を使った遠距離攻撃を得意とし、相手を拘束しながら体力を削っていくのが主な戦法である。ただし、蜘蛛糸の攻撃力自体は低く、糸射出後も隙が大きいので接近戦を得意とする相手との相性が悪い。
    • 猗窩座
      • 無限列車崩壊後に突如として現れた十二鬼月・上弦の参。遠距離や空中で後退しながら攻撃できる「空式」や範囲内に入った敵にカウンターする「破壊殺・羅針」など場面に応じて使い分けできる技が多いという点が特徴となっており、闘気を放出する遠距離攻撃と接近格闘の両方を兼ね備えたアタッカーである。反面防御力は最低クラスである為、長期に渡る戦闘には不向き。
    • 矢琶羽
      • 3章の浅草襲撃時に朱紗丸と共に現れた盲目の鬼。『矢印』を飛ばし、相手を拘束したまま投げ飛ばすと言う血鬼術の能力を上手く生かした戦い方を出来るのが特徴である。また、矢印には飛び道具を無効化する特性が備わっており、猗窩座や累等の遠距離主体のキャラと戦えば優位に立てる。
    • 朱紗丸
      • 3章の浅草襲撃時に矢琶羽と共に現れた毬使いの鬼。原作・アニメ版の様に投げた毬の反動を生かして攻撃するのではなく、弾幕の如く無数の毬を飛ばして攻撃すると言う戦闘スタイルに変更されている。その為、ヒット数に関してはトップクラスの性能を持つが、反面、毬自体の攻撃力は低めに設定されている。
    • 魘夢
      • 8章で無限列車に寄生した下弦の壱。原作・アニメ版では変貌後の内臓の塊の様な醜い姿で炭治郎と猪之助と戦い、一人も人間を食う事無く見事に敗北したが、本作の対戦モードでは人型時の形態で参戦となる。その為、内臓を出現させて触手の様に飛ばしたり、手から波動の様な物を飛ばしたりする等、本作オリジナルの技で戦う事になる。
    • 愈史郎・珠代
      • 原作・アニメ版でも完全に非戦闘員だった炭治郎の協力者2人が何故か参戦。唯一の2人1組での参戦と称されていても、珠代は一部の技のエフェクトとして登場するのみであり、実際の戦闘は愈史郎一人で行う事となる。戦闘スタイルとしては徒手空拳の格闘技で攻めるのが特徴の他、血鬼術による封殺技も使用できる。
    • 褒賞盤

      • 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』における「クリアチェッカー」に近い実績システム。ゲーム内で特定の行動を起こすと実績が解除され、様々な特典が入手出来る。
        • また、アクションゲームが苦手なプレイヤーの為の救済措置としてストーリーモード内の物語マスで入手した『キメツポイント』を消費する事でも解放する事が可能。
          • プレイアブルキャラクターのモデリングを変更できる「 衣装 」や、アニメ版の様々な場面写真を入手出来る「 隊士票台紙 」等様々な特典を獲得出来る。また、後者はオンラインに参加する時のプレイヤーカードの役割も兼ねており、任意で場面写真を選択する事が可能である。

隊士記録帳

  • ゲーム中で入手した特典を閲覧する事の出来るモード。習得率のパーセンテージが表示され、100%コンプリートを目指すとなるとかなりの力量が求められる。

戦術指南

  • 所謂ミッションモード。指南を引き受けてくれる隊士を指名し、キャラごとに様々な課題が用意されている。課題を達成するとキメツポイントを入手する事が出来る。開始前にキャラの心情を綴ったオリジナルのセリフが聞けるのも特徴であり、殺伐とした任務ではなく指南役を引き受ける事に対してのキャラクターそれぞれの心情がうかがえる。ただし、文字通りの「戦術指南」であるため禰豆子と愈史郎以外の鬼側のキャラクターの指南を受ける事が出来ない。

遊戯指南

  • 文字通り本作の遊び方が記されている説明書に近いモード。

評価点

アニメ版の再現度の高さ

  • アニメ版権のゲーム化では右に出るものは居ない程の技術力を持つサイバーコネクトツーが開発を担当しただけあって、アニメ版『鬼滅の刃』の世界観を余すこと無く再現している。
    • 特筆すべきなのはグラフィックであり、同社の『NARUTO疾風伝‐ナルティメットストーム‐』はアニメ絵には近いもののややモデリングに粗があったが、本作はそちらよりも元絵の再現度が格段に向上しており、実際のアニメ本編と比較しても遜色無い位の正確さで再現している。
    • アニメ版の特徴を細かな部分まで再現したトゥーンシェーダーや、「unreal engine4」の技術力を駆使した呼吸法の美麗エフェクト等、技術力に関しても特筆すべきところがある。シリアスなシーンだけではなく原作・アニメ版の持ち味であったコメディシーンの崩し顔まで3Dのフェイシャルモーションで表現しており、プレイアブルとして使用できるキメツ学園勢(後述)の必殺技に腹筋崩壊されたプレイヤーも少なくは無いはず。
  • 単なるアニメ版の再現に留まらず、ゲームならではのメディア性を生かしているのも魅力の内の一つであり、2章の連続女性消失事件では実際に大正の街並みを歩きながら聞き込みをして事件解決の糸口を探っていくと言う、ADVの要素も取り入れられている。これにより、「プレイヤーが実際に鬼殺隊の立場となって物語を体感していく」と言う本作にしかない楽しみ方ができる。
    • 勿論、アニメでも表現された出血・グロ描写も余す事無く3Dで再現しており、本作のレーディングはCERO:C(15歳以上対象)となっている。

格闘ゲームとして高い完成度

  • 本作は『鬼滅の刃』の世界観を生かした独自のゲーム性を実装している事が大きな魅力であり、お馴染みの鬼殺隊が使う呼吸法や鬼が使う血鬼術を簡単操作で繰り出せるため、格闘ゲームの操作が苦手な初心者でも楽しめる設計となっている。
    • その為、人脈での繋がりを最も強みとしている鬼殺隊側には 共闘ゲージ が実装されており、最大まで溜めるとプレイアブルキャラを変更する事が出来ると言う戦略性に長けたバトルを楽しむ事となっている。
    • 一方で、人脈での繋がりを必要としない鬼側には共闘ゲージが実装されておらず、一定数の攻撃をヒットさせると最大で特殊技ゲージが二段階まで溜まる仕様となっており、ゲージを消費する事で鬼にしか使えない特殊技が発動可能となる。

賛否両論点

参戦キャラクターの偏り

  • 本作は参戦キャラクターが31人(無償アップデートとDLC含む)と多いが、キャラの人選に偏りがある事には賛否が分かれている。
    • 柱は義勇と煉獄としのぶの3人+1人*2だけで他の柱はプレイアブルとしては参戦しない。これは本作がテレビアニメ一期と劇場版の再現を目的としている為、一期で戦闘描写が無かったキャラはプレイアブルから除外されたからだと察する事が出来る。
    • なのに 原作・アニメ版共にまともな戦闘描写が無かった愈史郎・珠代のタッグ、鱗滝、村田、真菰の5キャラがプレイアブルで参戦する と言う不自然な扱いを受けている。作中では既に引退し、育手に回っている高齢の鱗滝が参戦しているのは若干優遇気味*3に感じる。村田に関しては完全に脇役に過ぎないキャラなので違和感が強い。
    • ただし、本作で最も批判されているのは 参戦キャラクターの内の6人が原作のスピンオフ『キメツ学園』のキャラである事 。原作・アニメ版と一切繋がりの無いパロディ作品で登場する彼らがプレイアブルの枠に入っているのは違和感しかなく、性能は元ネタのキャラと同一で、必殺技のムービーが異なるだけである。なぜかアニプレックスのYouTubeチャンネルでは参戦PVも用意されている位優遇されている。
    • 本作には褒賞盤で入手出来る特典でプレイアブルキャラの衣装を入手する事が可能だが、「衣装の枠に留めてプレイアブルの枠を使って参戦する必要は無かったのでは?」と疑問を感じずにはいられない。
  • 鬼側も多数参戦しているが、対戦モードでプレイアブルとして使えるのは半数のみであり、手鬼や響凱、累の家族等はボスバトル限定のキャラと言う扱いとなっている。手鬼は巨大故に対戦モードで参戦させる事が出来ず、響凱は血鬼術の能力上、屋敷の中でしか戦闘出来ない等、参戦が叶わなかったキャラは格闘ゲームの仕様と嚙み合わなかったと察する事が出来る。
  • そもそもギャグ枠は要らない 」「キメツ学園組やまともな戦闘描写が無かったキャラを出して水増しするぐらいならテレビアニメ一期と劇場版だけの再現にこだわらずに柱をもっと出すべき」という意見も理が無いわけではないが、開発期間や発売時期の関係もあるため仕方ないところではある。

問題点

値段に見合わない致命的なボリューム不足

  • 本作のストーリーモードは全8章で構成されているが、物語マスと特別任務マスが実質的なゲーム部分であり、ストーリーモードの3分1を占める想いの欠片マスはサウンドノベルのようなもので、ゲーム要素はない。
    • ただし、想いの欠片はゲーム内での収集要素の内の一つであり、マス選択画面で解禁する事によってアニメ版では明かされなかったキャラの心情が綴られるので、視聴目的でやり込むとなるとそれなりのプレイ時間を要する。
    • 本編を追体験する事となる物語マスも「3Dのフィールドを歩く」⇒「イベントを進行させる」⇒「戦闘パートに突入して鬼と戦う」の繰り返しであり、ゲーム内で出来る事はそこまで多くなく、ストーリークリアまで10時間程しか掛からない。
      • 特に6章の柱合会議と7章の機能強化訓練の物語マスは戦闘が発生せず、3Dのアドベンチャーパートのみで進行する。その為、他の章よりもボリューム不足感が強く、オリジナルの展開も実装されていない。ただし、7章終盤のカナヲとのお茶掛け機能強化訓練のミニゲームは一定のスコアを出さないと物語が進行しない為、実質的なボスバトルに該当する。
    • トリである8章の無限列車編は3Dのアドベンチャーパートと戦闘の両方が実装されているが、アドベンチャーパートは駅のホームと列車内と炭治郎の夢の中を直線状に進むだけであり、探索要素は殆ど無い。バトルも雑魚鬼とのバトルは行われず、魘夢と猗窩座のボスバトルのみである。
      • 一番盛り上がる最終章であるにもかかわらず、かなり端折られて感が強く、元となった劇場版では炭治郎・猪之助・善逸の3人の視点で描かれるが、本作では炭治郎の視点のみ。カットされた猪之助と善逸は想いの欠片の補完のみで描かれるのでやや駆け足気味である。
+ 物語の結末について
  • 本作のストーリモードの結末は原作にもアニメにも無かったオリジナルの展開が挿入され、 猗窩座を逃した炭治郎が満身創痍で倒れ、夢の中で杏寿郎と戦う と言う説明の無い超展開となっている。そして、炭治郎が目覚めると蝶屋敷に運び込まれており、数日後に全快した後に何事も無かったかのように鬼狩りの任務に出掛けると言う所で幕を閉じるが、何故杏寿郎と戦う事になったのかは一切説明が無く、突然夢の中で現れた杏寿郎も完全に無言。見方によっては「炭治郎が満身創痍の中で杏寿郎と戦う夢を見た=夢オチ」とも取れる締め方となっている。
  • 隊士記録帳は完全なオマケ要素であり、獲得した衣装やBGMを閲覧・視聴出来るライブラリである為、やはり本作がファンアイテムの側面が強い事を強調している。
    • また、収集要素の内の一つにアニメ版の場面写真が描かれた「隊士票」があるが、結局のところアニメ版から切り取ったものでしかないので、あまりありがたみもない。収集する意義を見出せるかは微妙なところである。

総評

世界的ヒットを巻き起こしたアニメ版『鬼滅の刃』の初のゲーム化だけあって、対戦格闘ゲームとしての完成度は非常に高い。
演出面もアニメで再現されたシーンや技の数々全てが上手く描かれ、その名に恥じない出来である。
一方でストーリーモードのボリューム不足や、版権ゲームの宿命と言うべき参戦キャラの不自然な偏りなど、問題点が目立つ部分も多く見られる。


余談

  • 数量限定版に付属するマルチスタンドフィギュアは炭次郎・猪之助・善逸の3人がデフォルメされたフィギュアとなっており、様々な物を担がせる事が出来ると言うコメディチックな仕上がりとなっている。造形自体も16800円に相応しい出来なので、ファンアイテムとしての価値は高い。
  • 本作の制作総指揮を務めた松山洋が原作を務めるゲーム業界を題材にしたWEB漫画作品、『チェイサーゲーム』の第5巻132ページで本作のゲーム化に至った経緯が描かれている。2024年現在では該当ページの公開は終了しているが、電子版と書籍版が販売されているので、興味のある人は購読してみるのも良いだろう。

その後の展開

  • 2024年4月25日には本作の3Dグラフィックを流用したボードゲーム『鬼滅の刃 目指せ!最強隊士!』(Switch)が発売。発売はアニプレックス、開発は本作同様サイバーコネクトツーが担当している。

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要強化
最終更新:2024年08月25日 13:39

*1 ペナルティとしてリザルト画面での評価が下がる

*2 追加パックで対戦モードのみ参戦する宇随も含んだ場合

*3 序盤の重要人物として存在感を放ち、『判断が遅い』等の名言を生み出している為、キャラ人気は高い