【ライブ予定】空幕長会見 中国軍機の領空侵犯 政府が厳重抗議
26日、中国軍機による日本の領空侵犯が初めて確認され、政府は中国側に極めて厳重に抗議し、再発防止を求めました。閣僚や与党からも「主権の重大な侵害だ」と、抗議する発言が相次いでいます。
【ライブ配信予定 航空幕僚長会見】
長崎県五島市の男女群島の南東沖上空では26日、中国軍のY9情報収集機1機が日本の領空内を飛行し、中国の軍用機による領空侵犯が初めて確認されました。
外務省の岡野事務次官は中国大使館の施泳臨時代理大使を外務省に呼び、極めて厳重に抗議するとともに再発防止を強く求めました。
また、鯰アジア大洋州局長も、東京都内で会談した中国外務省の劉勁松アジア局長に抗議しました。
林官房長官「主権の重大な侵害 極めて厳重に抗議する」
林官房長官は27日の記者会見で「主権の重大な侵害であるだけでなく安全を脅かすもので、全く受け入れられない。極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めた」と強調しました。
その上で「中国軍機の行動や意図、目的などについて確たることを答えるのは控えるが、わが国周辺での軍事活動は拡大、活発化の傾向にある。強い関心を持って注視し、警戒・監視と対領空侵犯措置に万全を期す」と述べました。
また日中関係への影響については、具体的な言及を避けつつも「建設的かつ安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めていくのが岸田政権の一貫した方針で、さまざまなレベルで意思疎通を行う」と述べました。
一方、2023年に運用を開始した日中両国の防衛当局間のホットラインが活用されたかについては「事柄の性質上、答えを控えたい」と述べるにとどめました。
木原防衛相「警戒・監視 対応に万全を期す」
木原防衛大臣は記者会見で「近年、中国によるわが国周辺での軍事活動が、ますます拡大・活発化している傾向がある。中国軍機の行動の意図や目的は分析しなければならないが、現時点で、確たることを答えるのは困難だ。防衛省・自衛隊による警戒・監視を含め、対応に万全を期していく」と述べました。
上川外相「日本の領土 領海 領空 断固として守る」
上川外務大臣は、記者会見で「主権の重大な侵害であるだけでなく、安全を脅かすものであり、まったく受け入れることはできない」と述べました。
その上で「わが国としては、日本の領土、領海、領空を断固として守るという決意のもと、主張すべきは主張しつつ、今後も冷静かつきぜんと対応していきたい」と述べました。
自民 渡海政調会長「日中両国の緊張を高める」
自民党の渡海政務調査会長は党の会合で「日中両国の緊張を高めるもので誠に遺憾だ。厳重に抗議したい。政府には引き続ききぜんとした対応と国民の安全確保に万全を期すことを求めたい。政務調査会としても政府と緊密に連携し、事態を注視したい」と述べました。
防衛省幹部「日本の権益侵そうとしているか」
今回の領空侵犯について、防衛省幹部の1人は「中国の海軍や海警局が日本の領海に侵入したことが相次いで確認されている中、空と海の双方で、日本の権益を侵そうとしているのではないか」という見方を示しています。