三桁の掛け算を暗算でしようと思うと、多くの方が苦戦するはずです。
しかし、計算式によっては、工夫することで暗算での計算が可能になることもあります。
そこで今回は、三桁の掛け算を工夫して計算してみましょう。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
286×998
通常の筆算で求めようとすると、少し大変な計算になりそうです。
どのように計算をすればよいでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「285,428」です。
今回の問題では、以下のように計算をします。
286×998
=286×(1000-2)
=286×1000 - 286×2
=286,000 - 572
=285,428
「×998」という計算は手順も多く、簡単には求めることができません。
一方「×1000」のような計算は簡単です。
元の数に0を3つ付け加えるだけで答えになります。
そこで「998」を「1000-2」と考えましょう。
つまり、元の式は次のようになります。
286×998
=286×(1000-2)
次に、分配法則を用いてカッコを外します。
分配法則というのは、次のような法則です。
a×(b+c) = a×b + a×c
通常はカッコの中から計算しなければいけませんが、カッコを外して「×a」を分配するように計算しています。
これを今回の問題に適用すると
286×(1000-2)
=286×1000 - 286×2
となります。
それぞれの掛け算は以下のように計算できます。
286×1000 = 286,000
286×2 = 572
以上より、
286,000 - 572=285,428
となり、これが答えです。
通常の筆算の計算をするよりも、手順が大幅に減って、計算しやすくなっていることが分かります。
このような工夫の積み重ねで、計算力が磨かれます。
まとめ
今回は三桁の数の掛け算について解説をしました。
特に「998→1000」のようにキリのいい数に近いときに利用できます。
ぜひ日常生活でも利用してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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