話の肖像画

作詞家・演出家 奈良橋陽子(4) 朝ドラのヒロインを発掘

 「マッサン」のヒロインを選ぶポイントにしたのは、まず日本人が好みそうな米国人ということ、さらに準備も含めると1年近い長丁場である朝ドラの膨大なスケジュールをこなせる強さがあるかということ、そして何よりしっかりとした演技力を持っていることでした。彼女はそれらすべてをクリアしていました。

 偶然ですが、彼女が演技指導を受けていた講師が私の演劇学校の先輩でした。早速連絡し、彼女についての意見を聞き、大いに参考にしました。

 ただ、当時のシャーロットは日本語がまったくできなかった。だからオーディションに臨むに当たって、日本語の特訓を相当しなければならなかったんです。私やスタッフも手助けし、オーディションのために彼女が来日する際、ロサンゼルスで初めて対面したときも、空港で飛行機の時間ギリギリまで一緒に日本語の特訓をしましたね。

 その後、彼女を含め数人に絞られた候補者で最終オーディションが行われ、晴れてシャーロットはヒロインのエリー役に選ばれたんです。

会員限定記事会員サービス詳細