ノート一冊、鉛筆三本...日常の世界にあふれているのは正の数です。では、負の数は?と言うとイメージしづらく、イマイチ苦手という人もいるかもしれません。
しかし、負の数は必ずしも日常の生活とかけ離れた存在ではありません。
今回の問題を通して、負の数の計算をイメージできるようになってみませんか?
問題
次の計算問題を解いてください。
-100-(-100)-1/2×100
解答
正解は、-50です。
負の数がたくさん出てきてよく分からなかった、という人はぜひ次の「ポイント」を確認してください。
日常生活の中で負の数の計算をイメージできるよう解説していますよ。
ポイント
今回の問題のポイントは、負の数の計算ルールです。
改めて、問題の式を見てみましょう。
-100-(-100)-1/2×100
最初のハードルは、-(-100)という負の数の引き算ですね。
負の数の引き算のルールはただ一つ、足し算として計算することです。
-(-●)=+●
つまり、-(-100)は+100と同じことなのです。
よって、計算過程は以下のようになります。
-100-(-100)-1/2×100
=-100+100-1/2×100
=0-1/2×100
「負の数を引くと、プラスになるなんてイメージがわかない!」という人はこう考えてみてください。
負の数というのは、全体をマイナスにする存在です。例えば、スーパーでの負の数は「100円引き」と書かれたシールのようなものです。この値引きシールはお惣菜の値段を-100円してくれるありがたい存在です。
しかし、あなたが値引きシールのついたお惣菜を手に取ったとき、店員さんが慌ててやってきて「ごめんなさい!この商品の値引きはまだでした」と値引きシールをはがしてしまったらどうでしょうか。
お惣菜の値段は100円値引きされた値段から、+100円分上がって元の値段に戻ってしまうでしょう(負の数の引き算=足し算)。結果、値引き額は0円になります。
先ほど計算した-100-(-100)は、まさにこの値引きシールの事例と同じ状態を示しています。最初の-100を次の-(-100)で打ち消しているのです。
このようにイメージすれば、負の数の計算ルールも理解しやすくなるのではないでしょうか。
では、次に-1/2×100を計算しましょう。
0-1/2×100
=-1/2×100
=-100/2
=-50
負の数×正の数の掛け算の結果は、負の数になります。これは、掛けられる負の数が掛けた数の分だけドンドン増えていくイメージを持ちましょう。
例えば、たった-1/2円の値引きシールでも100回貼られたとしたら、-1/2-1/2-1/2...と値引き額が加算されていくでしょう。
こう考えれば、-1/2×100=-100/2の計算もイメージしやすいですよね。
まとめ
今回は、負の数の計算ルールに焦点を当てた問題に挑戦しました。
負の数というと日常からかけ離れたような印象があるかもしれませんが、具体的なイメージをもって計算ルールを確認すると覚えやすくなりますよ。
計算ルールを覚えたら、後は実践あるのみ。
ぜひ他の負の数の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
負の数の計算にもう一問挑戦!