私は学校のいち職員ですが、デザインのスキルがあるため、広報部員として対受験生や対外への新聞広告などのデザインも手掛けています。
そのため、ここで示す広告は、依頼主がいて金銭が発生して手掛けるものとは毛色が違いますので、そこだけ念頭に置いていただければ幸いです。

最近は画像生成AIで出力した画像を活用することが増えてきました。

以前は学生の写真をできる限り使っていました。
学校によってはモデルさんをわざわざ雇って、制服を着せて写真撮影するところもあるようですが、うちではそんなことできません。
行事や部活動、なんらかの記録写真の中からいい写真を選んでなんとか体裁を保っていたのですが、やはりなかなか難しいんです。
勤務校は男子校なので、男子らしいカッコいい写真というとついつい運動部の試合中の写真などになったりします。キリっとしてかっこいいから。
また、近年はコロナ禍でどうしてもマスクの写真が多くなってしまう。宣材用の写真では外してもらっていましたが、やっぱり作り物の写真と、行事内であふれた笑顔だと惹かれるのは後者だったりするんですよね。

そんななか、Microsoft  Designerを使うようになって、きれいな画像が生まれるようになると「これを使ってみようかな？」と思いました。
学ランはなかなか生成が難しいのですが、夏服の半袖Yシャツなら何とかできそう！そんな感じでうちの生徒で思いつくままにプロンプトを入れたのがこちらです。

残念！ボタンダウンじゃないんだな。でもそれくらいだったらPhotoshopでちょっと消しちゃえばいいので問題ありません。文学少年を作りたかったのではないですが、最初にできたのがこちらでした。
そこから試行錯誤していって、トップ画像にあるものになります。

ただ生成AIで画像をつくって楽しむのもいいんですが、やはりそこから発展させていく、というのが非常に重要だと思っています。
まずは文字で、プロンプトでこういうものを画像で出してほしいとAIにお願いをする。素敵な素材ができあがったら、それをもとに様々なものと組み合わせて、もっと魅力的なものにする。
じつはこれって、今大流行中のCanvaでも一緒だと思うんです。
みんなテンプレートで素敵なものを見つけてきて、自分の写真をいれて、オリジナリティが欲しいから素材から素敵なものを引っ張ってきて組み合わせますよね。まるでデコレーションとか、そんな感覚でデザインしていると思うのです。
その素材の一つが画像生成ＡＩで生まれたものだからといって何か問題があるのかなぁと思います。もちろん、画風が●●さんのにまるでそっくり！だったら大問題なのでそこはファクトチェックというかクロスチェックは必ず行います。
というか、ＭＳ Designerについては最近生成ＡＩ顔というのがあるなーと分かってきました。目に感情がないというか、きれいすぎるというか。パターンが決まってきているなと感じています。

今でもデザイナーの皆さんが様々なTipsをWebで公開してくださったりSNSに投稿してくださって、私も何度助けられたかわかりません。でも、小難しいことしなくても、そこに手間をかけるならブラッシュアップに力を入れよう、そのための生成AI！という時代になってきていると感じています。
ご自身の画風や、確固たるイメージがある方はどんどん貫いていけばいいと思います。イラストのイメージに名前がイコールでつけば、たとえ似た画像が生成されたとしても「これは●●さん風じゃないか」といわれる高みまで行ってしまえばいいと思うのです。
SNSで生成AIに学習されたら私の絵の価値がなくなる！と憤っている絵師さんがたくさんおられますが、皆さんだって、憧れの絵師さんや漫画家さんなどから「学習」して今があるのではないのですか？
線画は黒じゃなくていい・光の表現はこうしたらいい・眼のかきかたはこうしたら今っぽい。。。それは誰かの発明を「わー！素敵！」と取り入れて、さらに自分の色を加えてみた、というのもあると思うんです。
ゼロ→イチじゃなくてイチ→イチα、βみたいな感じで。
だから、画像生成AIだってやっていることは同じことだと思うのだけれどなんで怒っているのかな？と本気で疑問に思っています。
言いたいことはわかるんです。手間暇かけて描いたものを「パクられた」というのは絵師界隈ではずっと前から敏感な、繊細な問題ですものね。でも、どこかで目にしたものは記憶の片隅に残っていて、カッコいいキャラクターのポーズが実はアイドルのポスターと似ていたってこともあるはずなんだけどな。オリジナリティでいえばJOJO立ちくらいじゃないのかしら。

話がそれましたが、私みたいな画力が貧弱な人間は、AIの力を借りて、そのまま使うのではなくさらに弄って形にして世に送ります。
プロンプトは私の著作物。それをデザインにするのも私の著作物。そう思っていますが、いかがでしょうか？